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二話 厨二病でも背伸びしたい(笑)

僕は、パシりという任務をこなしていた。

目標ターゲットは購買部に設置してある自動販売機。

そして、その周辺には諸悪の根源(リア充)がたむろしている。

現在位置は、購買部のある西校舎に繋がる渡り廊下だ。

しかし、前方にリア充が居るためなかなか進めない(主に精神的な部分で)

リア充め! もしここにM72グレネードランチャーがあれば爆発させれるというのに...…!

まぁ、それは置いといて移動の間、僕の基本的なスペックを説明してみる。

僕の容姿は自分で言うのもなんだけどけっこう良いと思う。イケてるメンズの部類に入ると思う。多分...…。

学力も中の上だ。それに家事も出来る。

あれ?僕って凄く高スペックじゃない?超優良物件じゃないか!

僕ってもう少しでモテ期来るくない! やったね。たえちゃ(ry

アホな事を考えながら移動しているといつのまにか購買部に着いていたみたいだ。


「やっと着いたー。さっさと買って戻らないと」

そして自動販売機のもとへ向かった僕は固まった。文字通り固まった。

背中を冷や汗がタラリと垂れる。僕の体が、これ以上進めば変な奴と関わってしまうと、警鐘を鳴らしている。

しかし、僕は敢えて進むことにした。

近くの遮蔽物に身を隠し、チラリと窺う。

僕の視界には自動販売機と...…変な幼女がいる。

具体的に言うとゴスロリの小学生くらいの幼女が、自動販売機を手に持った杖でバンバン叩いていた。


「へ、変態幼女だ...…」

思わず呟いてしまった。

すぐに息を止めるが、

残念ながら変態幼女さんが、僕の方をぎょっとした眼で見ていた。

今の呟きが聞こえてしまったようだ。


「あ、あ、えっと…...ククク愚かな。我は冥府より現世に降り立った冥界神セレーヌ・グリンデルバルトである...…。決して変態などではない..….」

変態幼女がイタイタしい口調で話し出した。これは、まさか……!

《邪気眼系オサレ厨二病》

く、黒歴史が……! 記憶の片隅に追い込んだはずのブラックヒストリーが……!


――四年前、黒葉 岬 14歳

「フハハハハ! 我が名は黒葉・ナイトメア・岬! くれぐれも我に近付くな! いつ我が精神が、左手に宿りし破壊龍に呑まれ、正気を失うかわからん!」

「「「……」」」シーン

僕は新しいクラスで、自己紹介のとき凄まじくイタイタしい挨拶で、クラスのみんなを一瞬でシラけさせてしまった。

この日から僕はクラスに馴染めなくなり、卒業するまで、真っ黒な中学生活を送ることになってしまった。

付いたあだ名は……《オサレ人》


「うわああああああああ!!!」

「な、ど、どうしたのだ!? 発作なのか!?」

黒歴史を発掘され、叫びながら悶絶する僕を、変態幼女が慌てて背中をさする。

ようやく落ち着いてきた僕に変態幼女が声をかける。


「だ、大丈夫か?人間」

「はぁ、大丈夫だ。悪かったな。見苦しいところを見せてしまって」

「それは良いがどうしてあんな風に「そんなことより何故にその杖で自販機叩いていたの?」

最後まで言わせない。こんないたいけな変態幼女に黒歴史の苦しみを教えるのは、残酷すぎる。


「え、それはそのー。背が届かなくて、この邪龍の杖でボタンを押そうと思ったのだ」

「そうなんだ」

「でも、杖が短くて届かない……」

不憫過ぎる……。


「汝、我はまだ現世の封印が解けておらぬゆえ、この自動販売機の一番上のボタンが押せぬ。手伝うが良い」

「お、おう。手伝うのは良いけれど、どうして小学生が高校に居るの?」

「な! 小学生じゃないもん! 小さいけど、これでも高校生なんだから! 」

「わ、悪かった。それとキャラぶれてんぞ?」

「あ、ククク、久しいなここまで感情を表に出したのは。五十億年ぶりだ...…」

「五十億って...…。地球出来てねえぞ?」

「こ、細かいことはいいのだ! 」

「そうなのかー、それで何が取りたかったんだ?」

「ククク、生命の泉から湧きし神の御水。いろはす ミカン味」

「了解」

この幼女もすごく疲れる。一と同レベルだ。

まぁ、とりあえず自販機の一番上のボタン、いろはすミカン味のボタンを押す。

いろはすっておいしいのかねー。そう思いながら厨二なオサレさんにいろはすを渡してあげる。


「ほら、どうぞ」

「ククク、感謝する」

「どういたしまして」

そして僕の分のオレンジジュースと一の分のカフェオレ..….は無かったからココアを買う。


「じゃあ、僕はもう戻るね」

「ククク、そうか…...。ご苦労であったな、人間。褒美に我の仮の名を教えてやろう。結城 菜月(ゆうき なつき)だ。

クラスは2-Bだ」

「僕は黒葉 岬。よろしく」

「ククク、何かあれば我を召喚するが良い。去らばだ」

「まぁ、機会があればな。ちなみに僕は2‐Dだ。暇な時はいつでも来いよ」

「そうさせてもらおう。ククク」

よし、パシりという名の任務は完了。後は戻るだけだ!

よし、急いで戻――


キーンコーンカーンコーン(ざまぁ) キーンコーンカーンコーン(草不可避www)


...…買った飲み物。昼休みにでも渡すか..….。

こうして僕は気分を最底辺にして教室へ戻っていった。



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