第四話:特訓開始
ソラとジンは、ガクからの特訓を受けることになる。二人の行く末は‥‥
ソラとジンは、窓から漏れる光を受けて目が覚めた。
ソラ
「ふぁぁ、なんか昨日から昼寝とかしまくってるから目が冴えてるぜ!」
すでに起きていたガクは
ガク
「おはよう、修行は9時30分から始めるからとりあえず朝飯を食べよう。」
ソラ・ジン
「はぁい」
警官が持ってきた乾パンを5袋食べ終わり、やがて9時30分になった。
ガク
「よし、じゃぁ特訓するか。」
ジン
「ガクさん、聞きたいことがあるんどすけど。こんな何もない部屋で何をするんですか?」
たしかにこの部屋には何もない。しかしガクはニヤリと笑った。
ガク
「まぁ見てろ。」
そう言うとガクは、頭上のリングを手に取り
ガク
「ワープ!」
と唱えた。
すると、ガクのリングが大きくなり、3人の回りを囲んだ。
ソラ
「な、なんだこれは?」
ソラがそんなことを言ってる間に、目に眩い光が飛び込んできた‥‥
しばらくして目を開くと、そこは、蒼い海の近くにある砂浜だった。
ジン
「な、なんだここは?」
ガク
「ここは小笠原諸島だよ。」
ソラ
「小笠原って‥‥どこだ?」
ジン
「人間界か?」
ガク
「あぁ人間界だ。」
ソラとジンは、初めて見る海に感動した。
しかしすかさずジンは
ジン
「このワープというのも天使の技の1つですか?」
ガク
「あぁ、天双βレベルの技だ。まぁこの技は見たことのある場所にしかワープ出来ないがな。」
ソラ
「ガクさんここ来たことあるの?」
ガク
「メルボルンから東京に来る途中で見つけて、これはと思ったんだよ。」
ソラ
「そうかぁ、ねぇガクさん、この技教えて!」
ガク
「‥‥駄目だ」
ソラ
「何でだよ!」
ガク
「それは‥‥お前のリングではまだレベル不足だからだ。」
ジン
「レベル?リングにレベルなんてあるんですか?」
ガク
「あぁある、お前らのはレベル2だな。」
ジン
「レベル2‥‥じゃぁピッチリングはレベル2なのか?。」
ガク
「まぁそういうこった。」
ソラ
「‥‥質問なんだけど‥‥身分のレベルとリングのレベルって比例してるのか?」
ガク
「いい質問だね、その答えはNOだ、世の中には羽を武器とし、リングレベルが1なのに天光γの人がいるしな」
ソラ
「そうなんだぁ。」
ガク
「でも普通はリングレベルを上げておく必要がある。その方がAT(昇段テスト)でも評価が高くなりやすい」
ソラ
「なるほど‥‥」
ガク
「ということで、今回はこういう特訓だ。」
そういうとガクはリングを手に取りこう言った。
ガク
「ラージ!」
するとリングはみるみるうちにでかくなっていった。
ガク
「まぁこんなもんだな。」
ジン
「この技は家の母さんがよく使ってる技だ‥‥」
ソラ
「家の母さんもよく使ってるぞ」
ガク
「そうか、ならお前らにもできるはずだ、頭で大きくなるリングを想像しながらやってみろ。」
ソラとジンは、頭で想像してからリングを手に取り
ソラ・ジン
「ラージ!」
と唱えた。
しかし何も起こらない。
ガク
「やっぱり一度目じゃ無‥‥」
ガクがその言葉を言い終わる前に、突然ジンのリングが大きくなりはじめた。
ジン
「うわぁ、す、凄い!」
ガク
「や、やるなぁ‥‥こいつは見込んだ以上だ。」
しかしソラは
ソラ
「ラージ!」
と言っても変化無し。
ガク
「こいつはまだ時間がかかりそうだな。」
ガクはソラを厳しい表情で見つめた。