第二話:署
ソラ、ジンは東京をさ迷う。あても分からずに‥‥はたしてどうなる?
東京の中心街へと降り立ったソラとジン。
そこは天界とは全く違うもので、人間が多く騒がしいものだった。
ソラ
「人間界ってスゲェーなぁ、人間が沢山いるよ。こんなかに天使はいねぇのかなぁ?」
ジン
「いるわけ無いだろ!人間界なんだから‥‥」
ソラ
「だよな。んにしてもここにいるやつは羽とか生えてないんだなぁ、ワッカもないし。」
ジン
「ホントだ!人間って空を飛べないんだね!」
ソラ
「よし、それじゃぁここにいる人間どもに、空を飛んでるところを見せつけて自慢してやろうぜ!」
ジン
「ちょっと待て、昔本で読んだことがあるんだけど、天使の力は天界でしか使っちゃいけないって書いてあったよ。」
ソラ
「そんなのどうでもいいじゃん。ジンが飛ばないなら俺だけでもあの高い建物まで飛んで行っちゃうもんね。」
そういうとソラは地面を蹴り宙を飛んだ。
ジン
「ちょ、ちょっと置いてかないでよー。」
ジンもソラを追って空を飛んだ。
ジン
「そういえばソラは神秘の雫の手がかりを持ってるの?」
ソラ
「ぃや、全然。ジンは持ってる?」
ジン
「俺が知ってるのは神秘の雫がとても危険な場所にあるということだけかな」
ソラ
「そうなんだぁ、じゃぁまずこの人間界でやるべきことは情報収集だな」
ジン
「でもどうやって情報収集するんだよ?」
ソラ
「一昨日テレビで見たんだけど、一人の天使がこの人間界にやってきた、みたいなことを言ってたんだ。」
ジン
「あっ、分かった、要するにその人を見つけて‥‥」
警官
「お〜い、お前達、そこから降りてこい。」
突如二人の会話を警官が遮った。
ソラ
「な、なんだあいつ?」
ジン
「やっぱり人間界で空を飛ぶのはまずかったかなぁ‥‥」
ソラ
「それにしてもあの人間、面白いカッコしているな。」
ジン
「たしかに。」
二人は警官の制服を指差してクスクスと笑った。
警官
「おぃ、早く降りてこい。」
ソラ
「ジンどうする?」
ジン
「ここは、素直に降りた方がいいかもしれないな。」
ジンがそう言うと、ソラも納得し陸上へ舞い戻った。
その瞬間、カメラのフラッシュが二人の目を眩ませた。
記者A
「なぜあのようなところで飛んでいたのですか?」
記者B
「その頭上にあるワッカはなんなんですか?」
記者C
「一体あなた達は何者なんですか?」
記者からの質問攻めが来た。
警官
「だぁ〜うるさい、記者達は引っ込んでろ、この二人は本官が取り調べをする。」
そう言うと記者は次々と去って言った。
ソラとジンは暫くの間、目がショボショボしていたがやがてその症状は治まった。
ソラ
「俺等をフラッシュから守ってくれてありがとう」
警官
「は?なにを馬鹿なことを言っているんだ?とりあえずお前らには署まで来てもらう。」
二人は無理矢理署に連行された。
━━警察署
警官
「取りあえずこの部屋で待っていろ。」
そう言われて二人は小さな取り調べ室に連れていかれた。
警官が部屋から出ていったのを確認してから二人は話した。
ジン
「ここにいれば何か情報を得られそうだな。」
ソラ
「どうしてだ?」
ジン
「考えてもみろよ、俺等は空を飛んでいるだけでこの場に連れていかれた。と言うことは、この世界にいる、もう一人の天使もこの場へ連れていかれた可能性が高い。」
ソラ
「そうか!じゃぁここにいれば、その天使に会えるかもってわけか!」
ジン
「そう言うことだ。」
ソラ
「っしゃぁ、これでまた一歩神秘の雫に近づいたぜ」
ジン
「ぃや、まだそれは分からない」
ジンが事を言い終わった時、警官が入ってきた。
警官
「お前らのような頭上にワッカがあり、背中に羽があるやつが、オーストラリアのメルボルンで発見されたみたいだ。」
ソラ
「ホントかよオジチャン!」
警察
「本官はオジチャンではない、これでも24歳だ。」
ジン
「ていうかオジチャン、その人に会わせてくれ!」
警官
「だからオジチャンではない。んで今そいつが、東京に向かってきている。だからしばらくお前らはここで待機していろ」
━━オーストラリア
そこにはもう一人の天使のガクがいた。
ガク
「ソラ、ジン待ってろよ。」