第十二話:コウとリン
エレベスト行きもきまり、夜を過ごしていた三人、しかし異変が‥‥
ソラとジンはガクが天力を練り上げて作った家でエレベストへ向かう準備をしていた。
ソラ
「‥‥とうとう明日だな。」
ジン
「あぁ、なんか緊張するな。」
二人が話していると、ガクの部屋から声が聞こえた。
二人はそっと、部屋を覗くと‥‥
ソラ
「あれって‥‥血?」
ジン
「多分‥‥」
ソラとジンが見た光景は、部屋中血だらけに染まる床や天井だった。
思わず身を引いてしまう程の血に染まった部屋だったが、二人は意を決して部屋に入った。
ソラ
「ガク!どうしたんだ!」
ガク
「ぃや、ただの鼻血だ‥‥」
ジン
「んなわきゃねぇだろ!前から思ってたんだけど俺等に何か隠してるだろ?」
ガク
「‥‥」
ソラ
「ガク‥‥一人で背負い込むのは止めてくれよ。」
この言葉にガクはついに全てを話す気になった。
とりあえずソラとジンはガクを手当てし、椅子に座らせた。
ガク
「まず、最初に‥‥俺とお前らの関係から話しておくか。」
ソラとジンは真剣に聞いた。
ガク
「10年前、俺には二人の親友がいた。コウとリンだ。コウは元気な男、リンはおてんばな女だった。」
ソラ・ジン
「‥‥」
ガク
「コウとリンはやがて結婚し、俺は心からその事を祝った。しかし‥‥」
━━10年前
コウ
「なぁリンとガク、人間界に行かないか?」
リン
「なんだか恐いわ。」
コウ
「俺が守るから大丈夫さ!」
ガク
「お二人さんお熱いことで!」
コウ・リン
「うるさい!」
そして三人は人間界へ行った。
‥‥が、俺らは人間界で罪を犯した。
人を一人勢いで殺してしまったんだ。
その時三人は人間界に住む神様に捕まりそうになった。
だが‥‥
コウ
「二人は逃げろ、殺したのは俺だ!」
ガク
「バカヤロー、お前を置いて逃げれるか!」
コウ
「‥‥実は、リンは妊娠しているんだ。」
リン
「コウ、それは‥‥」
コウ
「だからガク、リンを守ってくれ。じゃぁな。」
そういうとコウはリングを光らせ、目眩ましをして、一人神様の所へ行った。
ガク
「コウー!!」
その後ガクとリンは気を失った。
目を覚ますと‥‥
リン
「私、コウを助けてくる。」
ガク
「馬鹿!それじゃぁコウのしたことは無意味じゃないか!」
リン
「‥‥そうね、今はこの子達を産まなきゃ。」
そして、リンの子供は産まれた。
なんと双子というから驚きである。
そしてリンは言った。
リン
「あなた達の名前は‥‥‥ソラとジンよ。」