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法定雇用率達成を目指して共生について考えてみたら、みんなが進化した  作者: 青海


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仕事の切り出しと進化

この章では新しいことに挑戦することで得られる

環境、人材の進化の一歩を描いています。

読んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。



倫心と田中は早くも行き詰っていた。


研修で習った「仕事の切り出し」を実践すべく、

各部署にアンケートを実施し、集計した。

9割が「分からない」の解答だった。


「設問が不適切だったのかもしれませんね」と、

倫心はアンケート用紙を再度見直しながら呟いた。


〇担当している業務で障がい者スタッフにお任せ出来そうな作業について

ご意見お聞かせ下さい。

例:備品管理・・・入力業務

  清掃・・・休憩室、トイレの清掃


「紙に書くのがめんどい人の為にわざわざスマホ用アンケートも作ったのに。

時間の無駄かよ」と田中が喚く。


倫心が1枚のアンケート用紙を手にして言った。

「詳しく書いてくれたのは川原さんだけですね。

川原瑞恵さん、小ロットのピッキング担当…」

アンケートは無記名でも構わないとしたが、

川原の提出した用紙には名前と担当業務が記載されていた。


倫心と田中は、回答欄が隙間なくうまっている川原が書いたアンケート用紙を

凝視する。


川原の回答は以下の通りであった。


• 備品倉庫の清掃

機械から離れているため、大きな音が気になる方にも配慮できる。


• 小ロット梱包用箱の組み立て

単純作業なので覚えやすく、座ってできるため負担が少ない。


• 備品発注入力

数字入力だけなので、手先に少しの麻痺があっても少ない力でできる。


• 備品の補充

倉庫と作業場が遠いので、いつも時間のロスだと思っていた。

誰かがやってくれると時間のロスも減り、助かる。


「すごい」と、倫心は思わず感嘆の声を漏らした。

田中はPCで人事管理システムから川原の情報を検索した。

資格欄には『介護福祉士』『社会福祉士』と記載されていた。


「力になってくれそうな方ですね」と、

倫心は川原の情報画面に希望の眼差しをむけながら言った。


「ただのパートのおばちゃんかと思ってた」と、田中は呟いた。

「田中さん、言い方が…」と、倫心は突っ込みを入れながら思った。

戦力を見つけたと。



〇川原の回想


お昼休みに人事課の社員さんがアンケートのお願いにやってきた。

障がい者雇用についてのアンケートらしい…。


「ご意見お聞かせ下さい」の文言がなぜか刺さった。

ここ数年意見を求められることもなく

誰かの意見を聞くこともなく過ごしてきたことを思い知らせる。


専門職の頃は常に意見を求められた。

誰かの為にどうしたら良いか考えていた。


家庭のことはうまく回るようにすべてを自分で決めていた。

配偶者は「お前に任せる」が口癖だった。


こどもの学校行事、親戚の集まり、町内会のこと…。

地域で暮らしていけるように、ただ良い人でいようと立ち回る。



パート先も自分で決めた。

子育てが落ち着いた頃、家計のために再び働こうと思った。

自宅から近く、就業時間を選べ、家事と両立できるかどうか。

それだけで、やりがいは求めなかった。

専門職のハードさを知っていたから、資格を活かして働こうとは思わなかった。

自分で決めたことに後悔はない。


食べていくことに不自由はなく、

子どもも自分の道を見つけた。

現状に満足している。


アンケートに回答するために久しぶり仕事についてさまざまな角度から考えた。

伝えたいことが溢れてきた。

進化したような心地になった。


読んで頂きありがとうございます。

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