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法定雇用率達成を目指して共生について考えてみたら、みんなが進化した  作者: 青海


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24/33

みんなが働きやすい環境にしちゃいましょう

いつも応援ありがとうございます。

更新すると必ず読んで下さる方がいて

泣けてくれるほど嬉しいです。

この章では職場の変化を描いています。

よろしくお願いいたします。

「ごめんなさい。」 宮西は、川原やパート社員たちに心をこめて頭を下げた。


工場の発送場。

倫心と田中は、先週のトラブル解決のため、今日も工場に足を運んでいた。


宮西の謝罪に続き、パート社員たちも次々に頭を下げる。

「ごめんなさいね。ひどいこと言っちゃって。」

「ごめんなさい。反省してる」

「決めつけてしまって申し訳ございまとんでした。」

最後に川原が真剣な眼差しを宮西に向ける。


それを受け、宮西は

「ファイルを投げちゃって、ごめんなさい。

あのファイルは、ファンの人の大切な宝物。

私、ちゃんと、役に立ちたいです。

ファンの人に喜んでもらいたいです。」 と、透き通るような気持ちを


真っ直ぐに伝えた。

その純粋な言葉は、自然と周囲に浸透していく。


日々の業務に追われ、隅に追いやってしまっていた

仕事の「やりがい」を明るく照らし出した。


「そうよね。私も喜んでもらいたい。役に立ちたい。

どうしたら、宮西さんが作業をしやすいか、私たちに教えて下さい」

と川原は柔らかな口調で宮西に問いかけた。

「えーと…。」 言葉に詰まった宮西を、倫心がそっとフォローする。

「梱包材の棚、どうしましょうか?」


全員で棚の前に移動し、皆でその配置を見つめて考える。

「前は怒ってしまったけど…本当は漢字が難しくて…

あれはなんて書いてあるのか分からない…。」

宮西は、『緩衝材』と書かれたシールを指さし、

恥ずかしそうに小さな声で本音を吐き出した。

「話してくれてありがとう。」 川原が、その言葉を優しく包み込む。

「あの…私も最近老眼が進んで、文字が見えにくいと思っていたのよ」

年配のパート社員の一人が、ぽつりと発言した。

「配置も変えた方が良くないかしら。重い段ボールが上にあって、

取るのが面倒よ。効率が悪い」

「そうよね。実は私も思ってたの。田中さん、試しに取ってみてよ」

「え、俺ですか。」 急に振られて、田中は動揺しつつも、

棚の上段にある一辺六十センチの段ボールに手を伸ばし、取り出した。

「確かに取りにくいかも…。」 田中は率直な感想を伝える。

「でしょ。後さあ、これもさあ、こっちの方が良くない?」

「みんなが使いやすいように変えちゃいましょう」 倫心が提案する。

「そうよね。この、包装紙もさあ…」

その場にいた皆から、活発な意見が次々と飛び交った。


意見を言いながら、皆が思考錯誤を重ねる。


数分後、皆の知恵と工夫と想いが凝縮され

棚は誰もが使いやすい理想の形へと整った。


「宮西さんのおかげで使いやすくなったわ。」

川原が、心からの感謝を込めて宮西に声をかける。

宮西は、嬉しそうにほほ笑んだ。


一新された棚を前に、田中は、研修で耳にした障がい者雇用のメリットが、

ようやく実感を伴って胸に落ちるのを感じていた。


・生産性が向上する

・全員の能力を活かすことを考えるようになる

・社員の視野が広がる

・思いやりが持てるようになる

・コミュニケーションが増える

・障がい者雇用は企業のイノベーション


これらは全て、法律を正当化するための建前で、絵空事のような話だと田中は思っていた。


今、目の前で起きていることは紛れもない現実であり、確かな変化だ。


「社長は、こうなることが分かっていたんですね。」 倫心がポツリとつぶやく。

「え?」 田中が聞き返す。

「社長がおっしゃってました。『色の正体は光。反射と吸収のバランスの違いで、

人の目に映る色が違うだけ。宮西さんが入社することで、わが社が何を吸収し、

何を反射するのか。どんな新しい色になるのか見てみたい』って。」

「へー」

「ちゃんと吸収して反射して、新しい色になりました。

それぞれが輝いて、色とりどりです」

「ちょっと、大袈裟だけど…まあ…そうかも」

「田中さん、後一人ですね」

「だな。あと一人で、法定雇用率達成だな」

「本社に戻ったら、打ち合わせしましょう」


きっとこの風景も外部の人が見れば、只の作業風景に映るだろう。


この彩りを私達が刻み込めればそれで良い。


みんなが進化している。


倫心は目の前の『特別』を目に焼き付けた。

読んで頂きありがとうございます。

よかったら、感想お待ちしてます。

よろしくお願いいたします。

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