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俺がワガママ王子なわけがない! ~交通事故で転生したら、評判最悪の王族になっていた件~  作者: 角砂糖
第二章 え、誰だよお前ら!? 城外で無名の三人と遭遇!
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剣に続いて杖と盾も魔改造!

ギルドの掲示板に、新しい依頼が貼られた。


【依頼】

王都近郊で入手可能な薬草・鉱石などの素材採取。

併せて地形・魔獣の出没傾向を記録。

依頼主:橘 理人


ユリウスは首をかしげて声を上げた。

「おい理人! 依頼主が……お前の名前になってるぞ?」


理人はにやりと笑い、ゴーグルを指で押し上げた。

「そう。俺が依頼したんだ。ギルドを回すには物資と情報がいる。

薬草は回復薬の材料にもなるし、鉱石は武具改造のサンプルになる。

それに……実際に歩いて地理を把握しないと、地図が役に立たない」


セリナは目を丸くした。

「じゃあ、依頼人も一緒に来るの?」

「もちろん。俺抜きじゃデータ取れないからな」


「……爆発物は置いてきてくれよ」

ガルドが低い声でぼそりと釘を刺す。


「安心しろって! 今回はドローンでスキャンするだけだ。たぶん」

「“たぶん”て言ったぞ!」ユリウスが叫ぶ。



数日後、王都近郊の丘陵地帯。

草原の向こうに森が広がり、あちこちに薬草や鉱脈の兆候が見える。


「よし、作戦開始!」

理人は背中の小型装置を起動し、数機のドローンを飛ばした。

「こいつらで地形データを取る。お前らは薬草や鉱石を採取してくれ。……魔獣が出たら即応戦!」


ユリウスは剣を担ぎながら草むらをかき分け、セリナは植物を慎重に摘み取り、ガルドは周囲を見張る。

理人はタブレット状の装置に映る地形図を眺めながら、次々と指示を飛ばした。


「ユリウス、そこに群生してる赤葉草は回復用だ。根っこごと抜け!」

「了解!」

「セリナ、北側の崖沿いに光ってる鉱脈がある。サンプルを採れ」

「えっ!? わ、わたしが!?」

「ガルドが横で守るから安心しろ」

「……承知した」



汗と泥にまみれつつも、彼らは次々と素材を回収していった。

最後に森の奥から小型の魔獣が現れたが、ユリウスとガルドが押さえ、セリナの炎で追い払う。


「よーし、これで一通りデータも揃った!」

理人がドローンを呼び戻し、満足げに笑う。

「これで回復薬とラボの材料補給ルートが確保できる。……やっぱ実地調査は必要だな」


ユリウスは袋いっぱいの薬草を肩に担ぎ、笑みを浮かべた。

「これも立派な“冒険”だな!」


こうして、《暁の牙》の新たな活動が始まった。

戦うだけでなく、生活を支えるための冒険――。

それが、ギルドを根付かせる大切な一歩となったのだった。



理人のラボに、再び仲間たちが集まっていた。

机の上にはユリウスの改良済み剣が置かれ、彼は満足げにそれを磨いている。


「……さて、次はお前らだな」

理人が手を叩くと、セリナとガルドが顔を見合わせた。


「わ、わたし……ですか?」

「俺の盾も、か……」


理人はにやりと笑う。

「おう。せっかくだ、全員アップデートだ。まずはセリナから」



古びた杖を受け取ると、理人はしばし観察し、首を傾げた。

「……これ、魔力が散って安定してねぇな。詠唱中に暴発するのは、杖そのものの欠陥もある」


セリナは顔を赤くしてうつむいた。

「そ、そんな……でも、母の形見で……」


理人は表情を和らげた。

「安心しろ。大事なものだからこそ、壊さずに強化する。――っと」


杖の先端に金属リングをはめ込み、内部に魔力伝導材を埋め込む。

さらに、小型の安定装置を取り付けて――完成。


「改良型《導糸の杖》。魔力が暴れにくくなるはずだ」


セリナがおそるおそる握り、試しに小さな光球を生み出すと――

「……暴発しない! すごい、安定してます!」

「ふふん、科学の勝利だな」



次に理人はガルドの分厚い木盾を手に取った。

「……お前の盾、頑丈だが重すぎる。長期戦じゃスタミナを削られるぞ」


「……わかってはいる」


理人は盾の裏に金属骨組みを追加し、外装を一部削って軽量化。

さらに衝撃吸収用の詰め物を仕込み、短槍との連携が取りやすいようにグリップを改造した。


「よし、《軽量衝撃吸収シールド》の完成だ」


ガルドが構えてみると――

「……軽い。だが耐久は落ちていない。……すごい」


口数少ない彼が珍しく目を見開き、短く頷いた。



三人の武器が並べられたラボを眺め、理人は満足げに言った。

「これで《暁の牙》はもう“ただの新人”じゃない。

武器も支援も揃った、本物のパーティだ」


ユリウスは剣を掲げ、セリナは杖を抱き、ガルドは盾を強く握った。

それぞれの表情には、確かな自信が宿っていた。



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