登場人物紹介
高原倫太郎/アレクシス・フォン・ヴァインベルク
【前世】
16歳の平凡な男子高校生。友人はそこそこ、成績も中くらい。やや気弱ながら誠実で努力家。趣味は少し地味で、推しキャラは「年上の包容力ある女性」という渋いタイプ。
【現世】
ヴァインベルク王国の第一王子。絹のような金髪と碧眼を持つ、絵画のような美少年。だが元の人格は傲岸不遜で自己中心的、国中に悪名が轟く「ワガママ王子」。
中身が倫太郎に変わったことで、周囲は困惑しつつも「いつもの悪行」とは違う彼の言動に翻弄され、少しずつ人々の心に波紋を広げていく。
ギルバート
王子付きの若き執事。冷静沈着で礼儀正しく、表情を崩さない完璧さを持つが、内心では王子の理不尽さと突発的な行動に日々胃を痛めている。
倫太郎視点では「この世界で一番の苦労人」であり、同時に「ツッコミ担当」的存在。真面目ゆえに皮肉やため息が増えてしまうが、忠誠心は確か。
ミラ
王子付きの侍女。まだ若く、普段はアレクシスの横暴におびえているが、本来は優しさと芯の強さを持っている少女。
倫太郎の態度の変化に最初は戸惑うが、やがてその奥にある誠実さに気づき、彼を見直していく。王子の周囲でいち早く「違い」を感じ取った人物の一人。
真導 渚
【元の世界】
倫太郎が推していたソシャゲのキャラクター。32歳の霊織士(サポーター/ヒーラー)。銀色の長髪と落ち着いた藤色の瞳を持ち、母性的な包容力と達観した強さでプレイヤーを魅了する。
他の派手な若手キャラとは違い、渋く堅実な立ち位置のキャラだったため人気は高くなかったが、倫太郎にとっては唯一無二の推しだった。
【現世】
倫太郎の願いによって「召喚石」から呼び出され、異世界に実体を得る。人々の「心の糸」を読み取り、感情の乱れを調律する力を持つ。戦闘でも暗殺者を一瞬で制圧する実力を見せる。
倫太郎に対しては「王子」ではなく「高原倫太郎」として接し、彼に安らぎを与える存在。
その美貌と年齢差も含め、王城内では「謎の銀髪美女」「王子に寵愛された専属メイド」と噂され、スキャンダラスな視線を集めてしまう。