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想像の形

 音が、消えた。


 遠くで鳴っていたドラムのリズムは、まるで合図だったかのように静かになった。

 俺は気づかないふりをしながら、その“感覚”を確かめる。



あの男はスマホを取り出して、静かに言った。


「まったく……まだ気づいてないか」

ため息をつきながら、ポケットにしまう。


「自分の能力に気づいたら、必ず連絡してくれ」

そう言って俺に連絡先を渡すと男は薄暗くなる街の影に消えていった。



その数時間後、夕方の部屋の中。

カナメは窓のそばで腰を下ろし、外の夕焼けをぼんやりと見つめていた。


「やっぱり、何かあるんだよな……」

呟きながら、目を閉じる。


頭の中に鮮明に思い浮かべるのは、能力のイメージ。


「風の刃……切り裂く力」


指先に微かな熱が走り、風が耳元をかすめるような感覚がした。


「……できるか?」


部屋の静寂を切り裂くように、スケッチブックのページがふわりとめくれた。


「これが、俺の力……?」


そう思いながら、カナメは初めて自分の能力を実感した。



名前はまだないけど、力は確かに芽生えた。

物語はここから、ゆっくり動き出す。


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