目覚め
こんにちは!このお話は、私が見た夢からできた物語です。
夢の中で見た不思議な光景や、主人公カナメの能力のイメージがずっと頭に残っていて、それを形にしてみました。
普通の学生だったカナメが、自分の力に気づいて非日常の世界に巻き込まれていく様子を描いています。
これからどんな展開になるのか、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです!
夕焼けが街を染める帰り道。
カナメは静かに歩を進めていた。長い影が足元に伸び、風が少し冷たく頬を撫でる。
周りには誰もいない。
ただ、時間だけがゆっくりと流れているようだった。
そんな時、背後から一つの声が、低く響いた。
「君に話がある。」
振り返ると、そこに立っていたのは、見知らぬ大人だった。
その瞳には、不思議な光が宿っていて、言葉にならない何かを訴えているようだった。
要の心臓が、ほんの少しだけ早鐘を打った。
これは偶然か、それとも――。
昼休み。教室の窓際で、俺はいつものようにドラムのスティックをいじっていた。
周りの友達が何か話してるけど、あまり興味はなくて、ただぼんやりと外を眺めている。
「かーなめ!今日放課後空いてる?」
1人のクラスメイトが俺に話しかけてくる。
こいつには放課後一緒に過ごすやつなんて多分山ほどいるだろう。多分気を使ってるんだろうな。
「うーん……家で練習かな」
曖昧に笑って返す。これ以上は話しかけられないように、視線をまた窓の外に落とした。
授業中
なんだか頭の中がざわついている。
まるで自分の中で何かが動き始めてるような感覚があった。
なんだろうなこれ。
ザワザワする。熱っぽいわけじゃないし、腹が減ったとかでもない。
……ただ、身体の奥のどこかで、何かがずっと「動いてる」感じがする。
放課後。
日が傾いてきて、校門を出た頃には空がオレンジに染まっていた。
自販機で水を買って、イヤホンを耳に入れながら帰路を歩いていたそのとき。
後ろから、低くて、でも妙に耳に残る声がした。
「君に話がある。」
思わず立ち止まって、振り返る。
そこには、大人がひとり、立っていた。
見覚えのない顔。スーツでもジャージでもない、どこか妙な服装。
でも、そんなことより先に、直感が告げていた。
――この人、絶対に“普通じゃない”。