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事件当時 新聞の切抜き

『湖畔で視界不良の事故多発 霧と地形の影響か』

(昭和56年10月21日 朝刊 彩咲日報)


彩咲町・桜見湖周辺で、夜間や早朝の視界不良による転倒・迷い込み事故が相次いでいる。

関係者によると、同湖は気温差や湿度の影響を受けやすい地形で、濃い霧が発生しやすいという。役場は注意を呼びかけている。



『湖畔で女性遺体 刃物による傷跡 警察が捜査』

(昭和57年5月12日 朝刊 彩咲日報)


彩咲町の桜見湖付近で若い女性の遺体が発見された。

死亡していたのは町内に住む中村綾乃さん(20)で、遺体には刃物で刺されたとみられる傷が複数確認されている。

桜見湖は緩やかな山道を登った先にあり、昼間はハイキングコースしても親しまれているが、夜間や悪天候時の安全面が問題視されていた。特に湖周辺では濃い霧が発生しやすく、これまでにも視界不良による転倒や迷い込みが相次いでいることから、警察と役場は以前から注意を呼びかけていた。現場は若者の間で肝試しの場として知られており、警察では何らかのトラブルに巻き込まれた可能性も含め、捜査を進めている。



『湖畔殺人 捜査難航 目撃情報なく地元に不安』

(昭和57年5月16日 夕刊 彩咲日報)


今月12日に発生した桜見湖での女性殺人事件について、警察は引き続き現場周辺の聞き込みを行っているが、現在までに有力な手がかりは得られていない。地元住民からは不安の声が上がっており、警察は防犯パトロールの強化を検討している。



『湖畔殺人 凶器見つからず 捜査本部、情報提供呼びかけ』

(昭和57年5月19日 朝刊 彩咲日報)


今月12日深夜に発生した桜見湖での女性殺人事件について、彩咲警察署は引き続き現場周辺の捜査を行っているが、凶器とみられる刃物は発見されていないことが関係者への取材で分かった。捜査本部では「些細なことでも構わないので、事件当夜、現場周辺で不審な人物や物を目撃した方は警察まで情報を寄せてほしい」と呼びかけている。

また、湖周辺では濃霧が発生しやすく、視界不良による二次被害の危険もあることから、夜間の立ち入り自粛を求めている。


『湖畔殺人受け 夜間パトロール強化へ』

(昭和57年5月25日 朝刊 彩咲日報)


彩咲町で発生した桜見湖での女性殺人事件を受け、地元警察と役場は来月から湖周辺の夜間パトロールを強化する方針を明らかにした。

同湖周辺では以前から若者の集まりや、肝試し目的での立ち入りが問題視されており、事件発生以降、町内では不安の声が高まっている。

警察では引き続き犯人の行方を追うとともに、役場と連携し湖の安全対策に力を入れる方針。



『桜見湖周辺、立ち入り自粛を再呼びかけ 夜間・濃霧時に注意』

(昭和57年6月5日 朝刊 彩咲日報)


彩咲警察署と役場は、桜見湖周辺の夜間立ち入り自粛を改めて呼びかけている。

同湖周辺では夜間や濃霧時の視界不良により、過去にも転倒事故などが相次いでおり、今後の事故防止を目的としたもの。

先月には現場近くで女性が殺害される事件も発生しており、警察は「事件とはまた別として、十分注意してほしい」としている。



『湖畔殺人から3ヶ月 いまだ犯人不明 町に漂う不安と風評』

(昭和57年9月10日 朝刊 彩咲日報)


桜見湖で女性が殺害された事件からまもなく3ヶ月が経過する。

現場からは犯人につながる手掛かりは依然見つからず、目撃情報も決め手を欠いており、警察の捜査は難航している。警察は引き続き捜査を続けるとともに、住民に情報提供などの協力を呼びかけている。


『夜間パトロールと防犯灯設置へ 湖周辺の安全対策』

(昭和57年11月15日 朝刊 彩咲日報)


桜見湖周辺での女性殺人事件を受け、町と警察は夜間のパトロール強化と、防犯灯の追加設置を進めている。湖周辺では以前から夜間の視界不良による事故が問題視されており、今回の対策は住民の不安解消と再発防止を目的としたものだ。




『桜見湖周辺への立ち入り自粛を 警察が注意喚起』

(昭和57年7月1日 彩咲日報)


 桜見湖で発生した女子大学生殺人事件について、警察は引き続き現場周辺の立ち入り自粛を呼びかけている。

 事件発生以降、湖には観光目的や、いわゆる“心霊スポット”目当てに訪れる若者の姿が絶えず、捜査関係者は「現場保全が難しくなっている」と頭を抱えている。

 「現場周辺には規制線を張っていますが、一部では無断で立ち入る者も後を絶ちません。根拠のない噂や憶測が現場を混乱させています。今は捜査を最優先に考え、現場には近づかないようお願いしたい」と、担当刑事は冷静な対応を求めている。

 また警察は、週刊誌や雑誌などで煽られている幽霊騒ぎについて「事実無根」とした上で、無責任な情報の流布に対しても慎重な対応を呼びかけている。



『町外れの空き地で刺殺事件 浮浪者同士のトラブルか』

(昭和57年7月4日 彩咲日報)


昨夜、彩咲町南部の町外れにある空き地で、男性が刃物で刺され死亡する事件が発生した。死亡したのは、住所不定・無職の男性(年齢不詳)とみられている。

現場に居合わせた人の証言から、加害者は成村昭典容疑者(42)と判明。同容疑者は駆けつけた警察官により現行犯逮捕された。



『駅前路地で男性撲殺 無職の男を現行犯逮捕』

(昭和56年4月11日 彩咲日報)


昨夜、彩咲町駅前の裏路地で、通行人の男性(35)が殴打され死亡する事件が起きた。警察は、現場付近にいた無職の三上幸雄容疑者(28)を殺人の疑いで現行犯逮捕した。三上容疑者は「酒に酔っていた」と話している。


『河川敷に若い女性の遺体 絞殺の疑いで交際相手の男逮捕』

(昭和54年8月9日 彩咲日報)


昨日午前、彩咲町北部の河川敷で、若い女性が遺体で見つかった。警察は、交際相手だった会社員・田畑隆史容疑者(31)を殺人の疑いで逮捕した。田畑容疑者は「別れ話のもつれで首を絞めた」と供述している。


『住宅街で主婦、車にひかれ死亡 近所の男「わざとやった」』

(昭和54年12月7日 彩咲日報)


一昨日夜、彩咲町内の住宅街で、帰宅途中の主婦・佐伯久美子さん(42)が車にはねられ死亡した。警察は近所に住む無職・平井克也容疑者(45)を殺人の疑いで逮捕した。平井容疑者は「昔から顔が気に入らなかった。わざと車で轢いた」と供述している。




【特別企画】

■敏腕刑事が語る「犯人の追い詰め方」


 数々の難事件を解決に導いた刑事・加納貴一氏(54)。その卓越した捜査手腕と、容赦ない犯人追及の姿勢から、警察内部でも「鬼の加納」として知られている彼に、犯人逮捕の極意を聞いた。


──まず、加納さんが大切にしてきた“捜査の鉄則”とは?


「一番は、“人間のほころび”を見ることだな。どんなに用意周到なやつでも、必ずほころびは出る。証言の矛盾、態度の違和感、些細なミス……そこを逃さず、しつこく突く。結局、最後は人間の弱さが決め手になることが多い」


──証拠や科学捜査よりも、そうした“人間”を見るんですね。


「証拠はもちろん大事だ。けど、証拠だけで全てが解決するなら、警察なんて苦労しねぇよ。最後にモノを言うのは、刑事の執念と、相手の“揺らぎ”を見抜く眼だ」


──犯人を追い詰める場面で、特に気をつけていることは?


「焦らせないこと、逃がさないこと、そして“油断させる”ことだな。張り詰めた糸をいきなり切ろうとすると、向こうも構える。少しずつ、じわじわと包囲を狭めていく。相手が気づかないうちに、逃げ道を塞ぐ。それが理想だ」


──若い刑事へのアドバイスは?


「欲張るな。派手な手柄を焦ると、足元をすくわれる。地味でもいい、泥臭くてもいい。相手の呼吸を感じて、確実に詰めていけ。結局、それが一番近道だ」


 華やかな伝説の裏に、地道な積み重ねがあることを、加納氏は静かに教えてくれた。

 犯罪捜査の現場に、奇跡や偶然など存在しない。そこにあるのは、経験と執念と、そして人間のほころびだけなのだ。


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