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エンジェルライフ・Lovely  作者: 森嶋直斗
3/10

エンジェルライフLovely③ベニスで出会ったアクセサリー職人と食事の約束をした二人だが・・

アクセサリー職人のカルロと食事の約束をした二人だが、エライザは、そわそわ・・ういかは、寝ぼけて忘れている。とりあえず会いに行こうと夜のベニスにホテルを出て行った。


ベニスの街を一回りした二人、ういかは、イケメンの多い、ベニスの街で大はしゃぎ。

偶然再会したアクセサリー職人のカルロと夕食の約束をした。

ホテルに戻った二人は、お互いベッドに横たわりしばし休憩。

ういか:うん やっぱりこの町では、誰にも声かけられなかった。イタリアじゃ私たち有名じゃないんだよ。

エライザ:そうかな・・昨年、フランスが真っ先に取材に来てくれて、特番まで放送されて、ヨーロッパで急に人気が出るようになった。イタリアでもそこそこ知れてると思うんだけど・・

ういか:すーっづ すーっづ

まんぷくで、ベニスの昼寝・・・ゆめ心地


エライザ:ういか!起きて!真っ暗 真っ暗!外!

ういか:えっ あーよく寝た! あっ王子様の子供生まれちゃった。

満腹で、出っ張っていたお腹が引っ込んだ。

エライザ:9時になるよ行こう。

ういか:行こうってどこへ?

エライザ:カルロんとこ・・

ういか:あーあー あったな・ホンマに行く?

エライザ:すっぽかしちゃ悪いよ。顔だけ見に行けば・・

寝て起きたういかはすっかり夢から覚め・・・

 

エライザ:ここ曲がって、あっあそこの角じゃない?

ういか:早歩きだし、嬉しそうだね・・どうした・

エライザ:あっ見せ閉まってる帰っちゃったかな・・・


離れたところから声がした

カルロ:エライザ 来てくれたんですね。

エライザ:約束したから。

カルロ:食材を買ってきました。店も片づけて閉めたから私の家へ行きましょう。

エライザ:重そうだね。少し持つよ。

ういか:なんか・・空気感違うよ・・

エライザ:なにが? あんたも持って・・

ういか:なんか・・えっ化粧ってか??なんでその化粧!よく見れば、その服、どうした?

エライザ:私だって化粧するし、服だって着替えるでしょ。

ういか:違うな!違う 時間ないって言っててその化粧、その服!

ういか:あんた爆睡して起こしても起きなかったじゃん。

カルロ:エライザ!綺麗ですね。服も昼間よりエレガントです。

ういか:いつのまにこんなに仲良くなった・この・より沿う感・・なに?

カルロ:いつまでベニスに居るの?

エライザ:明後日の夜には出発するの。明日は仕事が入っていて昼間は空いてない。夜は空いてるョ。

ういか:もう、あしたのはなし?どないしたん?

少し離れて付いて行く・ういか

 

ういか:違う違う ちがーう あんなエライザ、見たことない!・・孤高の狼の獲物を狙う目じゃない! 来たかもね。旬が・・本人も気づいてないんじゃない。

エライザ:ういか!なにボソボソ言ってんの!あんた、もう、ちょっとこれ持って!


路地を曲がり

ういか:狭い路地だね。こんな道あるんだ。こんなとこまでレンガ張りか・・

エライザ:マフィアの隠れ家みたいだね。

ういか:ホントにマフィアだったらどうする!

エライザ:レオン誘拐事件の本物バージョン!

カルロ:ここです、どうぞ! ママ!日本のお客さんだよ。

ういか:ママ?? 一人じゃないの?

カルロ:ママのカルメン・ビアンキです。

エライザ:あーギター置いてある。

カルロ:ママはギタリストでした。今は、足を痛めて、最近は肩も痛くて人前では弾いていません。


テーブルには既に料理が並んでいる。

カルロ:座ってください。ママの料理美味しいですよ。私は、ピザ焼いてきます。ワイン飲んでてください。

ワインを注ぎ二人を残してカルロは厨房に消えた。


エライザ:質素な暮らしぶりね。旦那さんはいないのかな。

ういか:3人の写真あるよ。カルロの面影あるね。この人が旦那さんじゃない。

エライザ:カルロ!! ギター触っても良い?

カルロ:良いですよ

エライザは、チューニングをさっと合わせると・・ギターを弾き歌い出した。

エライザ:♪古いアルバムめくり・・・ありがとう・・

カルロ: ルールる ルールる るるるーるる  知ってます! ビギンですね。

ういか:ビギン知ってて、エンジェルライフ知らんってか!


焼きあがったピザを持ってきて

カルロ:どうぞ!私もワイン飲みます。

エライザ:お母さんはどう?

カルロ:お母さんはちょっとシャイです。大丈夫。料理食べてもらうととっても嬉しい。チップたくさんもらったから、いつもは買えない食材をいっぱい買ってきたから今、お母さんは料理に夢中です。さあ乾杯!

ういか:エライザは、ギターも弾けるんだね。

カルロ:フィリピンはみんなギター弾きます。エライザもギター上手です。

エライザ:なんで知ってるの

カルロ:いつもyoutubeで見てます。イタリアの田舎に行ってもエライザを知らない人はいませんよ。テルアビブで妊婦さんを助けたのもニュースでやっていました。Wiっかは、今日もテレビで踊ってたよ!。でも 船で来たとき、Wiっかとは分からなかった。顔もテレビと違うし・・

ういか:すっぴん見たらもっと分からんぞ!・ほっとけ・・そういえば、カルロ!あの人たちどうなった?

カルロ:子供は、亡くなりました。女の子だったみたいです。お母さんは、助かりましたが、両足骨折でイギリスのNPOが引き受けてリハビリ中みたいです。

エライザ:子供は残念だったね。

ういか:ところで、そんなに私たちのこと知ってるのに誰も声かけてこないよね。

カルロ:有名人が来ても誰も声かけませんよ。休暇中だろうし、ベニスには有名人がいっぱい来ます。今日もWiっかの横で見上げもの見てたのはジェニファー・ロペスと息子さんでしたよ。息子は気が付いてたけど・・ジェニファーがなだめてました。

ういか:えーっつ 声かけて欲しかったなぁーー

カルロ:Wiっかは、長身のワイルド・イケメンに妊娠させられてたョ。

ういか:恥ズッ 

カルロ:エンジェルクルーとしては、ちょっと恥ずかしいョ。

エライザ:だって、パスタで満腹のお腹めくって見せてたもんね。

ういか:マジで、、恥ずいーー

エライザ:ワインもらって良い!

カルロ:すごい飲みますね。インスタでも見たけど、すごいペースでワインが無くなります。でも、Wiっかのチップのお陰で1か月働かなくても食べていけます。今日は、家にあるお酒全部飲んでもOKだよ。

エライザ:早夏さんのお陰です。もう一度!乾杯!

カルロ:Wiっかさんアリガト!

ういか:その・Wiっか・っての何とかならんのか・・

カルロ:えーヴぃっか?

ういか:ういか!

カルロ:ううぃーか?

ういか:うーいか?こっちまでおかしくなってきた・・


カルメン:料理はどうでしたか?

車いすでカルメンがやってきた。

カルメン:エライザさんの歌、素敵でした。お酒も強いんですね。

カルロ:ママがギター弾いてくれます。

車いすにギターを抱えてカルメンがニコッと笑った。

顔つきが変わり軽快なリズムを刻みだすと静寂の中にギターの音だけが響く。やがて妖艶なメロディーに包まれ、二人は吸い込まれていった。何曲聞いたのかもわからず気持ちよくゆれながらゆっくりとベニスの夜がふけていった。

カルロが拍手した。

ういか:あっつ 終わり? 凄い 興奮した!

エライザ:フラメンコギターね。フィリピンはスペインの植民地だったからフラメンコも盛んでギターもそこから来ている。私もよく聞いた曲が何曲か有ったわ。

カルメン:エライザさんがフィリピンのハーフと聞いて、今夜の曲を選んでみました。喜んでもらえたかしら。

エライザ:とても素晴らしかったです。フィリピンで親戚が集まると誰からともなくフラメンコが流れみんな踊りだすんです。

カルロ:遊覧船で出会ってから昼ご飯に帰ってママに話したら会いたかったって言って、お店で会えたから食事に誘いました。

ういか:最初からママに合わせたかったッてことか・・・


カルロ:エライザ・・ゴメン・・もうお酒ないです。料理に使いかけたワインも飲んじゃったしお酒を買えるお店も開いていません。

エライザ:そんなに飲んだっけ

と、あたりを見回すとワインやウイスキーのボトルが資源化センターのようになっていた。


ういか:よし、今日はこのあたりで勘弁したる。カルロ君ご苦労であった。ママによろしくと・・・

エライザ:ホント、このへんが限界か・・カルロありがと!

カルロ:エライザ!ちょっと来て・・


潰れかけているういかをのこし、エライザを誘って二人で外へ出た。

見上げるカルロの視線を追いレンガ弊の先の夜空を見上げると砕いたダイヤモンドを散りばめたような星空が広がっていた。自然と触れ合う指を絡めると

カルロ:エライザ・明日も会える?

エライザ:うん・明日も会いたい!。

向かい合った二人に


ういか:おーえっはきそっ 


カルロ:明日も今日ぐらいには、お店閉めます。

エライザ:分かった!今日はありがと! ういか!重いんだって!歩け!大女の大酒のみ、めんどくせー!


狭い路地にぶつかりながら歩いているのが、エンジェルクルーだとは誰も気づかない。


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