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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
第二章

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第九十九話 ルウミラの狙い

 森の中を歩くこと五分が経過したか、大灯台はもう目と鼻の先だ。


「それにしても不気味ね、モンスターの気配がまるでないわ」

「この辺りは元々モンスターが少ないからね。だけどそれでも一切出現しないのは、妙だな」

「ルウミラが原因よ。彼女が特殊な結界を周囲に張っているんだわ、それで一切弱小モンスターが近づけなくなっているの」

「それはありがたいわね。でもわざわざそんな結界を張って、私達が来やすくしてくれるってことは……」

「戦って勝つ自信が相当あるってことだね」


 そうこうしている内に俺達はついに森を抜けた。目の前に高さ100メートル以上を誇る大灯台が立ちはだかった。


 間近で見ると天まで伸びるかというほどの高さだ。普通の旅行だったら、観光気分で気楽に上れるんだがな、今は事情が違う。


「ルウミラはいないわね。やっぱり彼女のいる場所は……」


 エイダは大灯台の天辺を見上げた。


「ちょっと待って、本当にこの高さを上るつもり?」

「確か俺の記憶が正しければ、この灯台には階段しかなかったような」

「冗談でしょ!? まさか私達の体力の消耗を狙ってるんじゃ?」

「安心しろ。〈リフティングボード〉を用意しておいた、すぐに頂上まで着ける」


 聞きなれない女性の声が、どこからともなく響いてきた。


「だ、誰!?」

「ルウミラ……あなたね。どこにいるの!?」

「ふふ、ここだ」


 突如目の前に魔道士らしき女性が現れた。フードとマスクを被った小柄の女性。青い髪をしていて、深緑色のマント、そしてなんともいやらしいほど露出が激しい服を着ている。


 この外見は見間違えない、ルウミラだ。やっと俺達の前に姿を現したな。ただところどころ霞んでいるように見えるな、もしかして幻か。


「久しぶりだな、エイダ。ほかの二人は初対面だな、私はキシア帝国の魔道士、ルウミラ・ゼゼーナン。約束通り三人で来てくれて嬉しい限りだ」

「ルウミラ! 悪いけどあなたとの再会を喜んでいる暇はないの、この〈シーリングボール〉を開封しなさい!」


 エイダはルウミラにディエゴが閉じ込められた〈シーリングボール〉を見せつけた。


「あと、さっき逃げてきたアルバイトの女の子にかけた怪しげな呪いもね」

「あぁ、そうだったな。でも私が、素直に言うことを聞く女だと思うか?」


 エイダがそう言うと、パメラが即座に弓を構えた。


「嫌でも言うことを聞くようにしてあげるわ。すぐに解放しないと、私の矢があなたの額を貫くわよ」

「ふふ、物騒な弓使いだな。よかろう、ならば私がこれから言うものを二つ出してくれたら、呪いを解いてもいいぞ」

「なんですって? その……二つっていうのは?」

「アナコンダの体液とケツァルコアトルの角だ」


 ルウミラが指を二本立てたまま発した言葉は、当然俺達も知っていた。そして持っている。


「ちょ!? どうしてその二つを私達が持っていると思って」

「とぼけるな。あの二体のモンスターが続けて偶然出現したと思っているのか?」

「なんですって? っていうことはまさか……」

「その通り。全ては私達が仕組んだことだ。あの二体とも、召喚されたモンスターでな。素材を入手するため、急遽この島で呼び出したのだ。そしてその二体は、本来私が始末するはずだった」


 なんということだ。だけどそう考えたら辻褄があう。本来こんな島で出てくるような強敵じゃないとは思っていたが、全て裏で仕組んでいたというわけか。


「そんな……七つ星モンスターを召喚するだなんて不可能よ」

「ふふ、相変わらず見識が狭いな。帝国には召喚魔法のエキスパートもいるんでな、七つ星モンスターを呼び出すなど造作もないことだ」

「なるほど。つまり私達はあなたの邪魔をしちゃったってわけね」

「そういうことだ。さぁ、さっき言った二つの素材を出すんだ。そうすればディエゴを解放してやろう」


 ルウミラの狙いも俺達と一緒か。パメラが俺に耳打ちした。


「ロバート、まさかルウミラもアレが狙いじゃ……」

「わかってる。素直に渡すのはまずいな。どうするか」

「何をこそこそ話している? お前達が持っているのはわかっている。早く出すんだ」

「ルウミラ、その前に教えて。どうしてアナコンダの体液とケツァルコアトルの角がそんなに欲しいの?」


 エイダが質問してみた。


「お前が知る必要などない。出したくないというのであれば、ディエゴは諦めるんだな」

「そう、やっぱりあなたも欲しいのね。〈覇王の魂〉が」

「なに!? どうしてそれを?」


 エイダが思い切って言い出した。


「とぼけないで。あなたの研究室で見かけたの、『究極の合成強化薬の存在と生成』と書かれた一枚の紙があったのよね」

「……そうか、知ってしまったか。知らない方が幸せだと言いたかったが、知ってしまった以上、お前達に取引は通用しそうにないな」

「な!? それじゃディエゴは……?」

「どうしても助けたければ、私を倒すことだ。もっともそんなことは無理だろうが……」


 やっぱりこうなったか。まぁ、もとより渡すことは考えてなかったからしょうがない。


「無理ですって? この矢が見えないの? あなたはもう逃げられないわ」


 パメラは脅すが、ルウミラは依然余裕の構えだ。


「そう思うなら、遠慮なく矢を放てばいい」

「言わせておけば……このぉ!」

「パメラ、よせ! 多分あれは……」


 俺の言葉もむなしく、パメラの弓から矢が一直線に放たれた。しかし矢はそのままルウミラの体を素通りしていった。


「え? どういうこと……?」

「幻だ。おかしいとは思っていたんだが」


 ルウミラの姿がゆらゆらと揺らぎ始め、薄れてきた。


「ははは! この程度の幻術すら見抜けないとはな、やはりお前達など私の敵ではない」


 そう言いながらルウミラの幻は完全に消えた。


「やっぱり、最上階まで行くしかないわね」

「くぅ……あの女、絶対許せないわ!」


 パメラが怒り出した。ヤバいな、女のプライドというやつか。それとも意外と頭に血が上りやすいのか。


「パメラ、落ち着いて。周りが見えなくなると、またさっきみたいに彼女の術中にはまるわ」

「えぇ、そうね。でも悔しすぎて。ルウミラの幻が見抜けなかった、自分自身に腹が立ってるの」


 なるほど。自分に腹を立てているのか、優秀で実力のある戦士が陥りやすい性格だな。


「気持ちはわかるわ。でも残念だけど、あのルウミラには多分弓や剣が通用しないの」

「え? それどういうこと?」

「ルウミラは〈不動結界〉という特殊な結界魔法が使えるの。この結界が張られたら、物理攻撃が一切効かなくなるの。そうでしょ、ロバート?」

「え? そ、そうだね……」

第九十九話ご覧いただきありがとうございます。


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