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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
第二章

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第九十七話 〈シェアリングピアス〉でステータスアップ!

 一斉に壁から出現したのは、さっき俺達が戦った鬼面マスクの集団だ。今度出現したのは尋常じゃない数だ。俺達は完全に取り囲まれた。


「噓でしょ? さすがに数が多すぎるわ!」

「待てよ。早速このピアスが役に立つな、エイダ。こいつらの弱点は氷だ、〈ブリザード〉で一掃してくれ」

「それはいいけど、これだけの数が相手だと私の魔力じゃ」

「大丈夫。このピアスで魔力が上がるはずだ。俺を信じてくれ」

「……わかったわ。じゃあ貸して!」


 エイダがすんなり理解してくれたようだ。片方のピアスを速攻で手に取り、それを右耳に装着した。俺もエイダと同じく、もう片方のピアスを右耳に装着する。


 そしてもう一つ準備が必要だ。ステータスオープンをすると、ステータス画面に予想通りの変化が起こっていた。


 これで俺のステータスの一部がシェアできる。


「えぇと……これをこうして……」

「ロバート、何してるの!?」

「いいぞ、エイダ!」

「〈ブリザード〉!」


 俺達の周囲を荒れ狂うほどの猛吹雪が舞い始める。その吹雪の中で鬼面マスク達は、あっという間に凍り付き床に落下していきバラバラになっていった。


「こ、これって……」

「なんて威力なの!? 信じられないわ、あれだけの数を一瞬で」


 エイダとパメラも信じられない顔つきをしている。吹雪がおさまり、鬼面マスク達は全て床に散らばっていた。でも計算通りだな。


「そのピアスの効果すごいわね。魔道士の魔力を底上げするの?」

「いや、魔道士の魔力だけじゃないよ。一応誰でも装着できて、どんなステータスも上がるんだ」

「どんなステータスも? じゃあ私が付けてもいいってわけ?」

「あぁ、そうだね。詳しく説明したいけど……はぁっくしょん!」


 くしゃみが出た。今の〈ブリザード〉でかなり寒くなった。閉じられた部屋だから、温度がかなり下がっているな。


「威力が高すぎたわね。私も寒くなってきたわ」

「さすがに外に出ようか」


 それから階段を下りて時計台の外に出た。お目当ての物は入手できた。正直このピアスさえあれば、もうルウミラ戦もバッチリだ。


 だけど少し気になるのはエイダの反応だ。正直エイダの反応は、あまり驚いているように見えない。まるでピアスの効果を知っているかのようだ。


「エイダ。まさかと思うけど、このピアスの効果知っているんじゃ?」

「え? いや、その……なんというか」


 時計台の外に出て真っ先に聞いてみた。エイダはしばらく答えにくそうな態度を見せる。


「ロバート、話せば長くなるわ。あなたは覚えてないかもしれないけど、夢の中で……」


 ドカッ!


 話の途中だったが、突然パメラがよろめいた。よく見たら、なんと女性とぶつかっていた。


「ちょっと! 危ないじゃないの!」

「ごめんなさい、許して! 命だけは!」

「は? なに大げさなこと言ってんの、大丈夫?」

「え……あ! す……すみません。急いでて……その」

「あれ? 君は確か……」


 俺はぶつかったその女性に見覚えがあった。


「思い出したわ。あなたディエゴの店で働いていたアルバイトの人じゃない?」

「そ、そうです。あの……さっきは本当にすみませんでした。突然ぶつかったりして」


 ディエゴの店のアルバイトの娘だ。明らかに様子がおかしい。そういえばディエゴは行方不明のままだから、それと何か関係しているのかも。


「なぁ、見たところかなり慌てているようだけど、なにかあったのか?」

「はい。その……あの、力になってくれますか?」

「もちろんだ。多分、ディエゴの行方を捜しているんじゃないか?」

「は、はい! その通りです! 昨日外出したっきり戻ってこなくて……それで今朝店に行ったらホルスがいて」

「ホルス!? あの鳥、結局戻ってきたの?」


 アルバイトの娘はその後も話を続けてくれた。聞けば、ホルスからディエゴの行方を知っている女性に会ったとのこと。その女性に会うために、東の大灯台へ向かうと途中で、フードとマスクを被った怪しげな女性に会ったとのことだ。


「ルウミラね。彼女のことだから、ろくでもないことに巻き込まれたんじゃない?」

「はい。なんというか、私はその人の言う通りに行動したんです。そしたら……」


 ここでアルバイトの娘が突然両手で自分の口を塞いだ。一体どうしたんだ。


「うぐぐぐぐぐぐ……」

「ちょっと、急にどうしたの!? 具合でも悪いの?」

「違うわ。これは……」


 エイダが左手をアルバイトの娘の両手に翳して魔法を詠唱した。


「〈ディスペル〉!」

「え? なんで解呪魔法なんか?」

「この娘に〈口封じの呪い〉が掛けられているの。ルウミラはかなり用意周到ね、道理で素直に解放してあげるわけだわ」

「そんな……解呪できないの?」

「だから今やっているわ。でも……」


 エイダはすでに解呪魔法の〈ディスペル〉を唱えていた。だけど詠唱を止めても、両手は手で塞がったままだ、変化が見られない。


「駄目ね。やっぱり〈ディスペル〉程度じゃ解呪できないわ」

「ちょっと待って! さっきのピアスであなたの魔力上がったんじゃないの?」

「それは確かにそうだけど……解呪魔法は特殊なの。ルウミラが掛けたのはかなり高度な呪い魔法よ。これは単に魔力を上げれば解決ってわけにはいかないの」

「えぇと……つまりどういうこと?」

「簡単にいえば、この子の呪いを解くにはより上位の解呪魔法が必要になるのよ。〈ディスペル〉は初級の解呪魔法だから、限界があるわけ。わかった?」


 なるほど、そういえばそんな設定があったな。解呪魔法は確かに初級の〈ディスペル〉では、いくら魔力を上げてもより高度な呪いは解けない。


「より上位の解呪魔法といえば、〈コラプス〉だっけ?」

「こ、〈コラプス〉?」

「さすがロバートね。そんなことまで知っているなんて」

「でもよりによって、アルバイトの娘にまで呪い魔法をかけるだなんて、ルウミラはなんて恐ろしい魔道士なの」

「大丈夫だ。俺達がその魔道士をやっつけてやる。あとディエゴも助けるからな、だから安心して店に戻っていろ」

「わ、わかりました。ありがとうございます。お気をつけて」


 アルバイトの娘はそのまま去って行った。


「いいの? あの人にディエゴが〈シーリングボール〉に閉じ込められているって言わなくても」

「言ったって、どうせ今のままじゃ解呪できないわ。伏せておきましょう」

「それもそうだね。よし、それじゃ行こうか」


 俺達はそれからソーニャの町を出て、東へ向かった。その途中、パメラがふと疑問を漏らした。


「そういえば今更だけど、なんでルウミラは東の大灯台を選んだのかしら?」

「なんでって……そういえばなんでだ?」

第九十七話ご覧いただきありがとうございます。


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