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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
第二章

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第六十四話 アイアンバットの群れ

 開けた先の部屋には誰もいなかった。見ると、まだ奥の壁に扉がある。俺は一目散にそこに向かった。


 しかしドアには鍵がかかっていた。さっき逃げた奴は、ここのドアには鍵をかけたのか。


 まさかこれは。


 バタン!


 ドアが閉まる音がした。後ろを振り向くと、俺が入ってきたドアが閉まっていた。


「しまった。やはり罠か」


 嫌な予感は的中していた。俺がいるこの部屋は立方体の形状をしている、あからさまに怪しい小部屋だ。


「ははは! ロバート・ヒューリック、また会ったな!」


 突如、どこからか男の声が聞こえた。だが聞き覚えがある、しかも俺の名前を知っている奴だ。


「その声……まさか?」


 俺は右側の壁に目をやった。壁の真ん中あたりに鉄格子がかけられた、小さな正方形の穴が開いていて、そこに金髪の男が俺を見ていた。


「昨日ぶりだな、ロバート。まさかお前がアナコンダを倒したとはな、驚いたぜ。そして俺達のアジトまでよく来れたな」


 昨日ソーニャの町の商店街で会った金髪の男だ、まさかこいつが首謀者だったとはな。


「なるほど、ここはお前達のアジトだったのか。初めて会った時から感じていたが、人のモノを奪おうをするなんて、やっぱりろくでもない連中だったんだな」

「うるせぇ! てめぇに何がわかる? モンスターのコアを奪うなんてのは、俺以外の悪党だってやってんだ。そういう世の中なんだよ」

「俺のコアを奪うだけなら別にいいが、村長をさらったのはやり過ぎたな。一体どこにいるんだ?」

「やはり村長を助けに来たんだな。あいつなら安心しろ、俺のすぐ後ろにいる」

「なんだって!?」

「おい、喜べ。お前を助けに来た貴族の戦士だぞ」


 金髪の背後から、ゆっくりと出てきたのは髭を生やした中年の男だ。着ている服からして間違いない、コルネ村の村長だな。


「おぉ、君がアナコンダを……なんとお礼を言ったらいいから」

「村長、礼ならそこにいるふざけた野郎をぶっ倒してからな。今すぐ助けにいくぞ」

「はっ! 生意気なこというんじゃねぇ! てめぇはもう袋の鼠だ、その部屋に入った時からな!」

「罠が仕掛けられているってことくらいわかっているさ。どんな罠を仕掛けたんだ?」

「ははは! 罠があるってわかっておきながら入ってきたのか、愉快な奴だぜ。どんな罠だと思う?」

「さぁてね。だけど〈昏睡の壺〉だったとしたら無駄だよ、俺には効かないから」

「なるほど、やはり〈昏睡の壺〉のことを知っていたのか。お前がどんな方法であの靄を防いだか知らねぇが、今度の罠は一味も二味も違うぜ」


 金髪は余裕の笑みを消さない。今度仕掛けた罠で十分俺を生け捕りにする自信があるんだな。


「おい、やめろ! 考え直してくれ、あんな罠、絶対死んでしまう!」

「てめぇは黙ってろ! ロバートもロバートだ。おとなしくアナコンダのコアを引き渡してくれたら、無事に帰してやる。だがもし渡さないと言ったら……」


 金髪は右手の人差し指を天井に向けた。


「あいつらの餌となる」


 俺も天井を見上げた。暗くてよく見えなかったが、不気味な光の点が無数に散りばめられていた。


 一瞬星空かと思ったが違った。目を凝らしてよく見ると、なんと光の点は目の光だ。天井にある無数の目の光、俺は察した。


「アイアンバットの群れ?」

「そうだ。言っておくが、鍾乳洞内で戦った奴らとは強さが違う、俺達が捕まえてちょっとだけ強くしてあるんだよ。しかも百匹はくだらないぜ。悪いことはいわねぇ、あの数だとさすがのお前も相手にできねぇだろ?」


 アイアンバットの群れに俺を襲わせる気か。しかも逃げ道はない、こんな狭い空間であんな大群と戦ったら、多分血をあっという間に吸われ死んでしまう。


 なんとも恐ろしいことを考える奴らだ。だけどこの罠にかかったのが俺でよかった。


「やれやれ。あんな雑魚どもをけしかけたって、俺にはなんの意味もなさないよ」

「な、なんだと!?」


 俺は鼻で笑って見せた。金髪は怒りを隠せない。


「強がるんじゃねぇ! 一匹や二匹じゃねぇ! 百匹だぞ、百匹! しかも強化してあるんだ、わかってんのか?」

「別に百匹でも二百匹でも関係ないね。何なら試してもいいよ?」


 金髪は無言になった。そしてついに決心したようだ。


「……いいだろう。てめぇがそこまで言うなら、もう容赦しねぇ! おとなしく干からびろ!」

「おい、やめろ! まだ子供じゃないか!」


 金髪は口笛を吹いた。後ろの村長の制止する声も空しく、天井からアイアンバットの群れが一斉に降下し始めた。相変わらず沸点が低いんだな。


 なるほど、百匹というのは本当らしい。俺の視界を全てアイアンバットが埋め尽くした。


 一匹ずつ倒すのも面倒だから、ここは剣術スキル〈烈風剣〉でまとめて倒そう。


 だけど数が多すぎるな、果たして一度に何匹倒せるだろうか。


「〈烈風剣〉!」


 剣を真上に振りかぶり、天井に向かって衝撃波が走った。アイアンバットが次々なぎ倒されていく。いくら強化したとは言っても、俺の攻撃力の前じゃ無意味だ。


 だけどそれでも全部倒しきれなかった。数にして約ニ十匹くらいしか減っていない。残った大群は散開して俺に向かってきた。


 真上、そして斜め上からアイアンバットの群れが容赦なく襲い掛かった。さすがに数が多すぎる。俺の体は大量のアイアンバットの牙に嚙まれていった。

第六十四話ご覧いただきありがとうございます。


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