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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
第二章

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第三十六話 用心棒雇います

 俺が言おうとしていた名称を、ディエゴが代わりに言った。


「まさか、ディエゴも知ってたの?」

「えぇ、もちろんですとも。だてにこの黒曜豆を扱っておりません。黒曜水に関する豆知識も片っ端から調べましたぞ」

「凄いな。ってことは、もしかしてまだ大量にあるのか?」

「いやいや、さすがの私でも黒曜豆の備蓄は僅かなものです。それにこの島の人間達にはあまり関心は湧かないでしょう、ただの苦い飲み物としか思いませんから……」

「ねぇ、その〈覇王の魂〉っていうのは一体何なの? 飲めばどんな効果があるの?」

「それはね……」


 俺が説明しようとしたその時、急に俺達の真上に何かが飛んで来た。鳥か。


「おい、ディエゴ! ディエゴ!」

「と、鳥? 喋ってる?」

「モンスターか?」

「誰がモンスターだ! 俺はホルス、伝説の炎の魔鳥だぞ!」

「伝説の炎の魔鳥? 何言ってんの?」


 いきなりとんでもないことを口走ったな。飛んで来たのは、かなり小さな赤い鳥だ。見た目は若干ツバメに似ている。どう見ても、伝説の炎の魔鳥じゃなさそうだ。


「ロバートさん、パメラさん。すみません、こいつは俺のペットです。モンスターなんかじゃありません。おい、ホルス。客人の前で失礼だぞ!」

「なぁにが客人だよ? ディエゴこそ店番どうした? 今何人客が待ってるか知ってるか?」

「あ! しまった!」


 ディエゴは壁に掛けてあったカーテンをこっそりと開ける。カウンターの様子が見えたが、確かに客が並んでいた。


「おい、アルバイトで雇った女の子はどうした? 今日はあの子に店番を任せていたんだぞ」

「それがどうも、まだ来ていないそうで……」

「なんだって!? こんな時に遅刻かよ?」


 ディエゴが頭を抱えてしまった。申し訳なさそうな顔でこっちを見る。


「ロバートさん、すみません。今日は休みのつもりでしたが、お聞きの通りです。大事な話があったんですが……」

「それだったら俺が代わりに話しておくよ。いいからお前はさっさと店番だ!」

「ったく、お前も少しは手伝えよな! すみません、それじゃロバートさん。代わりにホルスが話してくれますんで、よろしくお願いします」


 ディエゴは慌ててカウンターへ飛び出していった。その後、怒った客の怒号らしき声が聞こえて来た。


「ったく、あのディエゴもお人好しすぎるぜ。バイトで雇った女の子が飛ぶだなんてよくある話だよなぁ?」

「はは、あんまり人のこと悪く言うなよな……」


 ホルスも中々口が悪いな。俺もパメラも苦笑いするしかなかった。


「それより、ホルス。ディエゴさんが言ってた大事な話って?」

「あぁ、そうだ。大事な話があったんだ、オタクら二人にしか頼めない話さ! まぁ口で言うより、目で見てもらった方が早いからこれを見ろ」


 ホルスはテーブルの上に置いてあった、一枚の紙の隣に立った。その紙をひっくり返して表面を俺達に見せた。


 紙一面にはこう書かれていた。


『腕のいい用心棒雇います。一日銀貨五枚でどうですか? 条件:ランクA以上、レベル20以上、ギルド発行の高ランクモブモンスター討伐証明書をお持ちの方(可能なら)、ぜひ私に力をお貸しください!』

「これって?」

「用心棒? あのディエゴさんが?」

「そうさ。あんたらも知ってるかもしれねぇけど、先日あいつが雇った用心棒が二人とも逃げちまってね。払った報酬もそのまま持ち逃げされちまったんだ」


 その話を聞いて思い出した。そういえば、アリゲーターベアに襲われた時、馬車の前に立ちはだかった全身鎧の戦士が二人いたが、あいつらが用心棒だったのか。確かにそのままどこかへ逃げてしまったな。


「それで俺達に用心棒の話を持ち掛けてきたのか。パメラ、どうする?」


 パメラはやや渋い表情で考え込む。


「銀貨五枚ねぇ……」


 なるほど。パメラは報酬次第なら引き受けそうな気配だ。だが銀貨五枚でも厳しそうだな。


「金貨一枚なら、引き受けようかな」

「き、金貨一枚? おいおい足元見すぎだろ!? これでもロバートさんは相当譲歩してんだぜ?」

「足元見てんのはそっちでしょ? 昨日だってそうだけど、アリゲーターベアみたいな強敵にいつ出くわすとも限らない。それにあいつに限らず、ここ最近妙に強いモンスターの目撃報告や討伐依頼が出されているわ。ちょっと異常なのよ」

「それはそうだけどよ……」

「ちょっと待って、今の話本当?」


 妙に強いモンスターだって。そんな話は初耳だ。


「知らないの? まぁ今まで貴族として生活してきたから、そんな危ない話とも無縁か」

「俺が教えてやるぜ。つい先日も、南の鍾乳洞辺りでアナコンダを見たって報告があったな」

「アナコンダだって!?」

「それだけじゃないわ。北にある古代遺跡周辺でも、ケツァルコアトルの目撃報告があったわ」

「ケツァルコアトル!? いやいやちょっと待って、それはないでしょ?」


 アナコンダ、それにケツァルコアトル、いずれも聞き覚えがある強敵だ。


 強敵どころじゃない。〈ロード・オブ・フロンティア〉において、この二体は終盤にならないと登場しない。間違ってもこんな辺鄙な島には生息なんかしない。


「よく似たモンスターならいるでしょ? アナコンダなら、少しサイズが大きいサーペントかもしれないし、ケツァルコアトルだってニードルプテラを見間違えただけかもしれないよ」

「馬鹿野郎! そんな初歩的な見間違いするか! それに目撃者は一人だけじゃなく、何人もいるんだよ」

「そうなのか」

「とにかくここ最近のモンスターの出現状況は少し異常なの。ギルドもかなり手を焼いててね。昨日もジョニーさんが早く寝たがってたのも、アリゲーターベアだけが原因じゃなかったのよ」

「そうなんだよ! ディエゴもかなりあせってて、かなり強力な助っ人が必要なんだ。そして選ばれた用心棒候補がおたくら二人だってわけさ」

第三十六話ご覧いただきありがとうございます。


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