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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
第二章

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第三十五話 黒曜豆と黒曜水

 ディエゴがきょとんとした顔で俺を見た。パメラも同じような顔だ。


「コーヒー、なにそれ?」

「え? コーヒーだよ、コー……」


 ここで俺もやっと気づいた。しまった。ここは〈ロード・オブ・フロンティア〉の世界だ。


 多分コーヒーなんて飲み物はないんだ。いや、あるかもしれないが別の呼び名かな。まだ徳永光明の考えが抜けない。


「えぇと、なんというか。そのぉ……ま、豆だよ。あのさ、これくらいの小さな豆を煎じて作る飲み物のことだ。黒い色をしていて……」

「く、黒い色!?」


 俺の説明にディエゴが恐ろしい表情で反応した。パメラは依然わからないままだ。


「ディエゴさん、彼の言ってる飲み物のこと知ってるの?」

「知ってるも何も、それは中央大陸の一部の上流階級のみが好んで飲むという、黒曜水のことですよ」

「こ、黒曜水!?」

「違うんですか? 私にはほかに心当たりありませんが?」


 黒曜水、その言葉なら俺も知っている。〈ロード・オブ・フロンティア〉に存在する一種の素材アイテムだ。


 このゲームでは大量の薬系のアイテムが存在する。俺が今持っている回復薬(小)や魔力回復薬など、HPやMPを回復させる薬や、戦闘中にステータスを向上させる薬、さらに毒や麻痺と言った状態異常を治癒する薬など、様々な種類がある。


 黒曜水とは、まさに薬の原料として使われるアイテムだ。これを原料とした薬はかなり効果が強力で、多くのプレイヤーが欲しがる。だけどかなりレアなアイテムで、俺が今いるこの島では入手はできなかったはず。


 ゲーム中の設定では、さっきディエゴさんが言ってた通りで、一部の上流階級の貴族の間で煎じて飲むことで嗜まれている。


 黒曜水とは黒曜豆という豆を煎じてできる飲み物だ。なんとこれがコーヒーだと言うのか。


 試しにこれまでのロバート・ヒューリックの記憶を呼び起こしてみた。確かに一度もコーヒーを飲んだことがない。紅茶ばっかりか。


「ロバート、本当にあなたが言ってるのって、その黒曜水のこと?」

「いやぁえぇと、それは……」


 どうしよう、何て言おうか。さっきもパメラに怪しまれてしまったばかりだしな。あろうことかコーヒーなんていう変な名前で呼んでしまった。ますます怪しまれる。


 俺がこの世界の人間じゃないとパメラに気付かれたら、いろいろ面倒だ。さてどうやって誤魔化そうか。


「ふふ、安心してください。ロバートさん」


 突然ディエゴが不敵な笑みを浮かべた。一体何を考えてる。


「どうしたの? もしかして黒曜水があるの?」

「ふっふっふ、これをご覧ください!」


 そう言ってディエゴは、右手で小袋を差し出した。明らかに何かが大量に詰まってる。ディエゴが袋を開けて中身を見せてくれた。


「なにこれ? 黒い豆?」

「そうです。これが黒曜水の原料となる黒曜豆でございます」


 黒曜豆、やはりこの世界ではこう呼ばれているのか。もちろん前世の俺が何度も見た、コーヒー豆そのものだ。


 だけど、俺はここで即疑問に思った。なんで黒曜豆をディエゴが持ってる。


「ディエゴ、これをどこで手に入れたんだ?」

「ひひひ、まぁいろいろと事情がありましてな。詳しくは言えません」


 苦笑いしている。誰にも言えない事情ってやつか。明らかにディエゴは話してくれる気配じゃないな。なんかすごく怪しいにおいがする。


 でもここで深追いしたら、面倒ごとに巻き込まれそうだ。やめておこう。


「もしかして、黒曜水作れるの?」

「えぇ、もちろん作れますとも。どうです、一杯だけ?」

「うん、もらうよ。パメラは?」

「あ、あたしは……」


 そう言いながらパメラは黒曜豆をじっと見つめる。彼女には忌避感があるようだ。


「……おいしいのよね?」

「うーん、どうだろう。美味しいというか、何も添加しないで飲むと苦いかも……」

「なんと! 味までご存じとは!? さすが名門貴族でございますな」

「まぁ俺も最初飲んだ時は苦くて飲めなかったけどね。でも砂糖とミルクを入れると飲みやすくなるよ」


 その言葉にディエゴがまたも驚きの顔をした。


「砂糖を黒曜水に入れて飲んでいたんですか? なんと贅沢な!」

「あれ……まさか砂糖って」


 俺はパメラの顔を見た。


「砂糖は超高級品よ。まぁあなたの家には大量にあるんでしょうけど、それをその豆と一緒に入れて飲んでたの?」

「うん……そうだね。はは」


 なんてことだ。砂糖が超高級品だとは。


 だけどこれについては記憶がある。俺が育った実家の倉庫に大量に砂糖の備蓄があったっけ。両親とトマスが紅茶によく入れて飲んでたな。


 砂糖という単語は通じても、それがこっちの世界では超高級品だったなんて。参ったな。ここまでみんなと価値観や認識がズレているとは思わなかった。


「ロバートさん、申し訳ございません。砂糖まではご用意できかねますが、それでもよろしいですか?」

「あぁ、別に構わないよ」

「苦いんでしょ? じゃあ遠慮しておくわ」


 パメラは案の定の答えだった。だけどここで飲まないのはもったいない。


 よし。ここは敢えて俺の知識を披露しよう。


「パメラ、俺が飲むのは単に好き嫌いとかの問題じゃない。実は別の理由があるんだ。知りたい?」

「別の理由って、一体何なの?」

「実はね、黒曜水はある秘薬の原料に使われるんだ」


 パメラの表情が変わった。明かに知りたがっている。


「秘薬の原料ですって!?」

「そうさ。その名も……」

「〈覇王の魂〉、ですな」

第三十五話ご覧いただきありがとうございます。


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