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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
エピローグ

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エピローグ19

 まさかの質問だな。でもその手の質問の答えは一つしかない。


「楽しいさ。そうじゃなかったら、俺はコア・プログラムを破壊して統合したりしない」

「……じゃあ、地球での生活は楽しくなかったの?」

「楽しくなかったというか、しいて言うならゲームで遊んでいた時が一番楽しかった」

「へぇ、ゲームって言うと……この世界の……」

「そう、〈ロード・オブ・フロンティア〉さ。だからその世界にそっくりなこの惑星での生活は楽しいに決まってる」

「…………」


 俺は自信たっぷりに答えたが、ジュディはなんか腑に落ちない顔を見せた。


「あなたって、かわいそうな人間よね」

「……なんだよ、急に……」


 あわれむような目で俺を見下ろした。ゲームばかりやってきた人間を見下す、俺が地球で生活していた時もそんな奴らは大勢いたな。


 現実を直視しない、現実逃避ばかりする、そんな考えで見る目だ。でも、そんな視線にも慣れている。


「何を言っても無駄だぜ。俺には俺の生き方があるんだ、他人になんと言われようと、我が道を進む」

「えぇ、そうよね! ご立派、本当その通り! 」

「それを聞くために、わざわざ俺をここまで連れてきたのかい?」

「まぁそれもあるけど、もっと大事な話がしたいのよ……」

「大事な話?」


 この期に及んで、ジュディは一体何考えてる。あとは俺の脳を奪うだけだっていうのに、なんかちょっと様子が変だぞ。


「……あなたに最後のチャンスをあげようと思ってね……」

「最後のチャンスだって!?」

「ここは私の宇宙船、これに乗って私はこの星までやってきた」

「それは……さっき聞いたよ。随分ご立派な宇宙船だな」

「しかもね、うれしいことに、帰りの分の燃料はしっかりと残っていたの」

「へぇ、そいつはよかったな。あとは地球に帰って、また贅沢な暮らしができるぜ」

「……あなたも一緒よ」

「……なに?」

「だ・か・ら……あなたも一緒に連れってあげるわよ」

「……嘘だろ?」


 ジュディがかぶりを振った。なんてことだ、ここに来てまさかの展開だ。


「わからない? この宇宙船に乗ったら地球に帰れるのよ。そしてその船に今あなたも乗ってる」

「いや……それはそうだけど……その、定員オーバーじゃないかな?」

「定員なんて、そんなものないわ。その気になれば、あなたもこの船に乗れる。なんの支障もないもの」

「なんの支障もないって……マジかよ」


 ジュディが笑顔でうんと頷いた。でもそれをやったら、最初の目的と話が違ってくるぞ。


「さっきは随分とひどいこと言っちゃった……でもね、私も考え直したのよ。あなたを殺す必要なんてないってね」

「殺す必要はないって……でも、それじゃお前が望んでいる最強のコア・プログラムは作れないだろ」

「……ふぅ……別に脳を奪わなくっても、あなたと協力して作ればいいわ」

「俺にはそんなことできない。専門知識なんてないからな」

「できるわ。確かに今はないかもしれないけど、必死に勉強すれば私と同じレベルのプログラマーになれる」


 何を根拠にそんなこと言ってるんだ。ジュディは一体何を企んでいるんだ。


 いや、もしかして何も企んでいないのか。今本心で俺を誘おうとしているのか。いずれにせよ、ジュディの俺への敵意が薄らいできたようにみえる。


「お前……本気で言ってるのか?」

「えぇ、そうよ……」


 ジュディは真剣なまなざしで俺を見つめている。まさかここにきて、俺を誘惑してくるとは。


 地球に帰れる。地球は確かに俺にとって故郷だ。こんなチャンスは二度とないかもしれない。


「ねぇ、冷静になって考えてみて。地球はあなたにとっても故郷なんでしょ? 両親や友人にまた会いたいと思わないの?」

「……それは……」

「言っておくけど、この機会を逃したら……もう二度と巡ってこないわよ」

「…………」

「そこまで深く考える必要ないでしょ、こんな辺境な惑星で一生過ごすことないじゃない? あなたは仮にも地球で生まれ育った人間なんだからさぁ……ねぇ、トクナガ……」

「……俺はトクナガじゃない……」


 俺はきっぱり言い切った。ジュディは目を丸くした。


「俺はトクナガミツアキじゃない。トクナガミツアキはもう死んだんだ……俺はロバート・ヒューリックだ!」

「…………」


 ジュディは顔を強張らせた。さすがに今度ばかりは、俺の意志の固さに参ったかな。


 自分で言うのもなんだが、俺は覚悟を決めた男だ。


「それは……本心で言ってるの?」

「あぁ、そうさ! さっきも言っただろ? 俺には俺の生き方があるんだ、他人になんと言われようと、我が道を進むってね」

「そう……それがあなたの答えなのね」


 ジュディは半ば呆れたような顔で言った。今度こそ、俺を殺すつもりか。


 戸棚の方をチラッと見た。どうやらあの作戦、うまく行ったみたいだ。もうこれで何も恐れることはない、さぁ来るなら来いジュディ。



「……はぁ、はぁ……おかしいわ。このあたりのはずなんだけど……」

「なんで急に赤い点が消えるのよ? あぁもうロバートったら、一体どこ!?」


 エイダとルウミラ、パメラ、ジョニーの四人はロバートを探しに東の大灯台近辺の森の近くを捜索し始めるが、思いもよらぬハプニングが起きた。


 〈サーチ〉を唱えてロバートの居場所を突き止めようとしたが、忽然とロバートを示す赤い点が消えたのだ。


「これは……多分何かしら魔法をはじくような結界かも……」


 ルウミラは冷静に分析した。


「あるいは何らかのスキル使いがいるかもしれん。油断はできんな」

「厄介ね。でも大方の居場所はわかったわ。あとは肉眼で探すだけよ」

「に、肉眼って……簡単に言うけどできるの?」


 ルウミラは余裕の笑みを浮かべて言った。


「空の上から探せばいいわ。幸いそこまで離れてない。まぁ、見てて!」


 ルウミラが魔法を唱えると光る球体が羽を生やして、空高く上昇した。


「〈リモート・スカウター〉よ。あれなら空の上から観察できる」

「……くぅ……」


 エイダはルウミラを睨みつけ悔しがった。


「こんな時に嫉妬してる場合じゃないでしょ」

「……そうよね。でもなんというか、見せびらかしてる気がして」

「えぇと、ロバートがいなくなったのは……あの辺りね」


 赤い点が消えた地点の上空にさしかかり、光る球体は静止してじっと下を見つめた。


 ルウミラの持っていた杖の先端のオーブに映像が出始める。それを見たルウミラは硬直した。


「……何これ?」

「どうしたの? 何が映ってたの?」


 気になってほかのエイダとパメラ、そしてジョニーも後ろからオーブの映像を見た。三人ともルウミラと同じ反応を示した。


「……何かの建物……かしら?」

「神殿かな? いや……あの場所に神殿なんかないはず」

「それにしてもきれいな円盤型だな。この世界の建物とは思えない」

「なんにしても、この目で直接見て確認しないとね」


 四人とも目を合わせ頷き、さっそうと森の中へ走っていった。

いつもご覧いただき誠にありがとうございます!毎日ご覧になっている読者様には心から感謝いたします。(多数の誤字報告もありがとうございます、自分でも気づかない細かい点をご指摘いただき感謝します)


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