対決!コア・プログラム
どうやらこいつが設計プログラムの中枢だな。設計プログラムの中枢、すなわち〈ロード・オブ・フロンティア〉の中枢、心臓部にあたる。
これを破壊すると〈ロード・オブ・フロンティア〉の世界は消えてなくなる。いよいよ最後の大仕事だ。
「いや、トクナガ。どうやらそうは問屋がおろさぬようだ」
神竜の言う通りだ。近づこうとして歩いたら、何やら見えない結界に阻まれ動きを止められた。
コア・プログラムも簡単に破壊されないよう自衛の機能を有している。だけどそんなもの、俺にとっては無意味だ。
「はああああああ!!」
力を込めた拳の一撃でいとも簡単に結界を破壊してやった。
でも数歩歩いたら、また見えない壁に阻まれた。結界を何重にも張っているパターンか。
二枚目も拳の一撃で破壊した。三枚目、四枚目、五枚目と続いたけど俺の拳の前には薄紙も同然。
ようやく結界は本当になくなったみたいだ。球体は目と鼻の先の距離まで近づいた。
手を伸ばせば届く。だけど球体に触ろうとしたその瞬間、異変が起きる。
「……あれ? どうなってる?」
すぐ目の前にあった球体が消え、なんと再び球体から離れてしまった。そしてさっき破壊したはずの結界まで復活している。
もう一度同じことを試してみた。結界を五枚連続破壊し、再び球体に触ろうとした。
やっぱり同じだ。再び俺の体は球体から離れてしまった。結界も元通りになっている。
「これは……なるほど。正攻法で辿り着くのは無理のようだな」
さすがは中枢部とだけあって、セキュリティはしっかりしているな。馬鹿正直に結界を破壊し続けてはダメ。
「トクナガよ。さっきのタブレットの出番だぞ」
「おぉ、そうか。これを忘れてたぜ……でも、どうやって使う?」
「文字入力画面を開いて、『BREAK THE SECURITY WALL OF CORE』と打て」
「ちょ、ちょっと待って。長すぎるよ、もう一度言って」
神竜もやれやれと言わんばかりの顔で復唱してくれた。俺は英語苦手なんだよ。
意味は『コアのセキュリティ結界を破壊しろ』らしい。わかりやすいけど、本当にそれでいいのかな。
すると突然明かりが消え、真っ暗になった。
「……システム・ダウン」
「お? もしかして……」
バリン、バリン、バリンと立て続けに結界が割れる音が聞こえた。これはうまくいったな。
神竜の知識に感謝だ。さすがは生みの親が宇宙なだけあるな。
明かりが消えたけど、中央にある球体は静かに鎮座したままだ。
俺は再び歩き出した。結界はやはり消えてる。再び球体が目の前に見える位置までついた。
でもまだ安心はできない。俺は神竜に確認してみた。
「トクナガよ。タブレットにて破壊が可能なのは、セキュリティ結界までだ」
「……ということは、このコアは……自力で破壊しないとダメか」
「あと言い忘れていたが、このセキュリティ結界のレベルもかなり高い。私の能力をもってしても、三十分が限界のようだ」
つまりあと三十分経てば、再びさっきと同じ結界が張られるということか。確かにタブレットの右下に時間が表示され、刻一刻と減っている。
「……再起動した結界は、余でも破壊できる方法がわからぬ」
「じゃあ実質あと30分しか猶予はないってことか」
「このセキュリティ結界、コア・ブロックを開発した人間は底知れぬ天才のようだ。もしかしたら余と同じような存在か……」
嘘だろ。〈ロード・オブ・フロンティア〉の設計者が、神竜ですら恐れる天才ってわけわかんないなそれ。
まぁ、どんな奴が開発したにせよ関係ない。残り三十分、再起動する前に破壊するのみだ。
「神竜よ。力を貸してくれるか?」
「もちろんだ。だが、トクナガよ。わかっていると思うが、このコアを破壊すれば……」
神竜は最後に念押ししてくれた。何が言いたいかはわかっている。
「……大丈夫さ。素材の作り方はわかっている。今度は全部一人で素材を集めて、そして合成して、またお前を呼んでやるよ」
「大した自信だな、トクナガよ。お前こそ……正真正銘の“バグ”だな」
「あぁ……そうかもな」
「では、いくぞ! スキル〈神竜モード〉!」
神竜の力が一気に俺の体内に流れ込み、俺は再び神竜形態となった。もうこの姿も見納めになるのか。いや、悲しんでる場合じゃないな。
時間は限られている。さっさとケリをつけないと。
「ファイナル防衛プログラム、アクティベーション!」
コアから再び機械的な音声が発せられたかと思うと、コザ全体が虹色に輝きだしゆらゆらと形を変え始める。
「おいおい、最後の悪あがきかよ」
コア全体がまるでスライムのように形状を変え始める。やがて人型になったかと思うと、どんどん膨らみだし、今の俺と同じくらいの背丈になった。
いや、これは。もしかして。ある予感がした。
「……やっぱり、これは!?」
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