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俺のステータスがバグって低レベルでも余裕でカンスト!? 前世で得た裏攻略情報で全て計算通りに無双できちゃいます!  作者: 葵彗星
第三章 最強戦士同士の激闘

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第二百二話 プロビデンス神殿

 すっかり上着の内ポケットに入れていたのを忘れていた。ノーラから〈蛍光鳥〉をもらっていた。


 〈蛍光鳥〉は羽を広げて、俺の頭上にふわふわと浮かび上がった。これで明るくなった。


 今いる俺の場所は長い廊下になっている。左を見ても、右を見てもずっと通路が続いている。


 飾りもなにもない。白い無地の壁と床と天井が延々と続いている。なんとも殺風景な建物だ。


 とにかく歩くしかない。といっても、俺にはこの建物については何も知らない。


 行ったこともない場所で、いきなり左と右の分かれ道。どっちに行くべきか。


「左からだな!」


 「左側の道から進め」という有名な迷路の攻略法があるのを思い出した。地図もない以上、この方法に頼るしかないな。


 しばらく歩いてみても、人の気配も感じない。モンスターの気配すらない。


 音すら聞こえない。殺風景で無音な場所を歩き続けるだなんて、気がおかしくなりそうだ。


 それでもさっきの真っ暗な空間に閉じ込められるよりかはマシだ。もうあんな場所に閉じ込められたくはない。


 また思い出してきた。そういえば、あの少女。仮面を外したのを一瞬だけ見たけど、間違いなくあの顔はあの子だ。


「うわ! なんだ!?」


 突然地面が建物内が揺れ動いたかと思うと、目の前の床が動き始めた。


 いや、床だけじゃない。壁も天井も同時に動き出した。


「やっぱりそうだ。この建物、動いている!」


 俺のいる長い廊下は、まるで巨大な剣で一刀両断されたかのように、真っ二つに分離された。


 外の空の光景が広がっていく。どんどんと分離された前の廊下の部分が離れていく。


 考えても仕方ない。とにかくジャンプして、離れていった前の廊下の先端部分に着地した。


「うわ! 今度は何だよ!?」


 着地した途端、それまで前に進んでいた廊下が方向転換した。するとまたさっきと同じように、長い廊下が分裂を始めた。


 俺が今着地している部分は両側が完全に開かれてしまった。直方体の筒の形状になって、両側の廊下から離れていく。


 ちょうど90度くらい回転して、そのままゆっくりと俺がいる部分を先頭に前に動き出した。


「あれは!?」


 目の前に見えた光景に圧倒された。なんとも巨大な黒色の門が立ちはだかった。


 これがこの建物の本当の入口にあたるのか。だとしたら、強行突破しかない。


 でもその必要はなかった。しばらく動いてぶつかりそうになったその時、門の方から自動的に開いた。


「止まった!?」


 門をくぐってすぐに、動きが止まった。すると前方から長くて細い白い物体が伸びてきた。


 白色の長い石橋が、俺の足の前で止まった。人一人分は渡れるくらいの幅はある。


 この長い板を渡った先に何があるのか。目を凝らしてみると、またドアがあった。さっきと同じ青色のドアだ。


「……でかい城だな」


 窓から眺めた時からわからなかったけど、今俺がいるこの場所はちょうど建物の真正面に位置するみたいだ。おかげで建物の全体像がハッキリ捉えられる。


 改めて見ると、まさに中世のファンタジー世界に登場する城だ。でもこの城、どこかで見覚えがある。それも〈ロード・オブ・フロンティア〉の中で。


「そうだ! プロビデンス神殿に似てる」


 プロビデンス神殿、〈ロード・オブ・フロンティア〉の中でも最難関ダンジョンとして知られる。


 創造神プロビデンスを祀っているとされる神殿とも知られている。ストーリー上訪れる必要ない場所だけど、とにかく出てくるモンスターが強すぎた。


 でも、全プレイヤーが必死になって攻略したんだ。なぜなら、超強力な武器防具、アクセサリーの宝庫だから。


 手に入れるのと手に入れないとでは、攻略の難易度が大きく変わる。そういう意味で、多くのプレイヤーにとって魅力あふれるダンジョンだ。


 今目の前にある城は、色が全部白であるという点を除けば、外見はまさにプロビデンス神殿だ。どうしてこんな空の上にプロビデンス神殿にそっくりな城が浮かんでいる。


 そして、なんで俺はここにワープされた。その答えを知るには、中に入るしかない。


 どんな強敵が待ち構えているかわからない。だけど俺の今のステータスの高さなら、怖い物はない。


 ゆっくりと橋を渡り出した。俺が渡り出しても崩れるような心配はなかった。何事もなく渡りきり、正面の入口の扉の前に立った。


 俺の背丈の倍以上はある扉だ。大きさと言い形と言い、やっぱりプロビデンス神殿の入口だ。


 また扉に結界が張られているのか。でも今度は違う。両手で押してみたら、ゆっくりと前に開き出した。


 さっきの扉には結界があったのに、正面の入口には結界も鍵もかかってない。どんなセキュリティーをしてるんだ。


 まぁ深く考えても仕方ない。とにかくやっと城の内部に入ることができた。俺をここまでワープさせた張本人も、この城の中のどこかにいるはず。


「……広いな」


 今いるのはちょうどエントランスホールだ。


 大きな階段が真正面にある。階段の中央から二手に分かれて、その真ん中の踊り場の壁に創造神プロビデンスの肖像画が掛かっている。


 まさにプロビデンス神殿だ。やっぱり内部もそっくりに作られているな。


 バタン!


 突然扉が閉まる音が聞こえた。入口の扉が勝手にしまった。俺を閉じ込めたつもりか。


 いざとなれば、力づくでぶち破れるから関係ない。とにかく今はこの城の中を探索だ。あの少女を探そう。


「その必要はないわよ、ロバート君」

「その声は……!?」

「ふふ、ここよ」

第二百二話ご覧いただきありがとうございます。


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