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第百七十話 扉の向こうに転移魔法陣!?

 パメラは知らないのか、エイダとジョニーが無人島に飛ばされたことに。


「あのさ、エイダは実は……」

「え? もしかして会った?」

「あ……いや、それは……」

「何よ? もったいぶらないで教えて」

「……ごめん、まだ会ってない」


 しまった。本当のことを言うとまた動揺させてしまう、ここは黙っておこう。


 ルウミラは今頃二人に会っているだろうか。


 待てよ。ふと俺はある不安がよぎった。


 ルウミラは俺の桁違いのステータスを与えたから、どんな強敵に出会っても大丈夫なはずだ。


 でも問題なのはエイダだ。ピアスが奪われたから、彼女のステータスは元に戻っている。


 そしてエイダはルウミラがまだ敵だと思っているんじゃ。


 その状態でエイダがもし戦いでもしたら、かなりまずいぞ。エイダはルウミラにまず勝てない。


 いやそれだけならいいけど、もしルウミラが本気でも出したら。


「それはヤバい!」

「何がヤバいの?」

「エイダが死んでしまう!」

「はぁ!? 一体何言って……?」

「え? あぁ、いや……何でもない」

「何でもないじゃないでしょ! さっきからブツブツ独り言言ってたけど、エイダが死ぬってどういうことなの?」


 しまった。うっかり自分だけの世界に入り込んでしまって、完全に聞かれてしまったようだ。


 こうなったら本当のことを言おう。ルウミラが助けに行ったこと、そしてルウミラに俺のステータスを分け与えたことを。


「わかったよ。正直に話すから。実は……」

「ちょっと待って!」


 パメラが突然大声を出して止まった


「あの扉は……?」


 俺もパメラが見ている同じ方向に目を向けた。気づいたら俺達は、広大な空間に出ていた。


 よく見たら行き止まりだ。溶岩は目の前の壁の高い位置にある穴から流れ出している。


 そしてその穴の下には、金属製の扉が見えた。


「やっと着いたな」

「この先に一体何が?」

「開けてみたら分かるよ。それじゃ入ろうか、溶岩に当たらないようにね」


 ルウミラのことを話そうかと思ったけど、それは後回しになりそうだ。


 上から流れ出している溶岩に気を付けながら、扉の前部分まで来た。


 扉の前に階段があり、そこを上って扉に触れた。


「あっちいいい!!」


 マグマ地帯だから、さすがに熱くなってるな。でも溶けていないということは、かなり頑丈な金属だ。


 まぁそんなことはどうでもいい、とにかくこの扉を開ける。思った以上に扉が重い。


 無理矢理剣でぶち破ることだって可能だろうけど、ここは海底火山から近いから、それは危険すぎる。


 今の俺のステータスの高さなら、強引に押し開けられるはず。


「ぐぅううううううう!!」

「頑張って!」


 パメラが応援してくれる。嬉しいんだけど、できれば手伝ってほしいという思いもある。


 扉が徐々に前に動き出した。何とか開けられたようだ。


 俺とパメラはマグマから抜け出し、その先にあった細長い通路に入り、どっと座り込んだ。


「はぁー、いやあ熱かったね」

「やっとあのマグマから抜け出せた……って、なにこれ!?」


 パメラが自分の足を見て見開いた。なんとひざ下のブーツやらズボンの布の部分がすっかりなくなっていた。


 見えていたのは綺麗な白い足、思わず見とれた。


「あら、あなたも……」

「うわ! これは……そうか、マグマのせいで!」


 俺のひざ下もパメラと同じようになっていた。マグマの超高温のせいで、着ている防具と服は焼けてしまったんだ。


 うっかりしてた。確かにHPと防御を上げれば、自分の体の耐久力は上がって、マグマの中でも自由に動ける。でも身に着けている服や防具だけは、どうしようもない。


「新しいのに替えたばかりなのよ」


 不満を隠せない顔で言った。


「ごめんよ。地上に出たら、俺が新しいのを買ってあげるから」

「ありがとう、約束よ」


 パメラはそう言うと立ち上がった。


「……不思議なところ、ここって洞窟の中じゃないの?」


 俺達が今いるのは、細長い通路、今までの洞窟とはうって変わって、明らかに人口の建築物の作りになっている。壁には魔物や古代の民と思われる壁画が多く描かれている。


 ここは地底大空洞のマグマを進んだ先にある隠しマップ的なところだ。あとはこの廊下を真っすぐ行けばいい。


「着いてきて。この先に行けば、地上へ出られる」


 立ち上がって、俺は廊下をひたすら進んだ。しばらく歩くとまた扉があり開けて中に入った。


「こ、ここは……」 


 中はドーム状の空間になっていた。天井まではかなり高く、10メートルくらいある。内部構造や壁に描かれた壁画は、以前行ったあそこに似ている。


「なんか……どこかで見覚えない?」

「よく気づいたね。ここは転移魔法陣がある場所さ。床を見て」


 パメラと一緒に中央の床を見た。見覚えのある巨大な五芒星の魔法陣が描かれている。


「転移魔法陣!? もしかして繋がっている先は……」

「北の古代遺跡さ」

第百七十話ご覧いただきありがとうございます。


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