07 友達なんかじゃない
ドラインから薬を渡された日の翌日。
ピネスが会いに来た。
話題はやはり、その薬の事について。
「フレンダ。ドライン様から睡眠薬を渡されてたらしいわね。本当にやるの?」
「ええ、心配してくれてありがとうピネス。だってドライン様のためですもの。大丈夫、ドライン様はちょっと意地悪するだけって言っていたわ」
「でも、ちょっと不安だわ。睡眠薬って飲み過ぎると体によくないみたいだから。だから、これをあげるわね」
ピネスから渡されたのは、何かの粉。
彼女は、心の底から友達を思うような、柔らかい笑顔をその顔に貼り付けて、私に言ってきた。
「この薬は、睡眠薬の効果をやわらげるためのものよ。これをまぜれば効果が出過ぎるなんて事はないから安心して」
「ありがとうピネス。やっぱり持つべきものは友達ね」
そんな言葉、信じるわけがない。
友達だなんて、思ってもいないくせに。
私はその薬も、騎士達に渡した。
研究者が追加で成分調査を行わなければならないため、ちょっと時間がかかってしまうようになったが、まあ良いだろう。
その際に、ドラインとピネスに怪しまれないようにしなければ。