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03 はめられた私



 罠にはめられる前、私の婚約者であるドラインは、こんな事を言っていた。


『嫌いな人間がいるんだ。本当は殺したいほど憎んでいるけれど、我慢するよ。あいつは、あれでも国の要人だからね』


 彼が嫌いなのは、とある騎士らしい。


 その騎士は、神官様をお守りする役目に就いている、名誉ある騎士だ。


 けれど、ことあるごとにその騎士はドラインを見下してくるらしい。


『ドライン、お前は本当に可哀そうな奴だな。あまりにも可哀そうすぎて、目障りになってくる』


 行動する行く先々で、つっかかってくるとか。


 なぜそんな事をするのか。


 それは、彼等が親友だったからだ。


『幼い頃は、あいつと二人で騎士になろうと約束していたんだよ。でも夢を叶えたのは、あいつ一人だけだった。試験の時、僕は彼に陥れられてしまったから』


 その話を聞いた時、私は許せない。


 と思った。


 悔しい想いをしているドラインの代わりに復讐しようと思った。


 けれど、彼は優しかった。


 一生を台無しされたのに、『やり返したって何にもならないよ』と言って笑っていた。


 だから、


『でも、少しだけくやしいからね。ちょっと懲らしめてやるんだ。この睡眠薬を飲み物にまぜて、彼を眠らせて仕事に遅らせてしまおう。大丈夫あぶない薬なんかじゃないよ』


 彼の言う通りに行動したのに。


『うわぁぁぁ、人が死んでいる!』

『誰か! 騎士様が倒れているわ!』


 それは睡眠薬などではなく、毒薬だったのだ。


『俺は見ました、俺の婚約者であるフレンダが、何かの薬を持っている所を。まさかあれが毒薬だったなんて!』


 そして、ドラインに殺人の罪をきせられてしまった。


『こんな女性と一緒になんていられない。君を妻にするなんてありえない』


 それを理由に、婚約もなしにされた。


 信じていたのに。


 彼は私を利用して、邪魔な人間を殺させたのだ。



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