村人Aは考える
村人の気持ちになって読んでください
剣と魔法、勇者と魔王、人は誰もがRPGが大好きだ
だが、考えたことがあるだろうか? 魔王よりも悪人が居ることを
それが勇者だ……
あっ、どうも皆さん最初の村の村人Aです。
良くRPGでひのきの棒を持った勇者〈笑〉がたどり着くあの
村人Aです。
魔王は世界を闇に染めようと魔物を各地に出現させますが、
最初の村近辺には、雑魚モンスターしか配置されません
あの、青くてプルプルなかわいい、あいつです。
強くても、それに牙が生えて、飛んでいるあいつです
青いやつ程度なら、村の子供のおもちゃが関の山です。
ですが、勇者はその青い奴ですら最初は、一撃では倒せません
飛んでいる奴は、大人一人で十分です
何が言いたいかと言うと、最初の勇者の強さは村の大人と大差ないんです
あっ、勇者様が話をかけてきた
「ここの村の外れの洞窟に岩の魔物がでると言われています。 」
まぁ、最初のボスなんだけどね
「十分装備を整えてから冒険に出てください」
この村の装備、石の剣だけどね
勇者は断りもなく人の家に勝手にはいります
「パリィン! 」
家の方から壺が割れた音がした
「キラン」
自分の貯めていた、へそくりが盗られた音がした
あの壺は村長が勇者が誕生したときに、村に配布したものだ
村の決まりで家に鍵をかけられない、そして物を壊されたり、盗られたり
ご飯を盗られても文句は言ってはいけない
だが、普通に考えてみれば、他人の家に無断で侵入するのは
勇者と言うより既に犯罪者である
村人達からすれば、魔王なんかより勇者の方がよっぽど悪である
「テレテッテ、テッテテェー」
勇者が村の100Gの宿に泊まった音がした
だが、村人達は家の中で休めない。
イベントで夜にならない限り、この世界は夜にならない
「テレテレ、テッテッテー」
勇者のLvが上がった、勇者は最新版や、HIROになると喋るが
基本的に《はい》か《いいえ》しか喋らないから会話が成立しないが
そもそも、村人には声がない
この頭の上にでるテキストで喋らなければならない
そして、勇者が《いいえ》を選ぶと、《はい》を選ぶまで
何度も頼まなければならない。
これは、村長や兵士はたまた、国王まで及ぶ
村人の苦悩や葛藤を少しは全ての勇者に知ってほしい
そんな、村人Aの独り言でした
初めての短編小説です
感想と評価をいただけると幸いです