変わらない事
今回の使用メーカーさん
https://picrew.me/image_maker/28224
twitter/niseo
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嗚呼、なんとも醜い姿だろうか!!
水鏡に映る姿を目にして彼女は毎度そう思っている
長い髪も色彩も、その肌の艶の具合まで
彼女は何一つ気に入らなかった
だというのに皆、口をそろえて言うのだ
何と素晴らしい姿だろうか!!と
何が素晴らしいのか彼女にはちっともわかりはしない
だって私だって鳥なのだ
目は良いはずの血族だというのに、私は「メガネ」なんていうモノをしている
これは視覚を良くするためのものなのだと、賢い彼女は知っているのだ
私に翼はない
故に天女様が私に羽衣を与えられた
まるで皮肉の様だと思ってしまうのは仕方ない事じゃないか
皆、みんな、自分の翼をもって空を飛んでいる
私は天女様よりの授かりものだとて、羽衣を使わねば空を飛べぬのだ
それがどれだけ悔しい事か分かっていない!
それでも彼女は賢かった
努力を怠ることなく、知恵をつけ何度も己の姿の理由もその改善の方法も研究した
だから、今日はとてもめでたい日だった
彼女の努力が報われ、彼女の思う「異常」全てが全種族に知られることになったのだ!
「異常」だと認めてもらえたのだ!!
嗚呼…本当に、何と良い日だろうか、
彼女は羽衣を持って、彼女にそれを授けた天女様に告げた
「私は『雉』の一族でありながら色の配置がおかしかったのです。
そして、私には翼はない。
そもそも生える痕跡すらなかった、そして誰よりも賢かった。
そこで知ったのです、天女様。
私は、そもそも『雉』でも『鳥』でもありませんね?」
差し出された羽衣を受け取り、美しく天女様は嗤った
「ええ、そうですとも『鬼退治の英雄の子』貴方は変わらず賢く愛しく美しい、私の子供ですよ?
何度も何度も辿りつけなかった他の子よりも遥かに麗しい賢い子。
嗚呼、あの男が種でよかった。」
そう言って、再び彼女に羽衣を差し出すのだ
彼女は鬼退治をした人間の子供でしかない
色彩異常から『雉』と呼ばれ、蔑まれ、それでも心優しかった故に家来としてでも鬼退治に向かった男の人間の娘だったのだ
その男に目を付け、種を貰い産み落としたのが目の前の天女様
否、母親だった
彼女は既に知っている
その羽衣は月の姫が身に着けたものと同じであり、理以外を忘れるのだと
母の望むこと以外忘れ、賢い娘としてあるだけになるのだと
「……お忘れなく、羽衣を失ったものすらいることを」
彼女はそう告げて、母の手から羽衣を受けとり自ら纏った
不機嫌そうな顔をしたまま、彼女は母の微笑みを受ける
「さあ、此度は私の娘の拝観式へようこそ。
美しく賢き娘は誰よりも素晴らしき存在になり得ましょう!」
告げる言葉にいつの間にか周囲を囲っていた天蓋は開き、様々な種族が彼女を祝福する
「美しき『雉』だ」「天女様の『御愛鳥』だ」と
母の手により添えられた、冠にも耳飾りにも彼女の表情を変えるほどの価値はない
それを見たものは、嗚呼きっと彼女は様々なことに憂い、それへの対策などを考えていらっしゃるのだと思ったことだろう
母である天女は思う
嗚呼、この子が羽衣を纏い我が子として立つ瞬間を待っていたのだと
堂々と愛する立場をこの子は手に入れてくれたのだと
美しい顔で微笑んでいた
彼女は思っていた
人は欲深いのだと
全てを望んだ瞬間、羽衣は全てを消失させる程の能力はなく
人でないものであれば、そこに抱いた欲を消失し記憶を無くせただろう
(残念、オカアサマ。人とはとても愚かで複雑なのよ)
何処かで遠く遠く、娘を呼ぶ男の声が聞こえる
いつも聞こえてきた声
嗚呼、こうすることで漸くわかるなんて私は随分とおバカだったのね
と、彼女は母に似た美しい笑顔で笑って見せた
歓声を上げるその向こうから聞こえる男の声こそが、彼女の求めた物なのだと
羽衣は彼女の意思に反することなく舞い上がり、群衆の群れの向こうへと導いた
遠く、遠くで、その美しい娘の影が落ちた所で聞こえたのは
「おちたところで、かわらないものよおかあさま」
昔に飛びたいと木から飛び降りた娘が告げた言葉を母親は今やっと思い出したのだ
テーマとなった絵を私のpixivアカウントで投稿したものです
https://www.pixiv.net/artworks/77520847