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召喚したのは魔王でした

立ち上がった青年はゆっくりとこちらに近づいてくる。一見人間に見えるがよく見ると頬の端の方にうっすらと鱗のようなものがある。彼も魔族なのだろうか?彼は私の前まで来ると立ち止まった。


「ここが何処かと言う質問だったな?ここは魔界の中心にある首都・ドラクルージュの中央にある魔王城の中だ」

「じゃあ、ここは異世界なの?」

「貴様がいた世界から見れば異世界だろうな」

まじですか。本当に異世界に来ちゃったんですか。

「じゃあ、この魔法陣みたいなのって・・・」

「勇者を召喚するためのものだな」

「ちなみに召喚された勇者って何処にいます?」

「私の目の前にいるだろう?」

目の前・・・私しかいないね!?まさか・・・

「勇者って私のことですか?」

違うと言ってくださいお願いします。

「貴様以外に誰がいるんだ?」

彼は不思議そうな顔をして首を傾げる。こういう仕草するんだぁ。ちょっと可愛いかも。・・・・じゃなくて!!


「私が勇者ぁ!!??」


ありえない。こういうのって普通私みたいな凡人じゃなくて何かしらの才能がある人とかが呼ばれたりするでしょ!?自分は何も出来ないのになんで・・・とか言いつつしれっとすごい才能があって無双するやつでしょ!?戦闘はダメだけど頭はいいよとか、頭は悪いけど凄く強いよ、って人が来なきゃダメでしょ!?何でどっちも平均的な凡人の典型例みたいな私なの!?いや、それよりも、

「私が勇者だとしたら何で魔族がいる所に召喚されてんのよ!!??」


普通こういう異世界に召喚された話とかだと異世界のお姫様とか王様に召喚されて魔王討伐の依頼をされるでしょ!?そこからコツコツレベル上げたり仲間を探したりしてパーティーを組んでから殴り込むでしょ!?何でいきなり魔族の本拠地に召喚してんのよ!?

「状況を理解しているなら話は早いな」

どこがだよ。理解してないから。魔族に召喚されたことに関しては全く理解できないから。


「貴様の言う通り我らは魔族だ。そして、貴様をここに召喚したのは人間ではなく、魔族の頂点に君臨している魔王だ」

・・・・・・・・・・は?魔王ニ召喚サレタ??魔王ってあの魔王だよね?勇者の敵で凄く強いラスボスの事だよね?

「何を惚けた顔をしている?」

そりゃ惚けるでしょうよ。だって魔王に召喚されたんだよ?魔王が自分を討伐するはずの勇者をわざわざ召喚したんだよ?正気ですか?


「何で勇者召喚したのよ。魔王馬鹿なの?」

そう言ったら突然周りの温度が下がった気がした。なんだろう?

周りを見ると他の魔族たちが私を睨んでいた。

「小娘が!我らが魔王様を侮辱するか!」

またオルガノが顔を真っ赤にして怒鳴ってきた。

「だって魔王が勇者を召喚したんですよ?どう考えてもおかしいですよね?勇者は魔王の敵でしょ?何でわざわざ敵を召喚するんですか?それともこの世界では魔王と勇者は敵ではないんですか?」

「なんだと!?」

私正しいよね?普通そう思うよね?


オルガノがまた怒鳴ろうとしたが青年が手でそれを制した。

「まあ、そうだろうな。普通は勇者は人間共が召喚するな。だが、魔王が勇者を召喚してはならないと言う決まりもないだろ?それについても説明しよう」

「あの、その前にいいですか?」

「なんだ?」

「さっきから説明してくれているあなたは何者なんですか?」

そう、さっきから気になっていた。玉座に座っていたり、オルガノを手を上げるだけで黙らせたりオルガノは魔王に"様"を付けているのに彼は付けていない。まさか彼は・・・

「そう言えば自己紹介がまだだったな。私はヴォルティス・ザス・フォスタール」


「勇者を召喚した魔王だ」



2話目なのに今だ主人公は作中で名前呼ばれてませんね(´ー`A;)

誤字、脱字、これおかしくない?、などありましたら是非教えてください!

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