第3話
決闘の時間まであと五分。結城は控え室で待機していた。
「あと五分か。待ち遠しいな」
「リーダー、ホントに殺さないでね?洒落にならないからね?あんな極上な魔力初めて見たよー。殺しちゃあもったいないよ。だから殺さない程度に殺っちゃって」
「ああ、多分な。おっと、もう時間みたいだ。んじゃ、行ってくるわ」
「はーい、いってらっしゃーい。」
グラウンドについた結城と梨華。
「あら、逃げずに来たのね」
「お前こそ逃げずに来たんだな。目覚めし鬼のリーダーである黒鬼を相手にすると言うのに」
「目覚めし鬼?そんなはずないわ!彼らは今依頼を受けている筈よ。」
「その依頼はもう終わらせた。今朝のオーガだ。それに間違ってはいない。今も依頼遂行中だからな。」
「今も依頼遂行中?どんな依頼か聞いてみたいものね」
「護衛任務とだけ言っておこう」
そこで試合開始の合図がなる。『試合開始!』
結城は合図がなった瞬間、距離を詰め、梨華に向かって蹴りを入れた。結城の蹴りが梨華にあたった瞬間、梨華は会場の端まで吹き飛ばされた。会場は騒然となる。Aランクの梨華が吹き飛ばされたのだ。結城が本当に目覚めし鬼のリーダーである黒鬼だなんて梨華ははったりだと思ってしまったのが負けた要因の1つだろう。