プロローグ
あるところに一人の少年がいた。名前は岸本結城という。結城は魔法小学校へ向かっているところだった。結城は学校で虐められている。魔法ができないからと。この社会は魔法が普及しておりどんな人でも魔法は使える。それは結城も同じだ。ではなぜ結城が虐められているか、それは父親に魔法の使用を禁止されているからである。魔法の授業できいたことをしっかり記憶して影でこっそり練習をしてできるようになった。しかし学校の授業で魔法を使えばいつか父親にバレてしまう。それを避けるために授業では魔法を使えないフリをしている。
今の時刻は7時45分。あと15分もあれば余裕をもって学校につく。
結城は学校についた。教室に向かう廊下にはたくさんの子供がいたが難なく教室にたどり着いた。チャイムが鳴りホームルームが始まる。
「今日は午前中に算数と体育の授業があって、午後には国語と魔法の授業がありますからね~。皆、道具をロッカーからとってくるんだよ~?」
今日は算数と体育と国語と魔法の授業があるらしい。全部嫌いだ。
色んなことがあって魔法の授業の時間が来た。
使えるのに使ってはいけない。また今日もバカにされるのであろう。向こうにいる奴がクスクス笑っている。
「じゃあ、今日はファイヤボールの練習をしようか。詠唱は、『焼き尽くせ!火球!!』こんな感じだよ。」
先生はそういって的にむかってファイヤーボールを撃った。的はファイヤーボールが直撃して燃え尽きた。
子供達から歓声があがる。またできないフリをしなければならないのか。まぁ仕方ないか。いつものようにできないフリをしてクラスメイトにバカにされる。だが思いもしないことがここで起きた。
「ねえあんたたち、岸本君をバカにする前に自分たちのことをやったらどうなのよ。」
「うるせーなぁ!!部外者は黙ってろ!教育してやってんだよ出来損ないのためにな!」
「できない人に大人数で罵声を浴びさせるのが教育?あんたたちどんだけドSなわけ?」
「チッいこうぜ」
スゲー七人いたのに全員追い払っちゃったよ。
「ねえ、大丈夫?怪我とかない?ねえ、ねえってば」
「え、あ、は、はい!大丈夫です。ありがとございます。」
「体の方も心の方も大丈夫?大丈夫ならいいんだけど。」
「その、君の名前は?」
「梨華、松本梨華よ。よろしくね」
そんなことがあって松本さんといるとバカにされる事はなくなった。
そんなことがあってから一年。
今は家にいる。父さんが「今日は梨華ちゃんの家にいてはいけない」といわれた。嫌な予感がしたから父さんが出掛けている間に書斎に入って机などを漁ってみたら一冊の日記があった。読んでいくと「最近、結城の様子がおかしい何かあったのだろうか。」とか「結城に聞いてみたところ梨華というクラスメイトが原因らしい」とか「魔法の使用許可を得に梨華という少女と私のもとに来た。一時間も粘られた。ここまで粘られたら許可を出すしかないと思い許可をだしてしまった。」最後には「結城を使ったクーデターを起こす作戦に障害が一つできた。梨華ちゃんだ。結城の友達だが仕方ない。始末しよう。魔導爆弾で家ごと消し去ろう。」と書かれていた。ヤバい、松本さんが危ない!そう思った僕は全速力で松本さんの家に向かった。日記に書かれていた時刻は17時。今は16時40分ギリギリ間に合う!!
ついた!!父さんは~と、あ!いたぞ!
「父さん!やめて!!」
「結城!?なぜここに!!今日は来ちゃ行けないといっただろう!?まさか日記を見たのか!?」
「うん、見たよ。父さん、一体何者なの?父さん」
「私か?私は反乱軍の指導者だよ。もう遅い。魔導爆弾はあと二分で爆発する。今すぐ逃げれば間に合う。逃げなさい!!」
「嫌だ!!折角友達ができたんだ!逃げない」
そうして僕は玄関にいき爆弾を手に持ち全速力で走った。なるべく遠くへ行こうと。だがあと20秒そうだ!爆弾を圧縮させて爆発を押さえれば被害は少なくなるはず!圧縮魔法はやったことないけどできる!
極限まで圧縮させて投げようとした瞬間!魔導爆弾は爆発した。被害は直径60cm。高さ200mというとても小さな爆発だった。だが音がひどく通報された。警官や消防隊が駆けつけた頃には結城が死にかけていた。だが辛うじて息はまだあった。すぐに病院に搬送されて一命はとりとめた。それから目が覚めてから事情を警察に話して父さんは指名手配された。それから毎日のように松本さんがお見舞いに来てくれた。僕は下半身不随になってしまったが松本さんのお陰でなんとかやっている。家族も毎日お見舞いに来てくれた。こんなことがあって僕は魔導に関わらないでほしいと伝えた。彼女に傷ついてほしくなかったから。