4.世界渡りの意識と救いを与える歌姫 第五章 02
彼は彼の思い至った結論で、彼女のオフィシャルクラブに入った。
そうしたことでわかる。
彼が、Cielと名付けた意識が誰かに奪われつつある。
セカイケンを宿した時の意識が、セカイケンの機構ごと。
だが、彼は完全には奪わせない。
「なんで、だって、Cielって女性名ですよ!?
心を捧げて生まれ変わった意識だっていうなら、Cielは女性のはずですよ!!」
その設定を知っていることに驚きつつ、彼は答える。
「Cielが本来、女性名ってことなんて知ってますよ?」
「えっ!?」
「ーーさんが出演した作品のナンバリングが一つ前の作品。プレイしました?」
「えっ、えっ!?」
「おじいちゃんかな、まあ、名付け親が男の子が生まれると思いこんで、実際には女性が生まれたけどそのまま男性名がつけられたキャラクターがいるんですよ?
そんな感じでいいかなと。まだ理由ありますけど、聞きますか?」
「えっ、えっ!? なんで知っていて」
「Cielが何語かは忘れてしまいましたが、日本語訳は
空
っていうんですよ。
空なら男性名でもおかしくないでしょう?
というか、空が主人公のデフォルト名のゲームありますし」
「日本語訳まで知っているの!?」
「まだ、理由はありますけど、ここで言ってもわからないでしょうし、
もうわかったでしょう? Cielは私です」
「はい」
「あなたがCielが奪おうとした理由はいろんな想定がありますが、
正直どれでも問題ありません。
私はCiel。いえ、わたしはCielと名乗ることもある。
それで問題ありません」




