3.世界渡りのプロローグ 第三章 02(改稿二回目)
「私達、ぶらぶらしてるだけだけどいいの?」
千秋が冬彦とのデートを喜びながらも、罪悪感を感じて疑問を口にした。
「ぶらぶらしてるだけではないけど、いいんだよ。僕が土地を見ることに意味がある。
ここで異能は使えないけど、土地を見た後、異能でこの土地の過去を別の場所で見るのは可能だからね」
冬彦の異能は視たものを任意の記録媒体で出力する異能。
たとえ、その土地で異能を使わなくても、土地を出た後で、土地で視たものを記録媒体で出力すればいいというわけだ。
「なるほど。じゃあ、私達はここでデートしてるだけでいいんだ?」
「違う、違う。
違反者がいないかの見回りも。僕が見ただけで、違反行為は後で別の場所で異能を使って記録媒体を出力すれば証拠になるからね。そして、僕のこの異能だけは裁判協会が与えたものだからくつがえらない」
「ハハ、なるほど」
くつがえらないと言った冬彦を千秋は信じている。
だが冬彦は少しの不安から言葉を付け足す。
「その上、万が一、僕の異能が奪われても、罪の土地で異能が奪われただけで確実に罪の上塗り」
「うわあ、裁判協会、えげつないね」
「しょうがないよ。それだけのことをしたんだ、この土地は」
「ちなみに天典達は?」
「あっちには裁判協会が沢山あるからね。目の前で悪事を働けば一発さ」
「ハハハ、これ、知らずに悪事を働いたら、どうなるんだろう」
「その時はご愁傷様だね」




