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純血のかぐや姫  作者: 瑞希
輝夜姫 ~嫉妬が国~
9/29

〈命字〉

食事はTHE!和食だった。

私は好きだから寧ろ嬉しいけど。

和食が嫌いな人には堪らないだろうね。

…ただ、独りぼっちで食べるのが寂しかった。

広めの部屋に入れられて、一人で食べるのだ。

人に食事の姿を見せるのは不用心、はしたない。とのこと。

解らなくもないけど…、静かだよ…。寂しいよ…。

弥扇の家に居たときと一緒なんだけどね…。

ああ、泣けてくる。




「では!王サマ授業に行きましょうか!」

食事が終わったころに、スパーンという、襖が鋭く開く音と同時に、芽衣ちゃんのそっくりさんであるメイさんが姿を現した。


「ど、どこに…」

「研究室兼私の部屋です!」

け、研究室?

いきなり科学的な…。

え。しかもメイさんの部屋なの?


「まず王サマは、藍蛇様から何を説明されました?」

本やら、よくわからない色の液体が入った瓶が床や机に転がっている部屋に着くと、メイさんはそう私に聞いた。


「え、えーっと。

 ツカイマと契約した人が王で、王が魔力の根源って。」

私は、周りをきょろきょろ見ながら言った。

部屋自体は広いみたいだけど、物が多すぎて足の踏み場が…。

っ…!

今、カエルとか居なかった!?

うわ!コウモリ!?


「…それだけ」

「え?

 あ、ああ。はい。」

一瞬何の話かと聞いてしまう所だった。

この部屋、ユニークすぎる。

科学とは、なんか違うっぽいしなぁ。

魔法は好きだけど、それは飽くまでファンタジーの話でしょぉ。


「はぁ…。ほんっっっとうに!

 何も説明されていないんですね…。

 良いでしょう!

 このメイが一から説明しましょう!」

よく分からないけど、怒ってるみたい…。

ご、ごめんなさい…。

無知って罪だよね…。


「とりあえず、改めて自己紹介しますね

 私はこうじ めいです

 好物は酒!」

メイ。もとい命さんは黒板のようなものに書いてくれた。

ここにも漢字あったんだ。

そして命さん、お酒が好きなんだね…。


「あ、私が教えたのは王サマだからですよ!

 王様も命字みことじは教えてはいけませんよ!」

「み、みことじ?」

名前を教えちゃいけないって事なのかな?

でも、名前を名乗らないって失礼だよね…。


「名前の事じゃないですよ?

 命の字、名前に関する漢字の事です。

 苗字は漢字を教えても良いですよ。

 でも、名前の漢字を教えるのは、命を教えるようなものです。」

へぇ…。

名前の漢字の事は命字みことじっていうんだ。

それで、命字は教えちゃいけないんだね。

でも、苗字は良いんだ。

命を教えるようなものって良く解んないけど、とりあえず教えない方が良いんだね。

…私教えられちゃったよ?!


「命字を教えると言う事は、命を奪われてもよいという事。

 私は、貴方への忠誠を誓った訳です。」

そ、そんな大事な事をサラッと…。

命と書いて、めい。

ちゃんと覚えよう。

忘れることもないだろうけど。


「では!

 授業に入りまーす。」

「え?!あ、はい!」

命さんは灌漑にふける間もなく、視線で席に座るよう促した。

私は慌てて、席に座った。

ボロボロだったけど、一応座る事は出来た。


「まず、属性について。

 魔法魔術には七つと2つ属性があります。」

属性か…。

7つと2つ?9つじゃダメなの?

なんでわざわざ分けてるんだろう。


「まず七つの方は火、水、木、風、雷、土、毒が有ります。

 その属性の中にも更に有るのですが…それは魔術にはそんなに。」

ふむふむふむ。

魔術にはあんまり関係ないってことは、魔法には関係あるってこと?

…あれ、魔術と魔法って何が違うんだろう。

と、とりあえず話を聞こう。


「二つの方は、光と闇です。

 ただ、それを使えたものは今のところいません。

 というか、居たら駄目ですね。

 闇の子はまだしも、光は疎まれるものですから。」

普通逆何じゃないだろうか…。

そういうものなのかなぁ。

あ、でもそうか。

実質に使えるのは、七つの方だけで、光と闇は何だろう、仮定?なのかな。


「基本的に、人が使える魔術魔法は1つですが、

 王サマや使い魔は2つ以上使えることも有ります。」

ということは、王様なら火と水でお風呂を作れたりするということか。


「正反対の属性は使えません。

 火と水、風と土、木と雷のように。

 もしそれが出来るとすれば純血と不老不死くらいでしょう。」

純血?不老不死?純血の意味はよくわからないけど、不老不死何て居るのかな…。

あ、居ないから言っているのか。


「純血も不老不死も、ほぼほぼお伽話です。

 使い魔サマでさえ、純血ではありませんから。」

この世界において、使い魔。

つまりラムセスはよっぽど凄い存在だったようだ。

それこそ、王と同等か、それ以上のような。


「明日は魔法陣とかやりましょう」

「わ、分かりました。

 ありがとうございました。」

私は学校の授業のようにお辞儀すると、命さんは、にこりと笑って部屋のドアを開けてくれた。


「あの…今って何時ですか?」

「一時半です。」

「あ。ありがとうございます。」

一時半なら、まだ少し時間があるよね…。

出来れば昨日の図書館に言って、この国の歴史とか、他の国の事を知っておきたい。


「命さん、今日はありがとうございました。

 明日もよろしくお願いします」

再び命さんにお辞儀をして、足早に書庫に向かった。


「国王たるもの嫉妬深くあれ。

 それでこそ、国は栄え発展する。

 かぐや様は嫉妬深い?」

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