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純血のかぐや姫  作者: 瑞希
色欲が国 ~マルトゥラ~
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〈主従関係〉

後日行われた正式な会合の結果、私が仮に名付けた世界連合の件は、とりあえず保留となった。


つまり、結果次第!ということだ。

けど、風向きは概ね良好。

世界連合など出来るならそれに越したことはない…。出来るというのなら、まず実績を見せてくれ。って感じ。


色欲が国は唯一、敵対している国とかない中立国だからね。


まあ、七志は隠密のプロみたいなものだし…情報線は大丈夫だと思う。要はそのマフィアを説得させられば良いんだよね?


「カグヤ様!準備は万全です!」


そう笑うアドリアナの言葉通り、私の荷物はコンパクトに纏められていた。


「はい。ありがとうございます。」


アドリアナの事だから、色んなもの詰め込んだらどうしよう…と思ったけど、そんな心配は無用。

緋子さんも、そうだったなぁ……。きっと、もう関わりのない話だろうけど。


「では七志、貴方は基本的に表へ出ないよう。

 私が望まない限り、私たちの前だけでお願いします。」


七志の事だから、影からぬるっと出て来れるよね?ね?何でも出来ると盲信してるよ!


「無論、そのつもりですよ。ある程度なら幻覚破りも出来ます。」


じゃあ幻覚の作用でもしもが有った時は、七志に助けてもらおう。

けど裏を返せば、ある程度以上は破れない。私自身もなるべく気を付けるようにしよう。

臨さん曰く、かなりの魔力を持った私なら、動揺しない限りは大丈夫…と思われるらしい。気を強く持とう。


「じゃあカグヤ。」


「武運を願います。」


ルイスさんとアンナさんの言葉に頷いて、私達は城から出た。






城を出ると、紳士服を着た身綺麗な女性と、堅苦しそうにネクタイを緩める男性が見えた。


「ご機嫌麗しゅう、嫉妬が王よ。

 私はジゼラ。我らがボス、ロッソ・カルディナーレ様の御世話係り兼、右腕の代役をしております。

 こちらはオメロ。不遜な奴ですが、どうぞこき使ってください。」


終始無表情のまま淡々と言うジゼラさんに、私は曖昧に微笑んだ。


「さあ行きましょう。カルディナーレ様がお待ちです。」


カルディナーレ。オリエントのボス。緋色の、毒の女王とかって呼ばれるらしい。

緋色の…はオリエントのボスが呼ばれるもので、彼女の性質を示すのは、毒の女王。


毒。彼女は非常に強力な毒の魔導士で、その強さは、王や使い魔の次くらいらしい。

そして、この王達以上に戦闘に慣れている。実質、この国最大の毒の使い手。


女王。女のボスって言う意味と、王は強力な毒の使い手っていう意味もある。

何より、彼女の美しさを指しているそうだ。誰もが…例え相手が女でも、魅了されてしまうらしい。

そして、魅了されている間に毒で、眠るように…またはこの世すべての苦しみを背負うように…死ぬ。


「着きました。」


ジゼラさんの声に、眼前の建物を見る…が、周りと変わらない普通の建物に思える。


中へ入ってみても普通の家………と思ったけど全然違いました。

外は普通だけど中がおかしい。何がおかしいってドアが開いて早々、部屋のなかの大きな穴がある。

怪しげな実験でもしたんですか?

と、思うけど、割りと整備されてるわ。


「何もない家…ですね?」


「ええ。そうですね。」


臨さんとアドリアナの言葉に、私は目を見開いた。


「な…、何もないって……」


「…何かあるのですね?」


「え、いえ、大きい穴…地下への階段あるじゃないですか?」


お目目腐ったんですか?二人同時に?!あ、いや、もしかしてこれが…


「王とは斯くも恐ろしい。この幻覚が効かないとは…。

 それとも、貴方の気質なのでしょうか?」


そう、ジゼラさんが笑った瞬間、アドリアナはヒッ…と怯えるように驚き、臨さんも目を見開いて穴を見つめた。

幻覚が解除されたらしい。


怯えるアドリアナを何となく微笑ましく思いながら、階段を降りる。迷路のような空間を進む……。と、恐らく最奥に辿り着けば、豪華そうな扉が目に入る。

マフィアのボスの部屋なのだろう。


まずは挨拶からだろうと理解して入ろうとすると、アドリアナが微笑んで開けてくれようとする。


「カルディナーレ様のお部屋です。

 どうぞ、従者の方はご遠慮を」


ジゼラさんは鋭くアドリアナを睨み付けた…、けど。アドリアナはそれに劣らぬ恐ろしい目付きで、ジゼラさんを睨み付ける。


「先程から…王の御前で不遜ですよ。

 たかが一介の従者が王の行動を止めるなど、死をも恐れぬ蛮行と理解なさい。」


何かダメそうなことを言い出したので、アドリアナの言葉を遮る。


「アドリアナ。あの、大丈夫ですから…。

 ほら、中は無論、カルディナーレさん一人…なのでしょう?」


ジゼラさんは、私の言葉に一瞬驚いた顔をして、すぐ無表情で頷く。


「ねぇ?大丈夫ですから、アドリアナ。」


私が笑みを浮かべると、アドリアナはしゅんとして後ろへ下がった。


アドリアナは…、うーん。誰に忠誠を誓ってるか解らなくなるなぁ?

七志はどう考えても私自身だから、例え私が道を間違えても、私自身に使えてくれる。

ラムセスは…どうなんだろう。

…信玄さんは気に入ってくれてるっぽいかな?

大貴も、多分大丈夫。民に害を成さない限り、私の味方で居てくれそう。

命さんは…面白いものの味方?


最後に今、私の背後に居てくれてる臨さんは…。解らないなぁ……?


「では…、どうぞお入りください。」


ま、一人でも完全な味方が居るのなら、王様は無敵に違いない!

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