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狂乱の赤ずきん

作者: 雪弾

ちょっとした息抜きに「ふざけたアレンジ作品でも書こう」と思い作ったのがこれです。

かるーく読めますので、頭すっからかんにして、ホゲーっと読んでください。

 赤ずきん。それは昔話やおとぎ話と呼ばれる類の者に出てくる彼女だ。

 だが実際の赤ずきんは、やや度が過ぎるところがある。

 狼に食われる?騙されやすい?ましてやか弱いと?

 彼女はそれとはかけ離れている。あの筋骨隆々な狼や狩人でさえも恐れおののく戦闘能力を有する。

「さーて、今日もばあさんの見舞いに行くか」

 そんな赤ずきんはこうして、律儀に病気で寝込んでいるおばあさんの家に毎日行っている。少々、想像していたよりも言動は荒々しいが、根はやさしい少女である。

 そして赤ずきんは、バケットにいつものモノを入れて出かけた。


 森に差し掛かったあたりで、いつもの匂いを感じ取る赤ずきん。

「……さて、ショータイムだ」

 赤ずきんは誰に聞かせるでもなくそうつぶやいて森の奥へと入っていった。


 それから三十分ほど歩いただろうか。周りにはいつしか鼻を突くような獣臭と、肌に刺さるような殺気が充満していた。それを赤ずきんは楽しむように感じていた。

「すごいな……いつものことながら身を隠すということを学習しないのか」

 赤ずきんはぽつりと言葉を落とした。すると、それにこたえるように咆哮が森にこだました。響きが収まったころに、木の陰から四匹の狼が姿を現した。

「我らが殺気を隠し、気配をけし、匂いをなくすときは狩りの時のみ。それに貴様には隠したところで意味はなかろう」

 一際体格の大きい黒い毛の狼が、そう言い放つ。

「ふーん。狩りじゃなかったらなんなのこれは」

 赤ずきんは憶する様子もなく言葉を交える。

「これは、正当な闘争だ。我々の誇りをかけたな」

 今度は茶色い毛の狼がそういう。

「へー。じゃあいまんところは私の勝ちだね」

 赤ずきんは挑発がてらに言葉を伝える。

「黙れ小娘!お前に我らの何が分かる!」

 挑発に乗ったかのように白い狼が言い返す。

「……小娘?」

 赤ずきんは特定のワードに反応したようで、たちまちに表情を歪ました。

「貴様の身体、四肢をバラバラにして喰ろうてやる!」

 灰色の狼が声を大にして言う。ほかの狼はこれを皮切りにしたように一斉に遠吠えをし、散り散りになった。

「上等だ犬っころどもが!今日は四匹まとめて頭巾の色にしてくれよう!」

 そういうと赤ずきんはスカートの中からククリ刀を取り出した。

「かかってこいやぁぁあああああああ!」

 赤ずきんは殺気を漲らせ、声を荒らげた。


 辺りには狼が木々の間を跳び交っていると思わる音が響き渡っていた。

 茶色の毛の狼が赤ずきんの前に現れたかと思うと、白い狼が赤ずきんの背後を高いところから落下するように首元にかじりつこうと目にもとまらぬ速さで跳んで行った。

「とったぁあ!」

 ほかの狼たちもそう思った!完全に前方に注意を引いてからの高所背後攻め。完璧だった。

 白い狼は、飛ぶ速度を速め、まっすぐ飛んでいくように、前足後足両方を折りたたみ、体を回転させ弾丸のような軌道を描いていた。

 だが

「お前らのかんがえはよめてんだよぉおおおお!」

 白い狼を迎え撃ったのは

「なに!?」

 太もも付近の可動式ベルトにつけられていた水平二連式散弾銃の銃口だった。

 赤ずきんはホルスターから抜くことはせずに引き金を引く。

 無慈悲な轟音と共に白い狼はその場に伏した。

「チッ!」

 茶色い狼は、気を引くために赤ずきんの目の前に出ていた。しかしその奇襲作戦が失敗した以上、それは意味をなさない。むしろただの棒立ちも同然である。

 茶色の狼はいったん引こうと後ろに跳んだ。

 「翼もない犬どもが空中にいるとどうなるか。答えはこうですってな」

赤ずきんは、ククリ刀を跳んでいた茶色い狼に投げた。

 ククリ刀はその形状からもわかるが、、重心が切先の方にある。そこから繰り出される攻撃はどれも驚異的だが、警戒しなければならないのは投擲である。重心が前にあるため投げたときに安定するのだ。

 ククリ刀は一直線に飛んでいく。

「ギャン!」

 茶色い狼はそう音を発して、地面に落ちた。

「ほー、犬っころらしい声出せんじゃん」

 赤ずきんは茶色い犬にあたって落ちたククリ刀を拾おうと歩いていく。

 その瞬間、灰色の狼と黒い狼が二匹、赤ずきんの進路方向に立ちふさがった。

「……何のつもりかな?」

「答えると思うか」

「いいや?おもってないさ。聞いただけだよ子犬ちゃん?」

 そうやり取りを終えると赤ずきんは特徴的な構えをとる。

「来いよ。近接で相手してやるぜ」

 そう徴発されると、狼も黙ってはいなかった。先に飛びかかったのは灰色の狼だった。

「ほんッと学習しねぇなお前ら。飛ぶとどうなるんだっけ?」

 赤ずきんは、後ろに下がるのではなく倒れこむようにしてとびかかりを交わした。

 そして、倒れこんでいる赤ずきんの上を狼が通過する瞬間、再び水平二連式散弾銃が太もものベルトから出てきた。

「身動きとれねぇってさっき人柱までたてて教えたじゃん。あ、犬柱か?ギャハハハハハハ!」

 その笑い声と共に今日二回目の轟音が響いた。結果は一つ。灰色の狼は地に伏した。

「貴様!誇りはないのか!」

「お前らがいっつも突っかかってきてるだけだろうが!」

 赤ずきんは素早く殴り掛かり、黒い狼はかみつこうとしてきてお互いにそれを交わした。

 だが、やはり赤ずきんは強かった。かみつこうとしてきた狼の口を体をひねりかわしヘッドロックの要領で捕まえると、プロレス技のドラゴンスクリューのように自分の体ごとひねった。

 そうなると必然的に、頭、首がねじれる。

 黒い狼も静かになった。




「アラ赤ずきんちゃん。いつもいつもごめんねぇ。森の狼に襲われなかったかい?」

「かわいい犬ならいたよ、ばあさん」

「あらそうなのかい」

 あれから赤ずきんは森を抜け、おばあちゃんの家についていた。

「その犬ちゃんは、いつもの犬ちゃんかい?」

「ああ、そうだよ。いつもいつも楽しいよ。可愛いし」

 この時赤ずきんは心底楽しそうであった。それもそのはず。実際に楽しんでいるのだった。




「大丈夫か?」

「ああ、さすがに目の前でくらった時は死んだと思ったよ」

「俺もどてっぱらにくらったけど意識トンじまったしな」

「首が痛いのだが誰かもんでくれ」

あの狼達も、この時は楽しそうだった。

「それにしても、ゴム弾に研いでない刃物、手加減した体術。すごいよな」

「完全に遊ばれてるからな」



 お互いに本気で挑んで本気で楽しんでいるのだった。

.........................................(ホゲーっとしているため、言葉が出ておりません)

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