広がる反乱の炎
手始めに村を治める役所を襲う。
「なんだ、貴様ら?」
たったふたりの我らを、役人たちは明らかに侮っている。
多勢に無勢、そうなるのも無理はない。
だが、国民に威張るだけの木っ端役人は、我らの敵ではなかった。
「秘剣、円月斬り!!」
一薙ぎで十数人の胴が飛ぶ。
主を失った下半身が、役所の中を走り回る。
切れ味が鋭すぎて、両断されたことに気付かないのだ。
一太刀で勝負が決した。
戦意を喪失した役人たちは投降、村を解放した。
役人の私邸を見て、村人たちは驚いた。
倉いっぱいの食糧、役人家族の着る綺麗な衣服。
目の当たりにした現実に、村人たちの怒りが爆発、俺の村を拠点にして、反乱の炎が共和国に舞い上がった。
共和国各地で民衆が蜂起、大統領側の正規軍と戦闘になった。
家族と戦うことを拒み、多くの兵が脱走。
士気の低い正規軍は敗走を重ねた。
黒雲が日の光を遮り、今にも空が泣き出しそうな日、混乱の隙を突き、俺とジュウベイは大統領の籠る城に突入した。
城の前には戦鬼連隊と双璧をなすといわれる精鋭部隊、大統領親衛隊が控えていた。
鋼鉄の甲冑で全身を固め騎馬にまたがり、巨大な戦斧を振るってくる。
「はいやっ!!」
轟音をあげる戦斧、躱す。
間髪入れず二騎目の戦斧。
三騎目の一撃を、刀でなんとか受け流した。
「さすがは、親衛隊・・・」
単騎の攻撃ではなく、連携して波状攻撃を加えてくる。
受け続けるのは不利だ。
騎馬の蹄が大地を揺らす。
三騎が縦に連なり突進してくる。
次波が来た。
「秘剣、円月斬り!!」
斬撃が騎馬の前足を薙ぎ払う。
「うわぁぁ」
騎馬がつんのめるように倒れ、馬上の兵士が転がり落ちる。
斬っても斬っても、騎馬の攻撃が続く。
さすがに精鋭と言われる親衛隊、士気が高くきりがない・・・。
その時、空を覆う黒雲から轟く雷鳴。
これこそ、天の助けか・・・。
「ジュウベイ、離れろ!」
「なるほど・・・。やるのか、シロー」
空を見上げ、ジュウベイが答える。
刀を高々と振り上げる。
「秘剣・・・」
振り上げた刃に稲妻が落ちる。
「雷っ!!」
稲妻を宿した刀身を大地に叩きつける。
目がくらむような閃光が、鋼鉄の甲冑を身に着けた兵士たちの真ん中に落下、耳をつんざく爆音が炸裂した。
親衛隊の兵士が千切れた四肢をまき散らしながら、人形のようにぶっ飛んでいく。
「返し!!」
叩きつけた刀身を斬り上げる。
裂けた地面の割れ目から、空に戻るかのように雷が撃ち上がる。
地中からの雷を喰らい、吹き飛んでいく親衛隊兵士たち。
城の前には、四肢が千切れ黒焦げになった死体だらけになった。




