キレる・・・
積み重なっているのは、大人だけではない。
子供も多い。
全てが裸で、折り重なるように積み上げられている。
強烈な腐敗臭が鼻をつく。
その下には白いものが覗く。
目を凝らして見ると人骨だった。
「くそぉ~!」
叫び声をあげるジュウベイの横で、俺は全てを悟った。
政治犯収容所、そんなものはなかった。
罪を着せ、財産を取り上げ、捨てる・・・。
ここは、それを国民から隠しておく場所でしかなかった。
思い返せば、矛盾したことばかりだった。
痩せた国民がほとんどなのに、肥満体な大統領閣下。
共和制といいながら、選挙をした記憶はない。
国民のために働くはずの役人は威張り散らし、袖の下を要求するのは日常茶飯事。
軍で昇任するのは、軍功があるものではなく、出自の良いもの。
全てのものが平等で、貧しくても幸せな共和国。
そんなの嘘じゃん。
「あ~、もう、なんかキレた・・・」
ジュウベイが、俺の顔を見る。
「もうさ、こんな国、壊しちゃわない?」
「シロー、それは反逆では?」
「だってさ、もう良くない? 共和国がさ、俺たちに何をしてくれた? なんもなくない? むしろ奪ってるだけじゃん?」
「はあ~」
間抜けな声をあげ、ジュウベイも黙りこくる。
「やっちまうか?」
沈黙の後、ジュウベイが口を開いた。
「こんなんされたらな・・・」
家族を探す必要もなかった。
探すだけ辛いだけだ。
「目に物見せちゃうか・・・」




