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第二話 "第一次試験"

ここは"第一次試験"グループA試験会場なのだが──


「……改めて……やべぇな……。」


 視界に広がるのは、まるで都市の巨大ホールを丸ごと貸し切ったかのような空間だった。天井は雲の流れる高さほどに高く、空間内部は光学結界で区切られている。

 本試験に辿りついた受験者は三千名。

 その三千名は十グループに仕切られて試験は行われる。


「……もう、とっとと帰ろう」


 『究導学園都市』人口八万人、学園の在籍千二百名。

 異能者の第十界【異能最低ランクに細分される人】が数百人に一人という希少性を考えれば、この数はむしろ異常と言える。

 総応募数は約10万人。書類選考、一次〜三次選考を潜り抜けた者たちが、今日この場に集まっている。

 さらに三千名から選ばれるのは三百名。


 会場は“巨大すぎるかと思えば、意外と狭く感じる”という奇妙な錯覚を覚えるほど受験者の熱気で満ちていた。ざわめき、緊張、気負い。そんな圧が、互いにぶつかっては揺れている。


「……。」


 ぼんやりと辺りを見回すと、自然と目に入る存在が三人いた。


 一人は、背中まで伸びる黒髪を束ね、軍服のような衣装を着こなす中性的な顔立ちの美少年。

 腰には刀を三本携えており並みではない存在感を保つ。凄まじく洗練された無駄のない姿勢、鋭い視線。動きの一つ一つが整っており他に群を抜いた威圧感を放っていた。


 もう一人は、綺麗な白銀色の髪をした美少女。何処か儚げな雰囲気とだが赤色の瞳には芯の強さを感じさせる眼力が覗かせていた。


 最後に、緑髪に赤のメッシュが散りばめられた少年。

 ニヒルな雰囲気をぶら下げており、肩から下げた鞄の内側に、明らかに異能装置と分かるものが覗いている。落ち着いた雰囲気だが、雰囲気だけで人が避けている。


 やはりここが世界有数の異能力者の集まりだと実感させるほど異彩を放つ人が多い。


「……なんかすげぇ強そう……。」


 かと言う俺はそんな感想しか抱けなかった。


 数刻後、会場全体が光に包まれた。

 

 第一試験──“総合適性検査”とアナウンスにて響いた。


 広報に記されていた説明は短く、曖昧だったが、今回の試験官は先ほどのホーネット・リ・アストネインである。


 彼女は再び高台の演台に立ち、静かに手を広げた。

 その瞬間、光の結界が音もなく展開され、空間の構造が複雑に変化していく。


「──では、第一試験を開始いたします。内容は『生存』でございます」


 会場にざわめきが走った。

 俺も一応、内容を確認するため視線を上げる。


「課題は単純。ここでは一定数のバリア、ダメージを肩代わりするものが付与されます。バリアはダメージを多く受けると破損し破損するとこの結界から弾かれます。課題はなるべくダメージを受けないように制限時間内を『生存』することとなります。」


「……おっまじか……。」


 俺はラッキーと単純に思った。

 今回の課題なら普通に俺は弾かれるだろうと、しかし謎なのは敵というかダメージを与える側の存在。



「では……みなさんお手合わせお願いしますね。」



 ふっと刹那、ホーネットは舞台から消える。

 すると俺たちの受験者の側に一瞬にして現れた。



『"零天照"《ゼロアマテラス》——炮烙のホウラクノカタナ



 空間が歪み、ホーネットの足元からは魔法陣が覗かせそこからは仰々しい氷で形どられた刀が出現した。


「……マジかよ……。」

 

 ようやく試験は始まったようだった

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