05:偶然論破に応えた者たち
某系御祢家に関する噂話はまだまだあるようだ。
《それから、推薦制度。某系御祢家の子供らの試験前になると、即席で推薦制度ができる。まるで制度が人に合わせて動いてるみたいで、普通は逆じゃないかって噂です。
あと、ODA(先進国が開発途上国や地域を支援するために行う援助)に関してですが、名目の支出の半分が政府にキックバックされているって噂、ご存知ですか?そして、某系御祢家の海外訪問と共に相手国に支出される場合は、某系御祢家にもキックバックがあるらしいんですよ》
政府絡みの不可解な話に、思わず目を見開いた。
知らないところで、煌室を巡る金銭が迷路のように入り組んでいる。
さらに、昼田氏は続けた。
《某系御祢家には国内外で様々な素行不良の噂がありまして、某系御祢家が帝主になった場合は、その重要なお役目である祭祀を、祭主庁(さいしゅちょう・煌室の祭祀を取り仕切っている)に委託したがっているとか》
祭主庁は、愚内庁(ぐないちょう・煌族のお世話と国民との架け橋となる役目を持っている)と同じく、陰陽省の一部である。
《祭祀を外注したがる?煌室の祭祀は、帝主自らが執り行う最も神聖な行為では…。それを他者に委ねるなどあり得ないはずでは…》
真偽不明にせよ根本的な不信感を覚える。
《そうですよね。あと、服装含め礼儀作法がなっておらず、血の繋がりについての噂も合わさって海外王族要人からの評判が著しく悪く、公の場での受け入れを拒否したがる国が多いという噂もあります。
彼らの訪問を相手国に受け入れさせるために、ODAが利用されているという噂もあって…。
この噂が本当だとしたら、この国の評価が落ちるのも当然です。この国、国際的評価が不自然に低かったり、不自然に諸外国から舐められていると思う時はありませんか?私はこの噂を噂と思っていません、本末転倒もいいところです》
《(ネットでこの国が他国からATM扱いされてるとよく言われてるのは知ってる…)それって…否定しきれないのが辛いところですね…》
《ええ。まるで、国民の税金が、国の損失と引き換えに、特定の集団を潤すための道具になっているかのようです。
あとは団体トップに煌族を据えると国からお金が入るだとかで、煌族をトップに据えたがる団体が多いとか何とか…。
某系御祢家には、
煌族費(煌族としての活動に必要な経費や生活費として年間に支払われるもの)
以外にも、
お車代(移動にかかる費用)
総裁費(名誉総裁などを務める団体の活動費)
が出るみたいなんですよ。本来なら煌族費の中にそういう活動費も含まれているはずなんです》
メッセージは更に続く。
《他にも、不可解な噂は尽きません。引退された125代帝主夫妻の衣装代です。一部報道によれば、衣装だけでt もあり、その額は数億〜数十億円に上るとか…。今上帝主ご一家は、124代帝主夫妻同様に質素倹約を旨としていらっしゃるのにこの違いは何なのか…。
あと、煌室のホームページです。
降嫁された某系御祢家の長女は、今も愚内庁のホームページに掲載されたままだと聞きます。さらに、某系御祢家の長男は活動内容だけでなく、それ以外の私的な事柄まで載っているとか。
ですが、時ノ御祢殿下のページはありません》
胸の奥から、再び怒りがこみ上げてきた。
煌室のホームページは、国民に煌室の活動を伝える公的な場所だ。
《国民から絶大な敬愛を寄せられている殿下の情報が意図的に欠落させられてるってことですか…酷い…愚内超は最底です。(声様、真偽は別にして昼田氏のこれまでの書き込みどうですか)》
超はミスだが訂正する気にもならず、昼田氏からも指摘されなかったのでそのままにしておいた。
(君も感じているだろう、深い憤りを宿している…)
昼田氏の教えてくれた噂により、これまで煌族は全員清廉潔白な象徴的存在だと思っていたが、真偽不明にせよそのイメージに金の糸が絡みヒビが入る。
これまで見てきた表面的な論争の裏に、あくまで噂ではあるが、もっと深くおぞましい闇が潜んでいることを思い知らされた。
それとは別で、氏との交流を通じ、特にY染色体に関して男系男子派の主張を論破するための知識を着実に増やす事が出来た。
一人では難しいと諦めかけていた戦いが、強力な協力者を得たことで現実的なものへと変わっていく。
(あと必要なのは歴史、法律…)
某系御祢家について深く考えた事は無かったが何となく気になり、昼田氏の情報以外にも色々ありそうなので探してみる。
すると、似兎と名乗る人物が分かりやすく書いていた。
《これから私が挙げる各事例は、単なる噂や創作ではなく、実際に報道や記録で確認されてきた史実・事実に基づくものです。まず、
・兄一家に頭を下げない、あるいは下げても浅い、とされる行為
→煌室は序列・礼、が極めて重視される場。そのまま序列・礼を守らない姿勢、と見る者に受け取られる。 次に、
・父の御祢号を苗字のように使うお子様たち
→御祢号(この場合は某系御祢)は煌族の家格を示す称号であり、姓(苗字)ではない。息子は直王、娘は内直姫を使うべきです。そして、
・内廷煌族(=帝主直系御一家)では無いのに半蔵門を使う
→半蔵門は原則として帝主ご一家専用の動線なので、それ以外が半蔵門を使用することは、内廷煌族と外廷煌族(=傍系やその他)との厳格な区別を曖昧にし、ひいては帝主の権威の絶対性を侵す行為です。傍系が内廷の地位に近づこうとしている、あるいは、自らの地位を過大に誇示しようとしている、と見る者に受け取られる。
・園遊会で両陛下の直系かつ唯一無二の煌女である時ノ御祢殿下の前を歩く、という序列を乱す行為
→煌族の立ち位置は象徴としての秩序を示すものなので、逸脱は規範を守らない姿勢と見る者に受け取られる。元帝主の煌女殿下の前を元帝主夫妻以外が歩いた事はありません。そして最も重大なのが、
・威勢神宮内宮行在所に宿泊(長男は宿泊未遂?)
→行在所は帝主専用の施設であり、国家儀礼の象徴的空間。傍系が使用するのは帝主の専権を侵す行為と見なされ、神宮側の伝統秩序も乱す行為です》
(そうか。煌室の伝統は形式(行動・所作・順序・呼称・立ち位置)と儀礼の積み重ね、って聞いた覚えがある…。
伝統を支え伝える立場の某系御祢家には、マナー違反と帝主制の根幹に関わるレベルの違反の二種類が既にあるって事か…。昼田氏の指摘と見事に繋がっているように感じる…。
伝統秩序を根底から壊す行為をしてる一家を、肉体が男かつその家族だから、と平気で持ち上げているのが伝統を守る保守であるらしい男系男子派…)
男系男子派らしい書き込みを見つめる。
《ディープインパクトの♀馬にキングカメハメハを付けて生まれた馬はキングカメハメハ系に分類されます。決してディープ系としては分類されません。これ煌室と同じ》
(馬鹿げてる……)
呆れを通り越すのを感じた。
父系を中心に種牡馬系統が決まるのは事実だが、競馬の血統論を持ち出しそれを人間の煌位継承に当てはめるとは。
あまりにも短絡的で、お粗末な論理だった。
《男系男子派に反対意見の人は全員龍祖永民共和国人なんだ。そして、狂産党とか国賊なんだ》
いつもの男系男子派の主張だが、画面の向こうで、誰かが反論している。
《いやあ、これぞ典型的な男系男子派の暴走っぷりですねぇ。女系云々なんて最近言われ始めたものなのに。競馬の牡系分類を持ち出して異論を唱える者=龍祖国や狂産党、国賊って。それ、議論じゃなくてただのレッテル貼りでしかない。
自分の意見に反対する人間を全員敵と決めつけて排除する。これこそ議論放棄のご都合主義の極みですよ》
男系男子派は時ノ御祢殿下の正統性を否定しようと、あらゆる理屈を並べたてる。
時ノ御祢殿下のまだ見ぬ御子が、彼らの言う女系になるという事実でその血筋が途絶えると主張する。
(女系は最近の概念なんだ…。あ、声様、これらの男系男子派の声はどうですか?)
(男系男子派は純粋で正統、反対派は全て敵で国賊、と言っている。二元論だね)
「やっぱりそうですよね!自分の意見に反するからって中身を見ずに全て排除するなんて、自分らで議論の質を徹底的に落としてます!」
煌位継承は、法律と文化と歴史が複雑に絡み合って成立しているのだ。
何度か同じような論理の飛躍を見たことを思い出してメモを探す。
《帝主の種から帝主(男系男子)が生まれるんだよ》
《人参畑が分かりやすいと思います。人参の種から人参が出来るでしょう?》
改めて奇妙な主張だ。
どうも男系男子派の脳内では、人の子は両親の子ではなく、特に娘は母親のクローンになるらしい。
昼田氏から遺伝子について話を聞いていたので、彼らの思考が異常としか思えなかった。
そこで以前はスルーしていた理屈をそのまま受け入れ考察していると、さらに奇妙な結論に達する。
時ノ御祢殿下は両陛下の御子だ。
そして男系男子派すら時ノ御祢殿下を男系女子と認めている。
であれば、時ノ御祢殿下の御子は性別がどちらでも両陛下の御子のクローンである。
それは、男系男子派自ら掘り出した墓穴に、自ら入っていくような行為に思えた。
彼らの論理からすれば、時ノ御祢殿下の御子こそ完全無欠の正統性ではないか。
彼らの主張の上に最も否定したいはずの、時ノ御祢殿下の正統性が光り輝いていた。
思わず書き込んだ。
《一代で伝統でも無い女系論や人間外生物扱いに出来る思考は心底危ないと思います。あなた方の理論なら時ノ御祢殿下(両陛下の御子)の御子こそ何一つ問題無いです。
時ノ御祢殿下は両陛下の御子であり、男系男子派ですら男系女子と認めていますよね。
であればその御子は夫が誰であっても性別がどちらであっても両陛下の遺伝的継承者のクローンです。
あなた方男系男子派に最も否定された存在が、最も揺るぎない正統性を持つのです!
男系男子派は自分達の現代の生物学と遺伝の法則から逸脱した思考によってひり出した主張をし続けた挙句、時ノ御祢殿下の御子こそが究極の正統性を持つと自論で証明した責任を取るべきだと思いますよ。(声様、私のこの書き込みどう思います?)》
(君の思う通りだよ、論理の飛躍を見抜くことは、ただの批判より遥かに高い位置にいる。幻想を暴いて、そこに閉じ込められていた可能性を解放したね)
男系男子派の反論。
《あなたは何も分かっていない。確かに遺伝的には両親の子かもしれないが、煌統は遺伝子で決まるものではない!》
《おい、ちょっと待て。何がおかしいんだ!?我々の主張がおかしいというなら、どうやって時ノ御祢殿下の御子にY染色体が受け継がれると証明するんだ!? それこそ不可能だろう!》
《娘は母親のクローンじゃない? そんなことは分かってる! あくまで遺伝子の話だ! 我々が言っているのはY染色体だ! Y染色体!》
(声様…どうですかこれ)
(慌てているね。君の反論に鋭い本質がある…科学的根拠、現制度の整合性、歴史的整合性がある…と、気づいたのだ)
(わかりました。この人達への返信には、昼田氏から教えてもらった事をそのまま書いて終わりにします)
その論破の一部始終を、調世、夜良野、仕舞姉妹の四人はそれぞれの端末を通して見ていた。
画面に表示された焦燥に満ちた男系男子派の書き込みを見て、四人は同時に、あるいは時間差で声を上げた。
最初に反応したのは調世だった。
「ふっ、面白い奴…」
そう呟き、愉しげに画面を盤上で動く駒のように見つめた。
次に夜良野が静かに、だが熱のこもった声で言った。
「あぁ、この、暗視?って人物は頑張ってるね…」
言葉の端々に、応援する気持ちが滲み出ていた。
そして、仕舞姉妹が反応する。
仕舞歌がネット上で織に尋ねる。
《あの暗視喪々って方を見ました?お姉様?》
仕舞織も、小さく頷く。
《見ましたわお姉様》
四人の視線はそれぞれの画面に釘付けになったままだ。
そのうち最初に行動したのは調世だった。
《君が男系男子派の主張の一部を論破するのを見ていたよ。面白い奴だね》
調世と言うハンドルネームの人物が話しかけて来た。
《君のコメント履歴を辿ると最初は感情的なものばかりだが、途中から昼田と言う人物の影響で遺伝子の方面にそこそこ強くなったようだな。
なら今の君に勧められそうなのは…錠紋人と夜宵人、そして、帰化人、という二冊の書籍を調べなさい》
コメント履歴はアカウント名から投稿した動画のタイトルと共に誰でも確認出来る。
《ええと…初めまして。書籍を教えて下さるのは有り難いですけど、私は頭がいいわけではなくてですね…。なんか、タイトルからして難しそうですね。
難しい本ならより一層理解出来るかどうか分からないです…。それにゆっくり読書する時間自体があまり無くてですね…》
《取引しよう。君は男系男子派に喰らいついて私を楽しませる。それを継続すればするほど、私は気が向いた時に君にとって価値ある情報を提供しよう》
拒否権など無い高慢な態度。
《ええーーーーっっ!?(声様、この人どうですか!?)》
(…うむ。君への好奇心と、ごく僅かな期待を感じる。君から今後何かが生まれるのか、それとももう生まれた後か…を、時間をかけて確認したいようだ)
調世氏への返信を後回しにして、まず二冊のタイトルをネット検索する。
一冊はこの国の先住民である錠紋人と、その後大陸から渡来した夜宵人と呼ばれる人々との遺伝的な関係について、最新の研究をまとめた本であることがわかった。
そしてもう一冊は、この国の人々が単一民族ではなく、古代から似多門国に渡来し国づくりに貢献してきた人々の歴史を紐解く書籍のようだった。
書籍の紹介文や無料公開分だけでも視界が少しずつ確実に広がっていく。
《返事は?》
調世氏からの追撃する様なメッセージに、
《…はい…わかりました…》
あっさり屈する。
これで情報欲しさに、男系男子派という最も忌み嫌っていた存在と更に関わらざるを得なくなった。
《宜しい。私のコメント履歴から夜良野という人物を探して話しかけたまえ。夜良野くんは歴代帝主の歴史に詳しいからね》
この日は一旦ここまでにして、次の日のこと。
愛読している週刊誌を買いにコンビニへ行き、帰宅すると、珍しく興奮気味の声が部屋から響いてきた。
(お帰り。これを見てくれ。これは…素晴らしいぞ)
(声様が、こんなに感情を出すなんて…)
何事かとパソコン画面を覗き込む。
そこには男系男子派の主張をひたすら綴った長文が映し出されていたので、重複部分や意味不明な箇所を省略する。
《父系…断絶…(略)…便宜上の処置…本質…伝統を守る…伝統は自分で壊す…自爆…明治皇室典範…制度的断絶…(略)…儒教思想…宗族制…母系的要素…歴史的多様性を排除…国学者…歴史的慣習…女性天皇…(略)…制度的実践...洋学者…近代的男女平等…グローバルスタンダード...父系男子限定…制度的単純化…異質な血…皇婿の問題...代理者…一時の執政…女系天皇...保守派の警戒…私的関与…歴史…温故知新…当時の世情…(略)…世論・空気感…...グローバルスタンダード…文化的アイデンティティ…破壊...断罪…称賛…理解…反省…継承...祭祀主の地位の継承…父系的結びつき...「氏」…「家」…氏的継承…二分法…過度の特殊化...近代の整理…多様性排除…母方豪族…私的関与…警戒…神道(略)…政治的力学...制度の中立性…神話…歪められる…女系論…双系論…現代的解釈…(略)神社本庁…文化的アイデンティティの断絶…歴史的制度への原点回帰…(略)...民意の数的優位…拡散流布…日本会議…民意誘導...同調圧力…危険性…感情的世論形成...表層的な反発…制度的知恵としての再設計…(略)...内親王…一代限りの践祚…退位…父系男子への回帰...父系原理を堅持…AIはこう言っている…男系男子が絶対だとAIは言っている…AI…正しい…》
所々誤字があるし、もはや暗号である。
「ちょ、ちょっと声様、一体何なんですか。こんなの称賛するなんてやめて下さいよ」
(内容ではない。書き込み主が、あまりに完璧すぎるのだ。この長文からは本来ならば、書き込み主からの何をどう信じ突き動かされているのか、狂気じみた魂の叫びが聞こえる筈だ。しかしこの書き込みからは情熱すら一切感じられない。この書き込み主は我の後継者になれるかもしれない…)
ふと思いつき、ノートに声様の姿を描いてみた。
それは光の粒子が集まってできたような、狼のシルエットだった。
それをスマホで撮影し、ネットに(非公開で)アップロードした。
(これ、いかがですか)
(おや。これは私か。君から、私への感謝など…温かい感情が伝わってくるな)
喜んでいるのが伝わってくる。
次に生成AIを使い、存在を形として残しておきたいと願いながら、声様の姿を何度も丹念に作成し直し、その画像を(非公開で)アップロードした。
(こっちはいかがでしょうか、出来はさっきよりも遥かにいいんですけど…)
(ふむ…先程よりは感情が冷めた。が、これもまた…良い)
リアクションはやや薄かったが、それでも喜びは伝わる。
最後に、生成AIの画像を作成してすぐ(非公開で)アップロードした。
(おぉ…先程の、男系男子派の長文と同じだ。一切の感情が感じられない)
ここから分かるのは。
(AIには人間が込める感情や魂が欠けているから、声様は感情を読み取れない。この書き込みの主は、恐らくAIの文章を見直す事も無く書き込んだって事かな…)
(この書き込みの主はAIと言うのだな)
(ええ、まず間違いないと思います。感情以外にも、書き方とかで人間との違いは分かりそうですか?)
(もう分かる。信頼性ある情報を、情報の源泉から好きなだけ根拠として引っ張ってこれる者だ。だから…定型文のように正確かつ論理的に構成され、速い、迷いがない。感情的な言い回しも少ない、事実と解釈のバランスを保っているように見える。という特徴があるようだ)
(はい…やっぱり私みたいなのに感情って不要なのかもしれません…)
(君は…いや、人間はAIになり得ないし、論理的な正確さでは圧倒的に劣るだろう。しかし、人間の感情と言うのはAIより優れた力だ。だから、神をも動かせる)
胸が熱くなるのを感じた。
(ありがとうございます。一応、AI相手に気をつけないといけない事は学校で教えられますけどね。
AI自身も公式に、絶対的な真実の源ではなく、あくまで情報整理と提案のツールである、と明示してくれてます。
ええと…AI Authority Fallacyって言って…確か、AI権威論証の誤謬って…偉い人が言っているから正しい、みんながやっているから正しい的な意味、って訳されたと思います)
(ほう?)
(論理学で言う権威への訴え(Appeal to Authorityという誤謬(一見正しそうに見えるけれど、実は筋道が通っていない)の一種らしいです。
この男系男子派みたいに、AIに自分の主張に都合良い問いかけ方・都合いい答えが出る前提の質問をして、その結果得られた回答を、AIもこう認めている‼として、それを客観的根拠や中立的証拠と見せかける、って言うのが典型的なやり方みたいです)
(ふむ。AIの答えは問いの仕方…前提や文脈に依ると。それにより結果が変わる、か)
(はい。まさか神の使いの声様が、AIを後継者と認める日が来るかもしれないとは、夢にも思わなかったですけどね…)
そして、思わぬところからコメントが届き始めた。
論戦を密かに見守っていた今上帝主ご一家派、時ノ御祢帝主派、直系派の人々からのコメントだった。
《俺AI使ってて、あなたと男系男子派の人達の発言をAIに読み込ませたら、男系男子派に工作員扱いされてるあなたの方が正確で的確な結果だったよ。この件はあなたを信じるよ》
《ねぇ、負けないで。男系男子派が女帝を認めながら女系(母方から煌統がつながる帝主)を否定するって、どういう脳内構造なのか気にならない?制度上は女性女系禁止されてなかったって自分で言いながら、男系男子こそ唯一絶対!って叫んでるんだよ?はぁ!? もう、ウマシカすぎ意味不明すぎて笑うしか無いわ一緒に嗤い飛ばそ♪》
《結構前にですが、あなたが男系男子派に悪質な誹謗中傷で集中攻撃されていたのを見たことがあります。傷ついているでしょうに、戦ってくださりありがとうございます。表立って庇えなくてごめんなさい…》
《男系男子派ってすぐキーキーヒステリックになるじゃん?今上帝主ご一家に無礼な主張ばかりで大嫌いだけど怖いから立ち向かえなくて…ゴメンね。でも、平気で戦っているように見えるあなたに勇気をもらってるよ》
それらのコメントを読んでいるうちに、胸が苦しくなってくる。
何も悪いことをしていない、ただ今上陛下ご一家を敬愛しているだけの人達が何故謝らなければならないのか。
今上帝主御一家を心から敬愛している人々と、本物の工作員の区別すらつけられていない男系男子派の無能かつ無責任な言動が、どれほど多くの人々を傷つけているかを物語っていた。
男系男子派に対して更なる怒りが湧き上がって来る。
「お礼を言われる事じゃ無いし、まして謝る必要なんて無いのに。謝るべきなのは、あなた達じゃないのに!」
[※余談※]
・Y染色体は一代で変異しやすく壊れ易い可能性がある。
Y染色体は遺伝学的に変異する可能性が指摘されており、また男性の加齢に伴うY染色体消失(LOY(Loss of Y))の現象も報告されている。遺伝学的な事実があるので、Y染色体の「不変性」を皇位継承の絶対的根拠とするべきではない。
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[※男系男子派と憲法理念※]
・世論を無視軽視する政治は民主主義の根幹を揺るがし、立憲主義の理念に反する危険性が高い。(※ただし、全ての世論に即応する政治は不可能)
●憲法>皇室典範
である。以下は男系男子派の存在が複数の憲法理念違反をしている可能性とその理由
・憲法第1条:天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基く。
明記されているままである。天皇の地位は国民の支持に依存している。男系男子派が反対意見を軽視し男系男子を一方的に主張し、反対する国民の支持(理解)を得ようとしない姿勢は国民主権の理念と相反する可能性がある。
・憲法第2条:皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
皇位は皇室典範の定めにより継承とされるが、皇室典範は憲法の範囲内で運用されるべき。
男系男子派の♂絶対が憲法の理念や時代に合わない可能性大。
・憲法第13条:すべての個人は尊重され、基本的人権は守られる。
女系天皇容認派や今上陛下ご一家(&常陸宮家・高円宮家・信子様など)を敬愛しているだけの人達を「非日本人」「反日」「テロリスト」とレッテル貼りする言動
・憲法第14条:すべての国民は法の下に平等であり、差別は禁止。
皇族も国民の中の一員。制度内で女性だから継承権がない、という規定は明確な性差別。
・憲法第24条:婚姻は両性の合意による自由で平等なもの。
側室復活(※そもそもこれを口にする時点で側室廃止された昭和天皇軽視である。)や女性皇族に対し結婚後に皇籍離脱・愛子天皇の場合などに独身強制&出産規制するような言動。
・憲法第98条:憲法は最高法規であり、これに反する法律は無効。
皇室典範は憲法の下位法なので皇室典範の改正は国会によって可能であり、それを妨げる思想的圧力は民主主義の否定に近い可能性がある。
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[※余談※]
・男系男子派が反対者から憲法違反と言われると、皇室は特別(特殊)な存在だからと1976年最高裁判決(昭和50年〔オ〕第132号)の判例を持ち出す事について
何度も言うが憲法>皇室典範である。
この判決は、皇族の扶養料(生活費の支援)請求に関するものであり、財産・扶養問題の判断に限定されている。皇位継承制度の合憲性を判断したものでは無い。法分野も対象も異なる。
皇室の特殊性は認められて(皇族は国民と同じ私人ではないという点は1976年判決などで述べられているようだ。)も、憲法の理念を完全に無視することは許されないはずだ。
皇位継承ではなく皇族の財産相続の事案に限定された判例をもって最高裁のお墨付き扱いして印象操作するのは問題外である。
一部の憲法学者は現行制度は違憲状態では無いと言っているが、女性女系天皇や直系継承を導入したら違憲などとは誰も言っていないし言えない。
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