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55.ミゥの弱点属性、妹じゃなかった

 ジュラシックワールド、樹海エリア。


 木々が生い茂るジャングル。そこにフユユさんと一緒に足を踏み入れてます。

 そびえ立つ樹木はどれも巨木というか、スカイツリーとでも呼んだ方がいいくらい高いです。白亜紀をモチーフにして開発されたとは聞きましたが実際は知りません。


 何よりジュラシックは今の8エリアの中でも後半に攻略すべきくらいの高難度マップ。敵のレベルの高さもそうですがマップも広かった記憶があります。今までのエリアは序盤のフィールドから次に中間地点の街を経由してダンジョンへと行くという造りになっていますが、ここは小さなオープンワールドとも言うべき場所だったはず。


 その辺のネタバレはしませんが、お手並み拝見といきましょうか。


「お姉ちゃん。そんな後ろ歩いてどうしたの? もしかして怖くなった? そうだよね、お姉ちゃんはPSもないよわよわプレイヤーだもんね」


 めちゃくちゃ煽ってきます。


 ジャングルを歩いていると早速敵さん発見。否応でも目に入ります。

 その大きな身体と長い首。有名なブラキオサウルスですね。このゲームでは尻尾も太く長いです。


 特に敵意もなさそうに木の葉っぱを食べています。


「これまた大きな恐竜さんだ。よし捕まえるぞ」


 フユユさんが突撃。そして早速氷魔法『フリーズランス』を使用します。氷の槍が出現して命中。敵のブラキオさんのHPバーが見えますが微粒子レベルに減りました。


「氷が弱点じゃない……?」


 恐竜って氷河期で絶滅したイメージがありますが隕石が落ちてそれによる環境の変化が原因で絶滅したって恐竜博士の同僚が言ってた気がします。よって弱点は惑星魔法。そして惑星魔法を習得するのは最低でもレベル30の『シューティングスター』


 フユユさんのレベルは今で精々10ちょっとくらいでしょう。色々魔法を試してますが全然減ってません。ブラキオさんも攻撃されて怒って足で反撃したり、噛みつこうとしてます。


「お姉ちゃん見てないで戦ってよ!」


 怒られたので戦います。私は適正レベルより高いので惑星魔法も使えます。

 惑星魔法『シューティングスター』

 彗星のような光る星が落下してブラキオさんに命中。HPの2割ほどが削れます。


「わ、私だってそれくらい余裕だし……?」


 必死に頑張ってますが全然減ってませんよ。もう一回使います。

 HPが半分くらいになりましたね。


 それでフユユさんは魔法を使うのをやめて今度はテイムを連打してます。


『テイムに成功しました』


「やったー。計算どーり! HPが高いならテイムすればいいのだー」


 あなたが削ったのは1厘未満ですが?


 ブラキオさんが仲間になってくれたので敵意もなくなります。


「この子に登れたりするのかな」


「どのモンスターにも乗れますよ」


 フユユさんが尻尾から華麗に走って背中まで登りました。私も続こう。

 わ、尻尾動かさないで。あー滑るー。落ちるー。


「お姉ちゃんだっさー。こんなのも登れないんだ?」


 フユユさん、そのキャラ段々楽しくなってるでしょ。


 もう一度登ろうと思ったのですが周囲の茂みがガサゴソと揺れます。

 すると周りから小型の恐竜が多数出現。ヴェロキラプトルというモンスター。

 じりじりと迫っています。数が多い……。


 そして飛びかかってきます。とにかくダッシュで逃げろ。スキル『ハイランナー』発動。うわ、相手も早くて逃げれないー。きついー。


「えー。こんなのも倒せないんだー。お姉ちゃんのザァコ、ザーコ」


 このガキ、許さん。スキル『ハイジャンプ』

 これでブラキオさんの背中に着地。そしてフユユさんの背中を問答無用で押しました。


「えっ、ちょっ、まっ……!」


 アディオース。


 フユユさんは敵さんに囲まれて襲われてます。持ち前の実力で攻撃を避けてますが反撃の魔法は相変わらず全然削れてません。


「みっ、ミゥ、助けて!?」


「ミゥじゃなくてお姉ちゃんです。それと何か言うことは?」


「お姉ちゃん、ごめんなさい! 全部私が悪かったです!」


 言えるじゃないですか。ならご褒美に助けてあげましょう。

 惑星魔法『メテオ』

 巨大な隕石が落下して爆撃。モンスターは全滅。


「さっすがお姉ちゃん。私は信じてたよ」


 とりあえず下ります。


「そのキャラはお終いです。これでは攻略が進みません」


 ただでさえ広いのにこんな雑魚相手に時間がかかりすぎですよ。


「えー。こうして欲しいって言ったのお姉ちゃんだよ」


「お姉ちゃん呼びは所望しましたがそのキャラは求めてません」


「お姉ちゃん……好き……」


 不意打ちやめて……。


 心臓に悪い……。


「顔赤いよ……? お姉ちゃんって妹に興奮するの……?」


 もうやめてください……。


「妹の私といつもの私、どっちが好き……?」


「そんなの……いつものフユユさんに決まってるじゃないですか……」


「ミゥ大好きー!」


 そして抱き付いてくるの。ここ難しいマップなんですよ。分かってるんですか。


 離したいのに、離せない。寧ろ抱きしめたい。抱きしめよう。


 もう無理……。我慢してたのに理性が言う事きかない……。


「ミゥ、いつまでハグしてるの……?」


「フユユさんが悪いんです。罰としてもう少しこのままです」


「うん……」


 攻略に来てるのか、イチャつきに来てるのか最近分からなくなってます……。

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