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38.これでミゥの視線も釘付け、だよね?

 休日。


 今日もフユユさんと一緒に攻略です。次は草原フィールドから分岐する4エリアの最後の1つウォーターエリアです。草原から南へ行くと海岸へと到着します。浜辺の向こうに桟橋さんばしがあってその先端にはブルーホールが待っています。海の上には下向きの矢印も描かれている。そう、次のエリアは海の中です。


「海かー。この手の水中マップは難易度高いんだよね」


 普段とは全てが変わりますからね。


 それでフユユさんが私をジッと見て来ます。


「今日はあれ着ないの?」


 あれだけ言われて着てたらよほど鈍感だと思います。


「女Tシャツかわいかったのになー」


 すごくダサいって言ってたじゃないですか。何なの?


「私はもう準備してあるよ。ウォーターって名前だったからこんな気はしてたし」


 そう言ってフユユさんは何とも可愛らしいフリフリのある白ビキニに……。

 やば、露出多くて直視できぬ……。

 でも可愛い……。しかも大きな麦わら帽子まで……。最高か。


「どう?」


「すごくいいです……」


「本当はミゥにしか見せたくなかったけど……」


 その言い方はちょっとやらしいですね……。


「ねー。ミゥも着替えてよー」


 その恰好で抱き付かないで……。胸が腕に当たってますよ。

 そんな絡みつくように抱き付かれたら……死ぬ……。


「ミゥ、顔真っ赤だよ……?」


 誰のせいですか。


「分かりましたから一旦離れてください……」


 ああ……そんな惜しそうな手の離し方しないでください……。

 私の脳が溶けてしまいます……。


 ともかく着替えよう。


 この前はあれで馬鹿にされたので今回は無地のVネックにします。下はハーフパンツで。かなり無難な感じでしょう。


「えー、水着じゃないの?」


 そんな子供じゃないです。


「私は体を見せるほど安くありません」


「それって……つまり……そういう時じゃないと見せないっていう……?」


 もう誰かこの子の口を塞いでください。


「せめてスカートにして」


「とか言ってまた覗く気でしょう?」


 フユユさんが絶句します。魂胆がバレバレなんですよ。


 そんなわけでブルーホールへと飛び込みました。


 海の中、ですがゲームなので明るく遠くまで見えるようになってます。

 マンタやマンボウ、ジンベェザメ、その他に小魚も沢山泳いでいます。

 それらはエネミーではなくマップオブジェクト扱いなので敵でも何でもありません。そのためテイムも不可能。ただたまに出て来るバタフライドルフィンという白いイルカだけはテイムできます。攻撃もしてこないので初見ではテイムできるとは気付けないでしょうね。


「おー、ふむふむ、なるほどー」


 フユユさんが水の中で旋回したりクルクル回ってます。水中なので地上と同じようなイメージでは動けません。感覚的には無重力な所にいるという感じでしょうか。酸素という概念はないのでHPが減ったりする心配もないので安心です。


「おけー。大体コツ掴んだ。そうだ、昨日ミゥが沢山くれたし今日も使うぞー」


 そう言って課金アイテムを躊躇いもなく使ってます。初見で出し惜しみなく使うのは彼女くらいでしょうね。


 早速泳いでいきます。


 やっぱり間近で大きな魚を見られるというのは中々いいですね。水族館の水槽の中を泳いでる感じです。襲われないので触っても大丈夫です。


 そんな癒しのような空間で何か逆さになって小刻みに動いてるプレイヤーがいます。


「何やってるんですか」


「多分、こう動いた方が早い」


 なにその振動したみたいな動きは。でも本当に早い。普通に泳いでる私より何倍も早く先に進んでる。でもやっぱり動きが気持ち悪い……。ビジュアルがよくなかったら帰ってましたよ。


 そんなこんなで敵さん出現。海の敵と言えばやはりあのお方。シャークさんでございます。


 ヒラヒラと動きながら接近してきます。海の中なのでプレイヤーよりも早く動けるので対処しないといつまでも追ってくるでしょう。


 フユユさんが狙われましたが……。なぜかサメの攻撃を普通に躱してます。やっぱりこの子変態だ……。色んな意味で……。


 因みに海の中なので当然炎系の魔法は使えません。雷系を近くで使うと感電して自分にもダメージを受けます。その為結構制限の多いマップです。


 が、フユユさんは鮫相手に拳で戦ってます……。

 もう何しても驚かない……。


 そしてビクトリー。


「ここにも我が宿敵はいなかったか……」


 血に飢えてる……。


「それにしてもフユユさんは全くテイムしませんね」


 一応ゲーム難易度的にはテイムしたモンスターを連れた前提の所があります。


 実際攻略してる他のプレイヤーは必ず誰かを連れています。

 そしたらなぜか指をさされました。


「私はモンスターではありませんが」


「運営というモンスター」


 目線がプレイヤーすぎる……。

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