運命の合格発表
入学試験から一週間が経った、メラヴァル達は合格発表の日を迎え、再びDHアカデミーに歩みを進めていた。
「あああ……ドキドキするよ…受かってますようにっ!」
パティは必死に手を合わせて願う。
「パティなら大丈夫ですわ、座学も実技もあれだけ頑張ってたじゃないですの」
「でもそんなこと言ったらメラちゃんなんて首席を目指せちゃうよ、私にも勝ったし何より座学とか満点とる勢いだったでしょ」
メラヴァルは実技試験の模擬戦では勝利し、座学の手応えは想像以上だった。
そんなことを考えているとDHアカデミーの正門に着いた、合格発表の掲示板の前には前回と同じくものすごい人だかりが出来ていた。
「うーん見えないよ、ジャンプしても全然ダメだ」
パティは何とか掲示板を見ようと人混みの中から飛び跳ねた。
「こらパティ、あんまりスカートで飛び跳ねないの、はしたないですわよ」
「ご、ごめん…えへへ」
30分程するとようやく人の数が減ってきた。
二人ははやる気持ちを抑えながら掲示板を覗く。
「ええと……あ、私の名前あった!やったぁぁぁ!!」
パティは合格の喜びとともに顔を輝かせた。
「わたくしは………え!?」
メラヴァルは確かに自分の名前を見つけたのだが、問題書いてあった場所だった。
「しゅ…首席……ですわ」
(目立つことは避けたかったのに…やはりちょっと座学で手を抜くべきだったかしら…)
少し後悔の念を抱いたメラヴァルとは裏腹にパティはすごい勢いで抱き着いてきた。
「メラちゃんすごい!すごすぎるよ!首席だよっ!おめでとう…」
「あ、ありがとうございますわパティ……あと少し暑苦しいので離れてくれませんこと!?」
パティはハッとした表情になり、メラヴァルから離れた。
「ご、ごめん苦しかったよね、でもおめでたい事だからつい抱き着いちゃった」
「全くもう……なにはともあれ二人とも合格出来て良かったですわね」
(そう、これでまずは第一目標達成ですわ…次はなんとしてでも伝説のデビルハンターの末裔9人に近づいて…わたくしの権能を全て取り戻す……)
メラヴァルは決意の眼差しと共にDHアカデミーを見つめるのだった。