4. プリンのおいしさに関する評価
バケツプリンもまた,普通のプリンと同じく美味であった.卵を用いて作られたプリンほどの滑らかさはなかったものの.その食感はゼリーに近く,全体的に昔懐かしのプリンと言った印象を受けるものであった.自立させたぶんいくらか固めではあったが,底抜けの甘さと相まって,逆にそれが幼き日の思い出と重なって美味しく感じられたと言える.また,カラメル浸透部はカラメルの風味が強く,味は強い甘さの中にほんの少しのほろ苦さが混じったものであった.鼻にふわっと抜けていく香りはキャラメルプリンを彷彿とさせるものであり,子供向きの味と評価することができるだろう.非カラメル浸透部は白味の強いクリーム色であり,牛乳の味と風味が強く反映されていた.普段は買わないお高めの生乳を使用したためか通常のプリンに比べてかなり濃厚であった.甘さはカラメル浸透部と比較していくらか控えめだが印象に強く残り,高原で食べるソフトクリームのようにとろりとした味わいが特徴的であった.
以上より,今回製作したバケツプリンはカラメルソース付着部,カラメル浸透部,非カラメル浸透部の三つに分けることができ,一度に三つの味を楽しめるという大変お得なものであることがわかった.なお,調理前にカラメルソース単体を舐めてみたところ,味や風味はグラニュー糖で作るそれとはいくらか異なり,黒蜜のそれを彷彿とさせるものであったが,調理後のカラメルソースは一般的なそれとほぼ同様になっていた.
バケツプリンは大変に美味であったが,ずっと食べていると口内が甘ったるくなり飽きが生じて食べられなくなる.そのためポテトチップス等のしょっぱい食物を並行して食べることで,よりおいしく,楽しく,たくさん食べることができることも判明した.