表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破滅の魔導王とゴーレムの蛮妃  作者: 北下路 来名
第5章 ゴーレムの里
54/107

第53話 シドル山脈と猛牛 -前編-


 

「……薬草摘み?」

 俺はもぐもぐと餅を食いながら、テテばあさんに聞き返した。

「そうさ。あんたとゴレタルゥで山の中腹まで行って、摘んできてほしいんだよ」

 今、俺とばあさんは母屋の囲炉裏を囲み、一緒に焼き餅を食っている。

 どうも、今日はばあさんから俺達に依頼があるようだ。


 テテばあさんの住んでいるこの母屋は、俺が借りている離れ家よりもはるかに大きな建物だ。したがって、この囲炉裏がある居間もかなり広い。

 この里の建築は独特だ。囲炉裏があるから和風というわけでもないし、かといって欧風という感じとも違う。ただ、屋内は見ようによっては多少和風に似たようなテイストがあるから、日本人的には落ち着く空間ではある。


 そんな広い居間の奥には、大きな箪笥がいくつもある。

 箪笥の引き出しから、テテばあさんが、紫色のしなびた草を取り出した。

 むしゃむしゃと餅を食う俺に、ばあさんはその草を見せてくる。

「摘んでもらう薬草ってのは、こいつさ」

「へえ。何だか変わった色の草だな」

 なんとなく、赤紫蘇(アカジソ)みたいな色をしている。丸くて小さな形の葉っぱで、色は紫色。元の世界では見たことのない植物だ。

「こいつは、食あたりなんかに効く薬草なのさ。そろそろ村の備蓄の分が減ってきたから、補充しておこうかと思ってね」

「なるほど、そういう事情か。……でも、何でまた俺達がご指名なんだ?」

 俺もゴレも、この辺りの土地や草木には不案内だ。

 山の中で特定の植物を探すような作業に、あまり向いているとは思えない。

「シドルの山は、標高が高くなってくると、万が一にも魔獣と遭遇する可能性があるからね。普通の里人では立ち入れないんだよ。薬草の自生地はやつらの縄張りからは遠いし、ほとんど危険はないんだが……。それでも、もし何かの拍子に鉢合わせたりすれば、確実に殺されちまう。だから、この里でも掟で立ち入りを禁じているのさ」

 そうか、言われて思い出した。たしかシドル山脈の山頂付近には、何やらヤバい魔獣が生息しているという話だった。

 俺と表土索敵(レーダー)持ちのゴレなら、万が一魔獣に接近されても事前に察知できる。おつかいをさせても大丈夫だろうと踏んだわけか。

「ネマキはへっぽこだから少し心配だが、その分ゴレタルゥがしっかりしているからね。まぁ、間違いは起きないだろう」

 くっ、言うに事欠いてこのババア……!

 しかし、それは確かに事実だな。うん、まったく何も言い返せんぞ。

「でも先生、ネマキ兄ちゃんたちはこの辺りの山わかんないだろ? オレがアルパスと一緒についていこうか?」

 隣に座っていたアセトゥが、道案内を買って出てくれた。

 この子はババアと違って、本当にいい子である。

「アセトゥ、あんたは今日の午後からアルパスと当直だろう?」

「あっ、そうだった!」

 なるほど、アセトゥは里の番兵のお仕事がある様子だ。

 だとすると、山にはついてこられないだろうな。残念だ。


 さて。なぜアセトゥ少年が、こうしてテテばあさんの屋敷で、俺達と一緒に餅を食べながらおしゃべりをしているのか。

 ……実はこの子、テテばあさんの弟子だったのである。

 驚きの新事実ではあるのだが、言われてみれば、アセトゥは何やらばあさんについて、妙によく知っている様子だった。たしかに弟子なら知っていて当然だ。

 ちなみに、テテばあさんの弟子は、今はアセトゥ一人だけみたいだ。

 そのアセトゥも住み込みの弟子ではない。また、彼は相棒の一本角が番兵をやっている2日間は、ばあさんの家には来ない。一本角が門に立っているあいだは、万一の事態に備え、里の入り口付近の自宅に待機しているそうだ。どうりで、初日と2日目に屋敷で俺と出会わなかったわけだ。

 アセトゥは当直の日以外、こうやって午前中から夕方まで、ばあさんの家にやって来ている。ばあさんはこの広い屋敷の母屋に一人暮らしで、昼間はだいたい俺達やアセトゥがいる、という感じだ。


「……それにしても、最初に会ったときには、アセトゥがまさかテテばあさんの弟子だなんて、思いもしなかったよ」

「オレ、5歳のときに先生に弟子入りして、ずっと修行してるんだよ」

「へえ。そんな小さなころから、ばあさんと二人っきりで……」

 俺には絶対に耐えられない環境だ。

 ばあさんとマンツーマンで修行だなんて、俺なら6歳の誕生日を迎える前に死んでしまうだろう。もちろん、死因は杖による殴打である。

 アセトゥはとんでもなく強い子だな……。

「ああ、そういえばお前、俺がばあさんに弟子入りしたらうれしいなんて言っていたっけ……。あれはつまり、兄弟弟子が欲しかったのか」

「うん! 兄ちゃんとだったら、勉強や修行も楽しいと思って」

「ははは、可愛いやつめ」

「えへへ……」

 右隣に座るアセトゥのほっぺたをつついていると、左隣に座っていたゴレが、ものすごく控えめなのだが、そっと身体をひっつけてきた。

 触れているゴレの身体が、何故かぷるぷると震えている。


 ……そういえばゴレのやつ、妙にアセトゥ少年を警戒し始めているのだ。

 最初は彼にまったく興味がない感じだったのだが、ある頃を境に、ものすごく警戒するような動きを見せるようになった。


 まるで何か、とんでもない真実に、気付いてしまったかのようだった。


 アセトゥがいる時は、ゴレは絶対に俺のそばを離れない。

 ばあさんに用事で呼ばれても、台所に行ったりはしない。断固として行かない。絶対にだ。いつも、ばあさんの言うことは素直に聞いているのに。まるで床に根が生えてしまったかのようだ。死んでも俺の隣を動かんという感じだ。

 それに、俺がアセトゥと談笑していると、さっきのようにひっついてきたり、服の袖を小さく握ったりしてくる。

 最近ではとうとう、まるで何かを我慢しきれなくなったかのように、俺とアセトゥの間に必死に割り込んできたりするようになった。自己主張が控えめを通り越して下手くそすぎるゴレにしては、極めて珍しい行動だ。


 まぁ、邪魔なので引きはがして、そのままアセトゥと話を続けているが。


 だって、アセトゥは友達だ。俺に危害を加えたりはしないと思う。

 それに、犬って意味もなく結構こういう事をするんだよな……。

 実家で飼っていた犬も、俺がお客さんと話したり他所の犬と遊んでいると、意味もなく間に割り込んで来たりしていた。「おい、俺がいるだろう! 構えよ!」とでも言いたげな様子である。お前、さっき俺が構ってやろうとした時には、面倒臭そうに寝たふりをしとっただろうが!

 そんなとき、もちろん俺は犬を無視するか、抱っこしてそのまま客人と会話を続けていた。ゴレのときと完全に同じ対応である。

 

 そういえば、アセトゥとこうして親しく付き合ってみて気づいたのだが、この子は、とてもメンタルが強い子のようだ。幼少期からばあさんのしごきに耐えている事などは、まさにその最たるものだろう。

 俺にとって、この世界でメンタルの強い人物といえば、思い浮かぶのはやはり、ハゲの愛娘であるテルゥちゃんだ。あの子の場合は、ある種鈍感とすら言えるレベルの、ひたすら強靭な防御力を持つ鋼鉄の精神という感じだった。肌がひりつくような凄まじい殺気に晒されようが、目の前で魔道具が爆発しようが、激しい戦闘に巻き込まれようが、幼女先輩にはまるで効かなかった。

 だが、アセトゥの場合は、そういうのとはまた少し様子が違う。

 この少年からは、不当な圧力には決して屈しないという、確かな意思を感じる。繊細でありながらも、しかし、圧力を跳ね返して目的を達成できる、ひたむきでまっすぐな心を持っているのだ。

 そう、アセトゥはどんな強敵にぶつかっても、絶対にあきらめたりしない。

 もしもアセトゥが、たった一人で魔王の邪悪な眷属と戦うような状況になったとしても、恐怖を克服し、きっと勇敢に立ち向かうのではないだろうか。

 その細い身体を支えるのは、ひたむきな勇気。そして、胸に秘めた熱情。

 非情に将来有望な少年である。

 テテばあさんが気に入って弟子にした理由が、何となく俺にも分かった。



「それにしても、薬草の採取か……」

 俺はつい先日、食べられる野草採取の失敗で死にかけているのだが……。そのトラウマが癒えていないところに植物の採取を命令してくるとは、相変わらずのド鬼畜なババアである。

「なぁ、ばあさん。俺、野草を摘むのはまだちょっと怖いし、あんたが相棒のデバスと行けばいいんじゃないか? 留守番は俺が……うぐうっ!?」

 ババアの突きが、俺のみぞおちに炸裂した。

「なに偉そうなこと言ってんだい! まったく、居候のひよっ子の分際で!」

「ぐっ……! それを持ち出してくるのは卑怯だぞ!」

 くっそお、ババアの居候のヒモ状態である事を指摘されてしまうと、俺には何も言い返せないではないか!

「あはは。ネマキ兄ちゃんと先生は本当に仲が良いなぁ」

 アセトゥよ、お前は眼科に行った方がいいのではないか?

 俺はまたアセトゥのことが、少し心配になった。



------



 シドル山脈は、雄大な緑の山脈だ。

 美しい森の様々な植物達が、山々を覆っている。

 この山は、標高自体はそこまで高くない。傾斜もわりとなだらかだ。

 少なくとも、標高数千メートルの急峻な大山脈などではない。とはいえ、俺は地形や山についてはあまり詳しい人間ではないので、残念ながら正確な高さまではちょっと分からないのだが……。

 多分、1000メートルあるかないかって感じじゃないかなぁ。

 高さ的には六甲山くらいか? まぁ、このシドル山脈は長さが相当あるみたいだし、規模的におそらく別物だとは思うが。


 獣道などを伝いながら、中腹までは非常にスムーズにやって来られた。

 山頂付近になると多少勾配が急になるらしいのだが、このあたりまでは険しい山道ではない。

 それに、登山ルートや山頂の危険な魔獣の生態などについては、あらかじめ、すべてゴレがテテばあさんからレクチャーを受けている。今朝、ゴレはテテばあさんと一緒に弁当を作りながら、何やら熱心に話を聞いていた。

 ゴレはとても優秀なナビ子さんだ。俺がルートを逸れそうになると、彼女が服をそっと引っぱって教えてくれる。なので、俺は細かい事をまったく気にする必要が無い。

 完全にお気楽なトレッキング気分だ。

 

 そうして到着した薬草の自生地は、日当たりのよい、非常に視界の開けた岩肌の斜面だった。

 ずっと先まで灰色の岩肌と地面が続いている。

 ここから例の薬草を見つけるわけか。


「お、これかな?」

 俺はさっそく、岩の間に生えている一本の草を引き抜いた。

 小さな丸い葉っぱをした、不思議な草だ。

 おそらくお目当ての薬草だろう。テテばあさんが見せてくれたサンプルと、葉の形がそっくりだ。

 ただ、色があれよりも随分と赤っぽいような気もするが……。

 ばあさん家の居間で見た草は、うっすらと紫色をしていた。でも、この草は鮮やかな血みたいに赤い。

 まぁ、赤と紫は色素的には似ている。それにあのサンプル品は乾燥していたみたいで、しなびていたしな。色もあせてしまっていたのかもしれない。

 多少の色の違いくらいは、微弱な誤差の範囲内だ。


 俺は手に持った赤い草を、しげしげと見つめた。

 異世界不思議薬草か。実に興味深い。

「そういえば、ばあさんの話によると、この薬草って普通に生でも食えるらしいんだよな……」

 通常この薬草は、乾燥させて成分を濃縮し、粉薬にするらしい。一方で、生のまま用いることもあり、その場合には病人の食事に混ぜて、消化吸収を助けたりする。

 何でも数日前、里の子供が病気の母親にこれを食べさせようと、薬草を探して無断で山の中腹まで一人で入っていたことが発覚し、大騒ぎになったそうだ。頭の悪いクソガキを杖でぶっ叩いてやったと、テテばあさんは息まいていた。

 ばあさんが薬草の補充を思い立った原因は、どうやらこの出来事のようだ。

 まぁ、どうせあのツンデレクソババアのことだ。杖でぶっ叩きながらも、親孝行な子供のために、何だかんだいって新鮮な薬草をわけてやるつもりなのだろう。そういうことならば、俺も協力してやらんこともない。


 ともあれ、食あたりに効いたり、弱った消化機能を助けたりという薬効からして、要するにこの草は胃腸薬なのだ。

 葉っぱを一枚かじってみる程度なら、特に問題はないと思われる。

「よし、ちょっと味見をしてみるか」

 知的好奇心に駆られた俺は、その赤い野草を口に入れようとした。

 そのとき、視界の中の鮮血のように毒々しい赤色の草が、雪のように美しい白色の何かによって遮られた。

 ゴレだ。隣に寄り添っていたゴレが、押しとどめるように、野草に手を覆い被せてきたのだ。

「? どうしたんだ、ゴレ」

 訝しむ俺の手から、ゴレがそっと、優しく、優しく、野草を取り上げた。

 まるで、なんでも口に入れようとする赤ちゃんから、物を取り上げるお母さんのような手つきである。


 しかし、ゴレは突然、取り上げた赤い野草を思いっきり地面に叩きつけ、ぐしゃぐしゃと足で踏みつけはじめた。

 執拗に、何度も、何度も、踏みつけている。

 えらい怒気がこもっているな……。

 最後は足で土をかけて、ズタボロになった草を埋めてしまった。まるで、視界に残しておくことすら不快といった様子だ。


 うーむ。

 ゴレがこんな行動を取るということは……。


「……ひょっとして、今の赤い野草って、何か種類が違う草だったのか?」


 実はゴレは、今やかなり高レベルの植物鑑定スキルを身につけている。

 理由は、例の『食べられる野草』だ。

 俺は毎日寝る前に読書をする。今読み込んでいるのは『ゴーレム図鑑』だ。実は俺がサバイバル野草料理で死にかけて以降、ゴレはこの読書タイムに、俺の隣で一緒に『食べられる野草』を読むようになった。

 というか、こいつ、ゴーレムなのに文字が読めるのだ。

 ゴレのやつは毎晩、それはもう、めちゃくちゃ真剣に『食べられる野草』を読んでいる。まさに食い入るように、何度も何度も繰り返し読んでいる。もう、死んでも絶対に全て完全に暗記するとでもいわんばかりだ。多分こいつ、俺が寝た後も読んでいる。

 相棒よ、一体何がお前をそこまで駆り立てているのだ……。

 何となくなのだが、ゴレはもう、彼女の監視下以外では、俺に野草の採取をさせてくれないような気がする。



------



 その後も、俺達はふたり仲良く薬草摘みに精を出した。

 すでに籠の半分くらいにまで、薄紫色の薬草が集まっただろうか。

 この籠を薬草でいっぱいにするのが、本日のノルマだ。きちんとこの籠をいっぱいにして帰らないと、俺がさぼったと判断され、ババアの杖が発動する。

 ともあれ、ゴレのおかげで予想以上に作業速度がはやい。さすが『食べられる野草』をインストールしているだけのことはある。このペースならば、もうあと30分もすれば十分な量が集まるだろう。

 ちなみに、赤い草はあれ以来1本も見つかっていない。


 俺は顔を上げ、周囲のシドルの山々を見渡した。

 薬草が生えているこの斜面は、非常に開けた場所だ。一帯に岩肌が露出しているから、この辺りには背の高い木などが生えていない。

 ここからは周辺の山の風景を一望できる。


 アラヴィ藩というのは、非常に温暖な気候をしているようだ。

 シドルの山にも、穏やかな風が吹き抜け、とても気持ちがいい。

 言うなれば、とても素晴らしいピクニック日和だ。

 それに元の世界なら、こんな自然には、なかなかお目にかかれない。

 薬草摘みを命令された当初は気乗りしなかったが、こんなにも美しくて雄大な自然風景を楽しめるのならば、まったく悪くない体験と思えた。

 そうだ、そろそろ弁当にするか。

 今朝、ゴレとばあさんが作ってくれた物だ。中身は何だろう、楽しみだなぁ。


「ゴレ、ちょっと早いけど、休憩にして弁当を食べようか……」

 話しかけながらゴレの方を振り返ったとき、何だか違和感をおぼえた。

 すぐに原因が分かった。


 ゴレが立ち位置を移動している。


 先ほどまで俺の左隣あたりで一緒に草を摘んでいたのが、今は右隣に入れ替わっていた。

 このような唐突なポジション変更は、知らない物が近づいてきたとき特有の反応だ。何か見慣れない動物でも寄って来たのか。


 一瞬頭をよぎったのは、シドル山脈の山頂に棲むという、例の“ヤバい魔獣”のことだ。

 だが、魔獣は薬草の自生地付近には、滅多に降りてこないという話だった。

 それに、うちの優秀なナビ子さんは、テテばあさんから魔獣の生態や危険性について、きちんと事前レクチャーを受けている。万が一近づいてきたのが魔獣なら、察知した段階で退避行動に移るだろう。大量のゴーレム使いを抱える里ですら戦闘を避けるような魔獣を、まさか無謀にも迎え撃とうなどと、そんな血迷った愚かなことを、うちの賢く控えめなナビ子さんが考えるはずもない。

 とすると、魔獣が近くにいるという線はない。

 なるほど。相手は一般の野生動物か。熊や猪でもいるのだろうか……。


「近くに何かいるのか?」

 今、ゴレは俺の右隣にいる。ってことは、その接近してきた何かは、右方向にいるということだ。相棒は俺を守るために、常に矢面に立つからだ。

 俺の右側というと北、つまり山頂の方角にあたるわけだが……。


 このとき、俺はあることに気付いた。

 何か、大きな音が聞こえてくる。

 ずしん、ずしんと、硬い岩の地面を踏みしめる、何かの重い足音が近づいてくるのだ。

 音のする方向は、まさに俺の右手。山頂の方角だ。


「何だ……?」

 俺は、慌てて右の斜面を見上げた。

 そして、目を見開いた。

 視線の先。少し離れた岩肌の上に、四本足の巨大な影が立っていた。



 それは、一頭の馬鹿でかい牛だった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ