第48話 旅立ちと黄金色の瞳
「ネマキよ、本当に行ってしまうのか? もう少し、この街でのんびりしてからでもいいと思うんだが……」
「うるせえよハゲ! お前がそうやって俺をすぐ甘やかすせいで、即出発する予定が、2週間もこの街に滞在するハメになっちまったんだろうが!」
ティバラの街の西門のそばで、旅支度の俺は、ハゲに一喝していた。
これ以上この街でだらだらと過ごしていると、既成事実的にこの街に定住するはめになってしまいかねない。
――そう。ジビルの街での交渉劇から、すでに2週間が経過していた。
まぁ、ここって住み心地は良いし、定住するという案自体は別にそう悪くもないのだが、今はそういうわけにはいかんのだ。
俺の当面の行動方針として、「色々調べるために図書館へ行く」という重大な第一目標があるが、なにしろ、この近辺には図書館など存在しない。
そもそも、ティバラの街があるこの地方。正式には“サディ藩”って言うんだが、わりと田舎みたいなんだよな。ある程度の体裁が整っている図書館に行きたいなら、街道をさらに西へと進んで、大きな都市まで出向く必要があるのだ。
この国最大の図書館は、街道のはるか西の先の帝都にあるらしい。ただ、流石にそこまで行くのはしんどそうな感じがするので、保留にしている。
今最も差し迫って調べる必要性が高いのは、やはり、“破滅の魔導王”に関する情報ということになるだろう。
こいつは、様々な意味で俺の身の安全に関わってくる重要な情報だ。また、教会の教えの上での禁忌にあたるせいで、うかつな聞き取り調査が不可能という事情もある。デアシィおばあちゃんの本屋にも、それっぽい書籍は何もなかった。でも、流石に図書館になら、何かしら載っている本があるのではないだろうか。べつに魔術の専門書などでなければ、俺にも自力で読める可能性が高いし。
いずれにせよ、破滅の魔導王については、早めに調べておくべき必須事項といえる。
そこで判明する内容次第で、俺の今後の身の振り方は変わってくる。さらにどこかへ移動する必要性が出てくるかもしれないし、どこかに活動の拠点を構えることになるかもしれない。でも、全ては、まず情報を得てからなんだ。
にもかかわらず、ハゲは引き止めるわ、テルゥちゃんは泣くわで……。
全然出発できなかった。
一体何なんだ、この親子は!?
しかも、この2週間で、俺がこの世界の常識を学習し成長したかと言うと、全然そんなことはない。俺がやっていた事といえば、ハゲショップで店番をしながら、5歳児と遊んでいたくらいだ。
他にやっていたことといえば、うーん、そうだなぁ……。
あ、そうだ。ギネム・バリが数日で怪我からほぼ復帰して、道化ゴーレムたちも修復が終わっている。だから、彼らのリハビリも兼ねて、ゴレVSピエロ軍団のゴーレム格ゲーで、何度か手合わせをして遊んでやった。ちなみに、負けた方が飯をおごる。現在ゴレが全勝中だから、ギネムは俺に昼飯おごりっぱなしだが。
というか俺、いつのまにかギネムと普通に友達みたいな感じになってしまっているんだが、一体何故だ??
まぁ、いいか……。
要はティバラへの滞在中、ずっと幼女と遊ぶか、友達とゲームをして遊ぶだけの生活を送っていたということだ。
完全に堕落しきっている。小学生の夏休み状態だ。
俺はこの2週間、まるで成長していない。
ぶっちゃけ俺がこの2週間でマスターしたのは、ゴレの瞳がぎりぎりピンク色に濁る直前のタイミングで、ふきふきを寸止めする技術くらいのものだ。
そうなのだ。実はゴレは、子機を外したときや、俺の下着の匂いをかいだとき以外にも、瞳がピンク色に濁って故障する。
特に内ももや胸や耳、腋やへそ周りなどのいくつかのポイントは、拭きすぎるとあっという間に瞳がピンクに染まるのだ。最初のころは加減が分からず、やり過ぎてすぐピンクにしてしまい、本当に大変だった。
というか、最近ピンクに濁るポイントが、何故か少しずつ増えているような気がする。特におへそ周りは、俺が初日の夜に酷くいじくりまわしたり指を突っ込んだりしたせいで、ゴレにとって完全に弱点になってしまったみたいだ。本当に申し訳ないことをしてしまった……。
寸止めするとゴレはすごく切なげで、潤んだ瞳で物欲しそうにぎゅっとしがみついてくる。だが、当然これはゴレを故障させないために、絶対に必要な措置なのだ。すまん、分かってくれ……。
そんなこんなで西へと旅立つ俺達は、今、ティバラの街の入り口で、ハゲ親子の見送りを受けているというわけだ。
テルゥちゃんは先ほどから猛烈に泣きじゃくっている。
この5歳児、本来は驚くほど強靭なメンタルの持ち主だ。にもかかわらず、いつも俺が出発の話をするだけでぼろぼろ泣いていた。そして、旅立ちを直前に控えた現在、もはやその泣きっぷりはすごいことになっている。
彼女は泣きながら、それでも力いっぱい俺に何かを伝えようとしている。
「でる゛ぅも゛! ねまぎおにちゃんの゛! ごれだるおねぢゃんびばいぢっ! を゛じゅめ゛じゃぢでっ!!!」
もはや俺の異世界謎翻訳能力を、完全にキャパオーバーしている。
もっと頑張れよ俺の謎翻訳能力……。俺、別にリュベウ・ザイレーンの遺言書とか読めなくてもよかったから、テルゥちゃんが何を伝えたいのか、きちんと聞いてあげたい気持ちでいっぱいなのだが……。
「でばぎおにぢゃん゛ん゛おっ! けほっ! けぽっ!」
テルゥちゃんが力いっぱい泣きすぎて、えずきはじめた。
俺は彼女の小さな背中をさすってあげた。
隣に立つゴレも、俺と一緒にテルゥちゃんをなでている。
その手つきを見て、俺は思わず目を見開いた。
ゴレが幼子をなでるその愛しげな手のひらの動きは、いつも彼女が俺をなでるときの手つきと、まったく同じものだったからだ。
普段、テルゥちゃんを乱暴にガシガシとなでているときとは、全然違う。
やはりゴレのやつ、テルゥちゃんに本気で情が移っていたんだな……。
そんな気はしていたのだ。
ゴレが殺気を振りまこうが乱雑に扱おうが、全然物怖じもせずになついてくれる、この小さな女の子。最近のゴレはこの子に対して、髪を梳いてあげたり、寝かしつけてあげたり、時々本当のお姉ちゃんみたいな素振りを見せることがあった。
俺は、こちらがゴレの本当の素の性格だと思うんだけどなぁ。
「ネマキ……」
見るとハゲもテルゥちゃんみたいに瞳をうるうるさせている。
おい、やめろ。
全く需要はないぞ、そういう見苦しい反応は。
「……いいな、ネマキ。調べ物が終わったら、いつでも帰って来ていいんだぞ」
…………。
ふん、まぁ考えておいてもいい。俺は寛大だからな。
最低でも、盆と正月くらいは帰ってくる事を検討しよう。
こいつの店については、もう、そう心配する必要はないと思う。
店の商品も、徐々にではあるが入荷しはじめている。
また、売却先が未定とはいえ、現在ハゲの手元には、猿の魔導核が1つ残っている。ゴレが壊した壁の修理費用という名目で、俺が渡していた例の余分の1つだ。どんどん利息が膨れ上がる悪質な借金はもう存在しないのだから、この魔導核については、焦らずじっくりと、良い売り先を探すべきだろう。
また、驚くべきことに、ハゲは俺との間に、猿の魔導核に関する契約書を作成した。ハゲの癖にである。投資契約書を作ったんだか、消費貸借契約書を作ったんだかは知らんが。
小汚いハゲのよごれた金などいらんと言ったが、まったく譲らない。すでに分かっている事だが、こいつはしつこいハゲなのだ。このしつこさで美人な上に気立ての良い奥さんを口説き落としたという、神レベルのしつこさだ。もはやある種のチートスキルだ。おそらく、俺が何を言っても堂々巡りになる。だから、一応契約書は受け取っておいた。
でも、なぜだか今夜は、不思議と夕食の薪が不足しそうな予感がする。
契約書は値段相応に、さぞ良い燃料になってくれることだろう。
ハゲショップ周辺の安全についても、一応手は打ってある。
「……というわけで、後のことは頼んだぞ。ギネム」
俺はハゲ父娘の隣に立っている、紫色のローブを着た青髪の優男の方を振り向いた。
「ああ、わかってるさ。親父さんの店のことは、おいらがきちんと見ておく」
そうなのだ。実はなんと、ギネム・バリが、ハゲショップの安全を気にかけてくれることになった。
こいつは今回の敗北で色々思うところがあったようで、反省して一から真面目にゴーレムの修行をし直すと言っている。
うんうん、これからは心を入れ替えて、初心者狩りはやめるんだぞ。
「……というかさ、ギネム。お前、また金で裏切ったりするなよ?」
「ネマキにはでかい借りがあるからね。助けられた命だ。不義理はしないよ」
凛々しい表情で答えるギネム・バリ。
だが、その表情がへにゃっと情けなく崩れた。
「それに、おいらがゴレタルゥ姐さんを裏切れるわけないよ。今度こそ、確実に殺されちまう……」
「えー……? ゴレにびびってるだけかよ。お前今ちょっとカッコいい感じのこと言ってたのに、一瞬で完全に台無しじゃねえか……」
そうそう。ギネムのやつ、最近はゴレのことを“ゴレタルゥ姐さん”とか呼びはじめているのだ。
俺とはお互いに呼び捨てのタメ口なのに、ゴレには敬語だ……。
こいつも良くわからん男なのだ。最初は俺に対して怯えまくっていたのだが、徐々に心を開いてフレンドリーになった。だが、それとは反比例するように、ゴレのことを急激に畏怖しはじめたのだ。
まるで、何か恐ろしい真実に、気付いてしまったかのようだった。
ともあれ、ギネムはけしからんことに、先日のペイズリー商会の依頼でもらっていた前金だけで、当分働かなくてもいいような状態らしい。適当に用心棒稼業などをしながら、しばらくはこの辺りに腰を落ち着けるそうだ。
ハゲショップを見ておいてもらうには、ちょうど良い人材といえる。
「まぁ、そう心配しなくても、ここら一帯でおいらにかなう奴なんていやしない。仮に用心棒として名前を出しておくだけでも、妙な連中は店に寄りつかないだろうね」
「えー、本当かよ?? お前そのわりには、俺達に全敗中じゃないか?」
あれからリハビリや修行ということで、ギネムとは何度かゴレVSピエロチームの練習試合をしているわけだが、もはや動きに目が完全に慣れているゴレの方が、ピエロたちよりはるかに強い。だいたい1分くらいで、ゴレが4体すべてのピエロの首を手刀で跳ね飛ばして、試合は終わる。
「それはネマキたちの強さが色々とおかしいんだよッ!!!」
「えー? お前がザコなだけなんじゃないの?」
「~~~~ッッ! 次回の勝負では、絶対に負けないからなっ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ俺とギネム・バリの様子に、ハゲは苦笑気味である。
ま、ぶっちゃけ、こうしてギネムにハゲショップ周辺のことをお願いしたのは、あくまで保険みたいなものなんだ。
ペイズリー商会がちょっかいをかけてくる事については、もう心配しなくていいのではないかと思う。
……実はあの店、あれからほどなくして、火事になって潰れてしまったみたいなのだ。
ハゲの聞きつけてきた噂話では、どうもあの支店は、火事になる直前に、狂暴な大魔術師の怒りを買ってしまっていたらしい。火災で跡形もなく消滅してしまったのも、その大魔術師の仕業なのではないかと巷では囁かれているそうだ。
火事で燃えたということは、その大魔術師はきっと火属性使いだろう。本当に火属性というのは、ろくでもないな。用途が暗殺や放火ばかりではないか。
とはいえ、あの商会のように、他人の恨みを買うようなことばかりしていたら、最後は当然こうなってしまうよな……。俺も気をつけようと思う。
まぁ、いずれにしても、そんな大変な事になっているのなら、もはやハゲに構うどころではなくなっているはずだ。
そもそもだ。あの店には、ちゃんと悪事をしないように納得させてあるのだ。
文化人としてレベルアップを果たした、俺の見事な交渉術でな。
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俺はハゲ達に別れを告げ、歩き出した。
冴えない禿げ頭の中年男性と、色白のあどけない小さな女の子。
まったく似ていない親子は、そっくりな動きでいつまでも手を振っていた。
西門をくぐって街の外に出た。
少し歩いてから、なんとなく、ティバラの街並みを振り返った。
木造建築の立ち並ぶ、薄い土壁に囲まれた平和な街だ。
元々、適当に物資を補給してさっさと他所へ行くつもり程度にしか認識していなかった街なのに、えらく長居してしまった。
ちなみに、この『ティバラ』という街の名を冠された恐るべき残虐魔術師の噂の影は、今後も俺に付きまとい続けることになる訳だが……。
そんなことは、今の俺には知るよしもない。
西門の脇には、槍を持った門番のおっさんがのんびりと立っている。
俺が門の方を振り返ったので、おっさんが会釈をしてきた。
俺も丁寧に会釈を返した。
どうやらこの2週間で、完全に顔を覚えられてしまったようだ。
というかだ、おっさんよ。礼儀正しく会釈をしてくれるのは良いのだが、いつも会釈をしながら、ゴレの尻をちらちら見るのはやめてくれないか。相棒がかなりピリピリしている。
まぁ、このおっさんに限った話ではないんだが……。
皆、ゴレの乳や尻をちらちら見過ぎなんだよな。あれ完全にバレてるぞ。ゴレすっごいイライラしてるもん。毎度ゴレが爆発しそうになるたびに、手を握ってやったりして怒りを鎮めないといけない俺の気苦労も考えてくれ……。
仕方がない。ゴレがおっさんに噛みつかないうちに、さっさと出発するか。
俺は再び前を向いて歩き出した。
数歩進んだところで、ふいに、周囲から風の音が消えた。
俺は違和感に一瞬立ち止まったが、すぐに理由に思い至った。
ああ、なるほど。
先ほどまでずっと顔をなでていた西風が、急に凪いだせいだ。
この地方は西風が吹きっぱなしなのだが、こうして時々、風が止むタイミングがあるのだ。
「あんた、もう行くのかね?」
そんな西風の隙間を縫うように、誰かに声をかけられた。
気付くと、見たことのある老婆が一人、すぐそばに立っている。
……おや? あなたは、飴玉のお婆さんではないか。
いつぞや俺に飴玉をくれたお婆さんだ。
この方は、俺がこの街でナンパに成功した唯一の女の子でもある。
思えば、あのとき街で最初に話しかけたこのお婆さんが、魔道具屋の存在を教えてくれなかったら、俺はハゲ父娘と出会うことすらなかった。
ハゲが娘さんの薬代でひどい借金を背負わされた事を教えてくれたのも、このお婆さんだ。もしそんな事情を知らなければ、俺はそれ以上ハゲと関わろうとは思わなかったかもしれない。
そう考えてみると、運命のいたずらと言うべきか、何と言うべきか。
他人の何気ない一言で、物事は一体どう転ぶかわからないものだ。
「はい。その節はお世話になりました。名残惜しくはあるのですが、留まっているわけにもいきません。大切な用事があるので」
丁寧に年長者への挨拶をする。
俺は基本的に、年長者への礼節はわきまえる男だ。ハゲは例外である。
にしても、このお婆さんは、毎回出現が唐突だな。
いつも俺が気付いたときには、すでに近くにいるような気がする。
過保護なゴレのやつも、さすがに安全なお婆さんはノーチェックか。
そんな風に思いつつ、何気なく相棒の方を振り返ろうとしたとき――
突然、お婆さんが枯れ木のように細い手で、俺の両肩をつかんだ。
そして、自身のそばへ、ぐっと引き寄せた。
顔と顔がひっつきそうだ。
まずいです。この距離では唇が触れてしまいそうです、年上のご婦人よ。
私達はまだ出会ったばかりですし、さすがにそれは早いのではないかと……。
彼女の髪から、ふわっと不思議な薬草のような匂いがした。
不快な香りではない。優しい良い匂いだ。
それにしてもこのご婦人、よくよく見れば、非常に整ったお顔をしていらっしゃる。お若い頃は、さぞかしおモテになったことだろう。
飴玉のお婆さんは、じっと俺を見据えてきた。
間近で見る彼女の黄金色の瞳は、予想以上に力強い光を湛えていた。
俺に向けられる暖かな力強いその光は、しかし、何故だろう……。どうしようもないほどに、悲しげに見えた。
「あんた、これから大変な事があると思うけど……。いいね、絶対に途中であきらめてはいけないよ」
む、これは年長者による人生の教訓というやつだろうか。
若輩者として肝に銘じておくぞ、お婆さん。
だが、そんな俺に向けて彼女の口から続いた言葉は、非常に不可解なものだった。
「……――あんたは一番優しい王様なんだから……。優しいあんたが、一番最初に死んでしまうなんて。そんなこと、本当は絶対にあっちゃあいけないんだから。最初から決まっている運命なんてものは、絶対にないのだからね」
な、何だ……?
まさかの哲学か?
待ってくれお婆さん。俺は哲学方面については、あまり出来の良い生徒ではないのだが。
お婆さんは、当惑する俺の頭をしわくちゃの手でなでてから、何事もなかったかのように去っていった。
別れ際に、袋にどっさり入った飴玉をくれた。優しい。
西風が、再び耳元を吹き抜けていく。
俺は飴玉の入った袋を抱えたまま、街道に突っ立っていた。
……しかし、何だな。
結局のところ、俺がこのティバラの街で攻略できた女の子は、あのお婆さんとテルゥちゃんだけだったような気がするな。
本屋のデアシィおばあちゃんとかも、あと一歩で落とせそうな感じだったけど。
だが、何というか、もうちょっと、こう……。せめて、その中間ぐらいの年齢でいいんだが。
一体どうすれは、俺に同年代に近い女性との恋愛フラグが立つんだ?
まさか、俺の出会いを阻害している要因が、何かあるとでもいうのか?
そんなことを考えながら、先ほどもらった飴玉を袋から取り出そうとした。
手がすべって、1個ぽろっと落っことしそうになった。
すっと隣から差し伸べられた白い手のひらが、自然に飴玉を受け止める。
そして、そのまま指でそっと、優しく、優しく、飴玉を俺の口の中へと入れてくれた。
「……ありがとう、ゴレ」
その白く美しい指の持ち主は、穏やかな深紅の瞳で、じっと見つめ返してくる。
俺が笑顔でお礼を言った瞬間、長い耳が微かに動いた。
なぁ相棒、お前はどう思う? 俺は自分でも気づかないうちに、同年代の女の子達とのフラグを、へし折ってしまっているのだろうか……。
口に含んだ飴玉からは、優しい甘味と。
ほんのかすかに、不思議な木の実みたいな味がした。
各話のサブタイトルの付け方には、とある共通したルールが存在します。