表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/100

[第66話] イラッ!

 学校へ通じる細道と新幹線がクロスする高架こうか下である。自転車で走る中学1年の穴道あなみち進の頭の上を、轟音ごうおんとともに新幹線が通過していった。進は無性の負けず嫌いだった。新幹線が通り抜けた瞬間、イラッ! ときた。僕の頭の上を断りもなしに通過するとは…と、怒れたのだ。度々(たびたび)、新幹線が通過する姿を進は見てきたが、こうか不幸か、高架の下へ入った瞬間の遭遇そうぐうはなかった。それが今日は、タイミングよく同時となったのである。進としては最悪の事態だった。自転車をいでいて高架が近づいたとき、今までにも新幹線が通過すると進はムカッ! とはしていた。それでも、イラッ! とまではしなかった。今日はムカッ! ではなくイラッ! としたのだ。それからが大変だった。そのことが大きな事件を引き起こしたのである。その日から進の姿は忽然こつぜん、と消えた。当然ながら、家族から警察へ捜索願が出された。誘拐ゆうかい事故じこ失踪しっそうの三面から捜査は開始されたが、明確な情報は得られず、月日は流れていくだけだった。

「ただいま…」

 なんの前触まえぶれもなく突然、進が家へ帰ってきたのは、それから数ヶ月先だった。両親は驚きと喜びを同時にあらわにした。

「イラッ! としたから、家を調べに行ってやったんだ…」

「…」

 両親は進の天然さに返す言葉が出なかった。


                    THE END

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ