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エピローグ 生徒会’sのその後……

生徒会室に向かう私と風華は途中で友梨香ちゃんと会った、まるで向こうが、待っていたかのように。

「そ、その……ごめんなさい!」

いきなり謝られても……その件は、もう済んだことだし気にしないでほしい

とは、言えずにその場は無言になってしまった。

「そうですね! 私もいい迷惑でした」

隣の風華がまるで毒を吐くかのように友梨香ちゃんに言葉をかける。

「風華……いいすぎじゃない? 友梨香ちゃんだって謝ってるんだし」

「いいんだ、何を言われても仕方がない……ボクは本当はここにいちゃいけないのかもしれないのに……」

最後の方になると声が小さくなっていった……。

「そんなことはないよ……ここにいちゃいけない理由なんてないし」

「ちょっと、私も言い過ぎたかもしれません……」

風華はどうやら対応に困っているらしく、おろおろしていた。

「で、でも……」

「そうだね一つだけお願いしてもいいかな? その、友梨香ちゃんも『大会』に出ようよ! 能力があるのは知ってるんだ……毎日校舎裏で刀振ってるの知ってるよ?」

ばれてしまったのが恥ずかしいのか、友梨香ちゃんは目を丸くして驚いていた。

誰にも見つからないようにやってたみたいだけど、屋上からは丸見えなんだよね、あの場所って。

「……わかったよ、ボク大会に出るよ! それで、許してもらおうなんて考えてないけど、それでも、一生懸命頑張るよ!」

「うん! 頑張ろうね!」

「頑張りましょう!友梨香先輩!」

「それと……一つお知らせというか……そのボクはドロップアウトするよ」

「へ? 何からですか……?」

「ん? あき争奪戦から」

そ、争奪戦って……。

不意を突かれ、頭がくらくらしてきた……。

「なななな、何をいってるんですか! それじゃ、まるで私があいつの事を好きだと言ってるようなものじゃないですか!」

「違った? 少なくともボクは二人ともあきの事好きだと思ってたけど……」

「ちちちち、違うっていうか……違わない……というか……そ、そんなストレートに言われたら……私だって困るし!」

「そ、そそそ、そうですよ! 何事もオブラートに包んでください!」

「じゃあ二人ともあきが好きってことでいいんだね?」

「「好きじゃない!」」

「あはは……二人も大変だけど……こりゃ、あきも大変だね……」



その後の生徒会室では……。


「一学期も今日で終わりましたね……」

「そうね……」

怜と風華が他愛もない話をしていた。

「こんちゃー遊びに来たよ!」

生徒会の扉を勢いよく開けたのは友梨香……なんだかんだで、こいつも生徒会に自然に馴染んできていた。

「遊びに来たんだったら、何か手伝って行けよ?」

「えー! あきの手伝いはしないよー! 美華先輩と怜ちゃんと風華ちゃんだったらいいけどね!」

どういうことだよ! まったく……確かに俺は雑用ばっかりで主に力仕事だけど……ってそういえばなんで、怜は力仕事をやらないんだ? 怪力女なのに……。

「何か今失礼なこと考えなかった?」

ぎろり、と怜が睨んできた……何度も言われているがどうやら、本当に俺は分かりやすいらしい。

「い、いや、なにも……」


「まあ、そんなことより、明日からは夏休みだけれど、学校には来てもらうわよ?」

今まで、まったくしゃべらなかった会長が口を開く。

「えっと、どういうことでしょう?」

「そのまんまよ? 今年は『大会』に出るんでしょ? 少なからず生徒会の仕事もあるし『大会』の練習はしなくちゃダメでじゃない?」

「ご、ごもっともです……」

「あきら君はもう少し先を考えるといいよ? 経過を考えるんじゃなくて、結果を見なきゃね……」

……こりゃ、何も言えなくなったな。

「会長、会長! ボクも『大会』出ていいかな?」

会長は、取り乱すことなく、驚いている様子だった。

「愛衣を呼び出すつもりだったけど……そうね、あなたも『大会』に出たいものね……そういえば『能力』はあるの?」

一応、白の剣士の事は、生徒会のみんなには言ってあるから、友梨香が『人工能力者』だったことも知っていて、友梨香が、研究の一部として扱われていたことも知っている。

「これの事ですよね?」

そういうと、友梨香の右手にナイフが握られる……。

「ど、どうして……? 俺が『人工能力』の元は破壊したはずだぞ」

「どうしてって……ボクにも分からないよ、でもさ、ボクは『剣使い――ブレードマスター――』の力を手に入れたんだ……」

……『人工能力』から発生した『使い(マスター)』なんて、俺と同じで後天性の能力じゃないか、一体あいつらは何が目的なんだよ。


トミカ……お前は一体……何者なんだ……。


こうして、俺たちは『大会』を控えて夏休みに入った……。


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