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皇国戦記シリーズ

国家元帥

作者: 尚文産商堂

日本皇国においては、法令上国家元帥という称号は存在しない。

だが、国家に功ある者を元帥位の待遇を特別に許可することは、国会の決議を経たうえで可能となる。

この功ある元帥位へ昇格もしくは着任した者を、一般的に国家元帥というようになった。

これは、日本皇国軍に関する法律第6条4項によって定められている国会承認の元帥位昇格という方式で、今では、軍属に対しても、極めて顕著な功績をあげた者に対して、各位を与えるという方式をとっている。

実際には、そのような運用をされたことはなく、各軍の大将級が元帥位へ名誉昇格をするにとどまっている。


だが、俺の場合は違った。

2070年戦役、通称としては第3次世界大戦の前哨戦として、第2次日中戦争が勃発。

この際、中国の空母を撃沈した飛行隊を率いたのが俺だ。

通称尖閣諸島沖の戦いといわれているこの戦いの趨勢を決めた爆撃によって、俺は飛行大隊長へと昇格した。

さらに、第3次世界大戦において、朝鮮半島侵攻作戦の戦車部隊の援護活動によって、さらに昇格が決定した。

実際に元帥位までは登れなかったが、将官一歩手前の大佐になることができたのだ。

これは、連隊や旅団を指揮することができることを意味している。

また、師団長の補佐をすることもできる階級にあたる。

空軍における連隊は、各航空軍によって異なるが、おおよそ5機から、多くても10機弱の編隊となる。

師団と旅団の区別は、空軍においてはないため、通常は師団と同等のものとみなされるが、これは空軍においては航空隊と称される。

この上の舞台は航空軍となり、さらに上が空軍となる。


さらに、基地へ帰還した後に、上司が転戦を行うために別の師団へと転籍となったため、俺がそこに転がり込んだ。

この時点で、将官になった俺は、通常ではあり得ないことではあるが、いくらでも出撃を繰り返した。

だが、それも終わりを迎える。


露満国境線戦において、出撃をした俺は、飛行隊を率いていた。

上空から宇宙軍の支援を受けながら、敵陣地そばまで来ていた。

前方に対空砲が破裂したのが見える。

それと同時に、急に周囲の空気が乱れ、乱気流が発生した。

外からみれば、きりもみ飛行をして、地面とほぼ垂直に落ちて行くように見えただろう。

激突の5秒前に脱出をし、俺は命は助かった。

僚機は、俺ほど悪条件にはならなかったようだが、乱気流に良くにた状況になったと、後々に報告があったと聞いた。

外に脱出した俺は、運良く湖へと突入し、怪我をすることはなかった。

それから3日の間は、敵から逃げることに終始した。

周囲は森がなく、ウネウネとなっている地面に体を伏せて、どうにかやり過ごすことができていた。

そして味方の陣を発見し、保護を受けた。


本土に帰還すると、国会で俺の処遇をどうするかを話しあっていた。

そして、これまでの戦績や戦歴などを加味し、極めて功ありと認められ、空軍大将へ昇格した上で、元帥位へ同時に昇格した。

ただし、俺はどうも軍にいられるような体ではなかったので、身体上の不調を理由として、元帥位を受けた上で、退任することとなった。


なお、功金鵄大綬章を授与され、最後の花道となった。

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