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櫻華の桜  作者: shio
第一章 識神楽
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十二


 白峰学院は体術、武術、術式の過程を必須としている。普通の授業を含め、毎日その三つは授業に組み込まれていた。

 体術は文字通り格闘術の授業。とはいっても、敵と戦うというよりは白峰では……いや、これは女性防人全員にいえることだが、敵を倒す格闘というよりも護身術に重きを置いていた。痛覚がないと言われている魔を素手で倒すのは男でも難しい。その為、体力で劣る女が攻撃を防ぎ捌くやり方に成らざるを得なかったのは当然といえた。そして、これも当然のことながら、その分、女性防人には武術と術式に力を入れるようにしていた。それでしか、魔を倒す手段がないからだ。

 その武術――武具を使った授業には、剣術、槍術、薙刀、弓道、棒術など様々ある。最初は全て一通り教え、二年目からはそれぞれに合った武具を専門にすることになっていた。防人は魔を倒すことを目的としている以上、すべての武具を使いこなせる必要はない。自らに合った武具に特化し、より技の精度を上げるようにしていた。一撃にすべてを込め術を施す、それが女性防人の基本だった。

 最後に、術式。魔を滅する破魔の術。詩経を唱え仏神に願い、火、水、風、雷など様々な術を施し魔を滅ぼす――それが術式だった。

 前述したように、術式には道着とは別にそれぞれの術衣があった。何より精神力と集中力、そして、心底の一念が必要な術式には服装も大事となってくる。

 形としては巫女装束に近い。着るのは個人の自由だが、千早に似たものもある。身を清め穢れを祓い、仏神に祈念し魔を退ける女性防人には一番合った装束ともいえた。ただし、通常の白い小袖に緋袴ではなく、服飾、柄、色彩は個人個人にあったものにするようにしている。

 武具と同様、術にも個人によって得手不得手がある。より術を洗練させ強固にする為に術衣も統一したものにはせず、各個人が集中できる柄、色彩にしていた。――とはいえ、今では好みばかりを優先させ、好きに作っている感はあるが。


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