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第78話 戦力招集


 獣人の王国(グラディム)から出ていくことを言いに、獣人王レオルところへ挨拶にやって来た。ついでにファーラムで今後起こりそうなことについても話しておく。


「……ふむ。いくらトール殿が強くとも、複数体の魔族が数万もの魔物を使役するのであれば守り切れぬ場所も出てくるでしょう。特にファーラムは魔物がそれほど強くない。そのため抱えている戦力もあまりないはずです」


「もしかして、援軍出してくれたりする?」


「ファーラムが魔族の手によって陥落すれば、その戦火は次第にこの世界を飲み込んでいくことは明白。ですから精強な獣王兵1,000人。それから国軍3万人をファーラム防衛軍として派遣します。……あの、ミーナ先生。それで良いですよね?」


 レオルはミーナにタイマンで負けているので、今この国の裏の支配者は彼女ってことになるらしい。だからレオルはミーナに確認をとる。


「良いと思うニャ。やっぱり王は、このままレオルがやるべきだニャ」


 俺もそう思う。


 世界の情勢を考え、他国に支援を送る判断を即座に下してくれたのは流石。国政とかよく分からないけど、少なくともミーナより彼の方が適任なんじゃないかな。



「まさか勇者の活躍を耳にするより早く魔王が動き出すなんて、今回はちょっとヤバそうね。……でもまぁ、トールがいれば何とかなるか」


 この場にはウンディーネも来てくれていた。


「できるだけ一般人の犠牲を出したくないので、俺が招集できる戦力はファーラムに送ろうって考えてます」


 戦力のあてはいくつかある。


 世界的に見れば俺たちが旅してきた地域は魔物が強いらしく、そこで暮らす冒険者たちもレベルが高い。だからファーラムを助ける戦力になるはず。


 あとはどれだけの強者を招集できるかが問題だ。人数が多いだけでは、遠く離れたファーラムまで移動するのも時間がかかってしまう。精鋭を送る必要があるんだ。



「私は精霊たちに危機を伝える。契約を結んで強くなれるヒトも増やしてあげる」


「ありがと、ウンディーネ」


「こ、これくらい当然でしょ!? トールには約束通り、またこの国に遊びに来てもらわなきゃいけないんだし……。それよりファーラムに送る戦力って、ほんとにあてがあるわけ? レオルが獣王兵とか送ってくれるって言うけど、ひとりで無茶したら許さないからね!」


 ツンデレさんかな?

 可愛いぞ。


 あっ、もちろん俺はミーナ一筋です!


 大丈夫だよって言いながらウンディーネの頭を撫でてあげていたらミーナの視線が冷たかったので、必死に“愛してる”のハンドサインを送っておく。



「ファーラムに来てくれないかって頼む予定なのは、まずミスティナスのエルフ族。遠距離攻撃ができて、周囲に強化魔法を付与できる彼らには是非参戦してほしい」


 世界樹を通して頼めば100人くらいは送ってくれるんじゃないかな。ラエルノアは国守りの要だから来てくれないかもだけど。



「ガレアスって人族の国にも協力を依頼してみる。あそこにあるコロッセオの統治者は他国の王族も恐怖するレベルの私有兵団を抱えてるから」


 コロッセオ統治者であるグレイグは、俺に何かあったら駆けつけると言ってくれた。こーゆー時こそ頼りにさせてもらおう。



「サハルの冒険者ギルドにも援軍を頼む予定。まだ資金はあるから依頼を出せる」


 俺が杖を作ってもらったサハルという国には、オリハルコン級冒険者を抱えるギルドがある。そこのマスターさんとは懇意にさせてもらっているので、俺の依頼も引き受けてくれるはず。


 資金はまだあるとはいえ、オリハルコン級ってどれくらいお金かかるんだろうな。


 まぁ、まずは交渉してみよう!



「てことでミーナ。各地に援軍を頼みに行くよ!」


「はいニャ!」


 このグラディムはガレアスやミスティナスからは結構離れている。こんな時だからこそ、世界樹の契約を有効活用しよう。



「それじゃ、行ってきます!」


「行ってらっしゃい。無事に帰ってくるのよ。約束だからね?」


「トール殿、ミーナ先生。お気をつけて」


「うん、行ってくるニャ!」


 ウンディーネとレオルに見送られ、俺とミーナは獣人の王国を後にした。


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