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テーマ詩集:ドリンクバー

氷水

作者: 歌川 詩季

 ふだんはペットボトル((じか))ですけどね。

 からからの 砂漠とはちがって 渇きも知らずに

 湖のごとく ゆたかに(たた)えられた(うつわ)


 その 満たされたなかに浮かび

 あるいは おしこまれるように沈む

 冷たいクリスタルのようなキューブが (いく)つも


 カラカラと 揺れるたびに音を立てるグラスは

 まるで鈴のようだね


 澄んだ音色(ねいろ)(かな)でる風鈴でなく

 猥雑(わいざつ)なノイズにも思えるが

 これはこれで (りょう)をくれるものだ



 やがて 汗をかきはじめた(うつわ)

 鈴を鳴らすキューブは (かど)を失いまるみを()びる

 とけきるまえに ぐいと飲み干して


 からからの 砂漠にではないものの

 干あがりかけた(うつわ)にのこった

 まるくなりかけたキューブをひとつずつ

 くちへとほうりこんでやる


 そいつを飴玉のようにころがすのも また楽し

 炭酸飲料なら、薄まる前に飲まなきゃ!

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― 新着の感想 ―
[良い点]  グラスについたまるい水滴と氷の音。  『涼風』と同じく、爽やかな風が吹き抜けてゆくようです。 [一言]  実は薄まった炭酸飲料も好きです♡
[一言] 氷が鈴みたい、なんて素敵な喩え。 子どもの時はキューブをよく口に放り込んで涼を取っていました。 がりがり噛み砕くのを兄弟と競ったりして笑。 氷水がこんな綺麗な作品になるのが、いいなぁと思い…
[良い点] 音、絵が時間の変化と共に変わっていく様子が とても美しく表現されているところ [一言] この作品めっちゃ好きです!
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