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僕が考える最強剣士  作者: 漆黒のメダカ
第一章 ウキウキ学園生活
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第9話 《1年トーナメント戦①》

付属魔法。それは剣などの武器を強化して、より強くする魔法だ。


原理は強化魔法と変わらず、武器に魔素を流して強化させる。


僕はそんなに苦労せず、付属魔法を習得した。


「これで強化魔法、付属魔法の基礎が終了だ。ようやく騎士になるためのスタートラインに立ったぞ。」


先生がそう告げると、皆が嬉しそうに声をあげる。


「そこで、今から一ヶ月後に自由参加の1年トーナメント戦をすることが決まった。」


「1年トーナメント戦の上位6名が、年末の全学年のトーナメント戦に参加することができる。」


「(上級生とは全然関わってないな。)」


「(上級生の剣技を見てみたいので、これは参加して勝つしかないな。)」


「上級生を相手にするには、詠唱無しで強化魔法ができないと通用しないので気をつけろ。」


「(詠唱無し、か。今の僕にはまだ出来ない。てか試したことがないな。)」


試合は基本、開始してから強化魔法を唱えるのがルールなのでモタモタしてたらあっという間にやられるってことか。


「(今からでも無詠唱を練習するか。)」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



家に帰ってから無詠唱での身体強化魔法を練習していた。


「(確か前にロベリアがイメージが大事って言ってたな。)」


まず、脚力強化魔法を無詠唱で出来るようになることを目標にした。


「(強化しろっ!!)」


「(パワーアップ!!!)」


「(おりゃぁぁ!!)」


だめだ、全然出来ない。


心の中で唱えてみても反応しなかった。


「(ロベリアに聞けば何かわかるかな)」


とりあえずスクワットをしてから詠唱をして、速攻攻撃の練習をした。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



朝、ロベリアに無詠唱のコツを聞いてみた。


「上級生と戦いたいんだね。」


「そーだよ。戦ってみたい。」


「まずイメージだね。魔素がどこからどこへ流れているか、魔素がどこで溜まって、どう強化させるかをとらえるんだよ。」


「つまり魔素の流れを感じるのか。」


「まぁそうだね。」


「ありがとう、何となくわかった気がするよ。」


「行き詰まったら相談してね。」


「そうさせてもらうよ。」


その日から特訓をして、行き詰まったらロベリアにアドバイスをもらう。それの繰り返しの日々が始まった。


たまにロベリアが練習をみてくれたりもした。


まるでロベリアは師匠だな。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



1年トーナメント戦の三日前がやってきた。


その日も1日中無詠唱の練習をしていた。


途中からロベリアが応援にきてくれた。


「フゥーッ、」


深呼吸し、構える。


魔素を巡らせ足の筋肉に流し込む。


摩素を溜め、絡ませる。魔素の絡みを一気にちぎり解放させると..


「や、やったっ!」


「おめでとー!」


僕は無詠唱での身体強化魔法を成功させた。


「これで1年トーナメント戦に備えられるぞ、」


「優勝しちゃうかもね!」


僕の先手攻撃に更に磨きがかかった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



そしてやってきた1年トーナメント戦当日。


「これより開会の挨拶を、学園長お願いします。」


司会の我らがモラエア先生が言うと、1人の老人が舞台の上に上がった。


「今日、ようやく待ちに待った日がやってきました…」


「(あれが学園長か。なんか優しそうだな。)」


話しは長すぎず、短すぎず丁度よかった。


内容は聞いてなかった。


観客席にいるのは全員1年生で、勝敗を見届ける。


「これより第一回戦、カワ・イイコ対イチ・バンテ」


「両者位置について下さい。」


イイコさんは同じクラスなので一様応援しておく。


「構え..開始!」


合図と同時に両者がうごく。


うごきながら身体強化魔法を唱えているようだ。


イイコさんの攻撃をバンテさんが避けていく。


結果、バンテさんが勝った。


その後も試合は続いていき、僕の番がやってきた。


「第8回戦、ディーノ・ワルター対カイン・レオーネ」


「両者位置について下さい。」


僕の相手はディーノ・ワルターさんか。


「構え」


「開始!」


僕は合図と同時に身体強化をし、先手を打つ。


相手が反応する前に剣の持ち手をみぞおちに叩く。


「ゲホォッ」


「ディーノ・ワルター戦闘不能、勝者カイン・レオーネ。」


よし、無詠唱がうまく行ったぞ。


今のところ脚力強化しか無詠唱でできないので、速攻を仕掛けて倒す作戦だ。


「(いつまでもつかな、)」


その後も僕は順調に勝ち続け、後1回勝てば上位6名のところまで上り詰めた。


「第14回戦カイン・レオーネ対セルシ・オズ=ファレル」


「両者位置について下さい。」


相手はセルシ君か。今のところ無詠唱強化で安定して勝ち続けてる。手強い相手だ。


「悪いけどカイン君の先手攻撃はもう見破ったよ。」


「どうかな」


「構え」


「(この試合を勝てば上級生への挑戦券が手に入る。悪いがセルシ君には負けてもらう!)」


「開始!」


合図と同時に僕は先手攻撃を仕掛ける。


セルシ君の目の前に来るとセルシ君を飛び越え、背後から首もとを狙う。


剣を振るうと、セルシ君はしゃがんで攻撃を避けた。


「背後からとは、やるね、カイン君!」


すると、セルシ君は視界から消え、下から剣が現れた。


「(下か!)」


顔を上げ剣から逃れる。


セルシ君は姿勢を低くし、追撃してきた。


僕は慌てて距離をとり、握力強化魔法を唱える。


「ギシィン!」


セルシ君の攻撃をかろうじて受ける。


握力強化、腕強化魔法を唱えてなかったら押し負けてた。


「強いなッ、」


「(セルシ君も無詠唱が使えるのか。僕以上に使いこなせてる。)」


「まだいくよ!」


「ギシン!」


「カン!」


セルシ君の猛攻を受け流す。


「しまっ!」


僕は体制を崩してしまった。


「そこだ!」


僕の横腹めがけてセルシ君の剣が襲ってくる。


「くっ!」


「(瞬時に腹辺りに強化魔法を唱えるっ!いや、間に合わない!)」


間に合わないなら、間に合わせればいい。


僕は腹の魔素にちからを込め、脚力強化魔法のように無詠唱で強化を試みる。


「バギィィン!」


「ガハッ」


「この攻撃を耐えたか。やるね。」


まだ完全ではないが一応無詠唱が成功した。


「はぁはぁはぁ」


「クハッ!」


戦闘不能にならなかったものの、食らったダメージが大きい。


うまく空気が吸えない。


「これで最後だよ」


僕は体内にある魔素を脚に集中させ、最後の攻撃を仕掛ける。


「はぁー!」


「おりゃあぁ!!」


「キィン!」


甲高い音と共に、僕の剣が飛ばされる。


「カイン君は!?」


僕はトドメをさすセルシ君目掛けて剣を投げた。さっき腕の強化を行ってたのでセルシ君の気を向けるための威力は足りた。


その隙に僕は高速で移動し、セルシ君の腹目掛けて蹴りを入れた。


「グホァアッ!」


「やる、ね。」


セルシ君が倒れた。


「セルシ・オズ=ファレル戦闘不能、勝者カイン・レオーネ」


『うおぉぉぉぉ~!』


我ながらレベルが高い試合だったと思う。


腹の痛みは徐々に引いていき、戦闘を続行できるほど回復した。


これで、年末の全学年のトーナメント戦の挑戦券を獲得できた。


「(後は優勝するだけだ!)」

読んでいただきありがとうございました!

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